随分前だけど、ふとしたやりとりで、
大して知りもしないテッド・ウィリアムズについて発言してしまったので、
いや、せめて自伝くらいは読もう、と思って読んでみました。

以前、以下のようなコメントをいただいたわけですが…
まずそれについて書いておきますと。

最後の4割打者だろ?その年は、シーズン当初から原因不明の微熱に悩まされてたけど根性で乗り切ったら最後に記録がついて来たって愛と勇気の物語だよ。

残念ながら、そのような事実はありませんでした。
うーん、子供向けの本が如何に脚色するかがわかりますね。
まぁそれを鵜呑みにしてる大人もどうかと思いますけど。

事実は、テッド・ウィリアムズには、
気温が冷えると体をこわすという言わば『持病』があった、ということです。
体が冷え、頭痛を伴う、という。
4割を打った年だけとか、シーズン中ずっととか、
そんな都合の良いドラマではありませんでしたね。

なので、シーズン序盤と、終盤、プレーオフにおいては、
シーズン中に比べると数字が落ちがちだ、というただそれだけの話です。
まぁそれでも、常軌を逸して凄いんですけど。


歴史的事実で彼は、正当な評価を受けて無いって過去に皆がそう書いるから彼は、正当な評価を受けていませんって所だろ?

ま、これは全く僕の書いた通りです。
というか、正当な評価をしてくれる記者が少なかった、
と言うのが事実らしいですね。

レッドソックスファンからしてみれば、
確かにリーグ優勝すら出来なかったレッドソックスではあるけれども、
自分のチームのスターに対して、それも抜群の成績を残しているスターに対して、
評価が低いってことはないよな。

まぁただ、問題を起こしまくってたことは事実なわけで…
記者と乱闘とかね。
記者席につばを吐くとかね。
いくら記者が酷かったって言ったって、褒められた態度では…無いよね。
それ以外にも、優勝決定後のパーティをすっぽかして釣りに行くとか。
チームとしては…白けるよね…
(本人はすっかり忘れてたと言ってるけど)

で、それらを、仲の良くない記者に過剰に書かれて、
読者がそれを読んで、どう思うかって言う。
熱狂的なファンはともかくとして、
普通は、打つのは凄いけど、選手としてどうかな、って思うだろうよ。

ただ、誤解しちゃいけないのは。

テッド・ウィリアムズ自身は、
相手が正常であれば、特に人嫌いというわけでも無いという点。
若い頃の少し傲慢な態度が、記者との関係をこじらせてしまったらしい…ということ。

彼自身は、後年、
ファンと、自身の関係 ── 例えば、生涯でファンに手を振って答えたのは一度きり ──
などについては、上手くできたかもしれない、と考えていたみたい。


まぁでも、その当時では、それがやっぱり自然だったのかもな、とも思う。
若いのには理由があるわけだからね。

多くの人よりも、人との関係に対してセンシティブで、
記者に対しても、その関係を求めたと言うことかな…
記者からすると、ただの、取材対象でしかないから、
そこには、尊敬とか気遣いとか無いわけで、
それだけの価値観の差があれば、それは何らかの軋轢は生じるよね…難しい。

結局、テッド・ウィリアムズ自身も書いてるけど、
とにかく全てを野球、それも打撃に捧げた、ってことみたい。

評価されるとかされないとか、
そんなことは小さなことで、
彼にとって、その日、その1年、如何に鋭い打球を打つかが大事だったと。

文中で、

今の選手はなぜ、そう言うことをしないのだ、

と書いてるけど、いやぁ…
天才にしか無理だと思いますよ…それは。

それが出来るところが天才の所以なのかなぁ。


なお、一点誤認があったので修正。

現役引退後、愛想を尽かして、
長い間公衆の面前に出てこなかったと書いた気がしますが、
本当はそんなことはなくて、42歳までプレーした後、
現レンジャーズで監督を務めてます。

まぁ本人は、釣りをしてたかったけど、
GMの人情にほだされた、って書いてましたけどね(苦笑)

そんなに長いことはしなかったと思うけど、
(手元に本がないのでうろ覚え、間違いがあれば後で修正)
打撃コーチとしては、かなり評価が高かった様子。


本質的には、言葉を持っている人、だったんだろうなー
それを上手く出せる分野が限られてはいたんだけど。

4583015887大打者の栄光と生活―テッド・ウィリアムズ自伝
テッド・ウィリアムズ 宮川 毅
ベースボール・マガジン社 1973-03

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