69tracksというイベントがある。
2000年1月に始まって以来、恐らく毎月欠かさず行っているのだが、
色んな意味で結構、特殊なイベントだ。
その音楽性について、思っていたことをまとめてみたい。

69tracksとは、ロックメインのイベントだ(69=ロック)。
しかし、ロックばかりが掛かる…というわけでもない。
そのときのDJの感性のブレに従って、ポップな感じにも成るし、
状況によっては、ダンスミュージックっぽくなることもあるかもしれない。
だから、がちがちのロックファンが来たら、
中途半端な雰囲気にがっかりしてしまうかもしれない。

基本的に…正統なロックが既に絶滅寸前であるわけで、
ロックにこだわるとどうしてもクラシック・ヒット・パレードになってしまうし、
それはそれで飽きる。
そういうわけで、上記のような状況にあるのだが、
良いときのDJだと、ありがちなジャンル的区分けでは色取り取りであっても、
69tracksとしては、一本筋が通っているような。
そんな印象を受ける。
一本筋…ってなんだ?

ロックイベントに足を運ばない音楽好きに、よく誤解されるのは、
『アレでしょ?みんなが知ってる曲を掛けて踊るカラオケでしょ?』
なんてこと。
まぁ、そういうことも多々あるけれども、
でも、世間の認知度がそれほどじゃないのに、
イベント内での認知度は100%近いなんて曲もあるのがロック。
69tracksの客は、まず、踊って楽しめるのが大前提。
自分がお気に入りの曲がかかれば、それで熱狂。
お気に入りの曲でなくても、例えばCMで使われていたり、
シンパシーを感じる曲であれば、踊る。
ただ、踊るけれども、安易にJ-POPを混ぜたりしない。
その辺はもしかすると、DJのプライドかもしれないけれども、
客としても別にそれは望んでない。

多分DJ陣に誤解されてるんだろうなーと薄々感づいてるけど、
『いつも聞くあの曲この曲をいつも通りに聴いて跳んではねて帰る』
というイベントに行きたいわけではなくて、
『いつも聞くあの曲この曲もかかって楽しいイベントで遊んで帰る』
の方が実感には近いかと。客の。
最終的にバーストする部分はいつものあの曲かもしれないけど、
それまでの課程でどんだけ聞かせるかってのはかなり重要で、
『どうせあの曲掛ければ踊るんだから』
『どうせあの曲掛けないと踊らないんだから』
何掛けたって良いだろ的選曲は、客も馬鹿じゃないので引く。
こうね、女を口説くのと同じで、
直球、変化球織り交ぜながら、上手いことピークタイムまでリードしてもらいたいのだ、

…あ、音楽性の話になってねぇ(苦笑)


音楽で言うと、要するにロックイベントじゃあないってこと。
バンドを挟まない、ロックDJによるイベントって意外と少ないし、
もしやるとすれば、もっと小さな箱でやるか、
ブルーハーツとか、ジャパニーズパンク世代に照準を合わせるか、
ストーンズとか、クラシックに照準を合わせるか…
まぁいずれにせよ、『今のロック』という視点でって京都にはほぼ無いんだけど、
ゲストの人とか来た日にも思うのは、
69tracksって、ガッツリ系男前ロックに対してもあんまりピンと来ないなぁということ。
どっちか言うと、現代に近ければ近いほど、ポップなのがお好みかと。
そのせいなのか、そういう男前系が来て渋く回しても、
ノリとしてはなんだかいまいち。

不思議な客だなぁ…とは思う、もし自分がDJならヒステリックになりそうだけど、
とりあえず多分、わかりやすい音が良いんだと思う。
音自体は踊れれば、ヒップホップだろうが、ハウスだろうが、スカだろうが、
何でも良くて、でもその代わり、“飲みやすく”無いとダメで、
この曲の元ネタはアレだよ、とか、
これは踊りやすいでしょとか、そう言うんではちょっと…
基本的に四つ打ちで通じるのは、有名ディスコまで。ダンシングクイーンとか。
ハウスとテクノの精神性は、伝わらないっす。
それだけで流れを作るのは、多分69ではえらく難しい。多分。

まぁ、うんざりだろうなぁと思いつつもやっぱり、『定番』は欲しいんだよねぇ。
Minorityとか。Rocksとか。We will rock youとか。
前半はDJを楽しんで、後半は定番曲でめちゃくちゃになって終わる、
それが結構正しい姿のような気がするなぁ。
ごちゃごちゃ言う前に。

ゲストDJが苦労するのは、やっぱり、意外とロックじゃない、ってところじゃないかな。
その上で、クラシック的なものはレジデンツが抑えてるしね。
必殺技封じられた異種格闘戦だもんなぁ。
ただ、昔は、
『ゲストDJは69tracksを知らないから、そそるような品をサーブできないんだ』
なんて思ってたけど、
最近、それはどうやら違うらしい、と思い始めてる。
何を気負ってるのか知らないけど、フロアと親和性のない人が多すぎる。
これは、ゲストに限ったことでもないけども…。


2005年の『壁』は、結局、
ピークタイム以外の部分でブレーキ掛かることじゃないかと思う。テンションにね。
ずっと上げ続けて疲れるよりも、一旦下げることで引いちゃったり
帰ったりする方が大きい。
明らかに、俺ら無視されてるなぁ…っていうDJしてるもんな、誰とは言わんけど。
そんなDJしてるようじゃ、盛り上がるわけねえよなぁ。
家帰って好きなだけやればいいのになぁ。
DJってのは、音楽をコミュニケーションに使える商売だと思ってたんだが、
そうじゃない人もいるねぇ。
ブースで、ヘッドフォン耳に当ててても、殻に閉じこもったまま。
貴重な月イチの時間の半分近くを、我慢とスルーで過ごすのはもったいなさ過ぎるよ。
お互いに。


友達は大事だけれども、
友達に会いに行く目的でイベント行くようになったら、
(俺の中での)イベントは終わりだろな、行っても行かなくても良いものになるだけ。
やっぱり、楽しめないと。
ちょうど今なら、退屈な時間に、友達と目一杯話してるわけだが、
そんなの別に楽しかねえし。
イベントはやっぱり、音楽で楽しくならなきゃな。

うーん、結局よくわからん結論だけど。



【前提と言い訳】

まぁイベントに限らず、テレビの視聴者でもそうだが、
客ってのはある程度自分に都合の良いように解釈するし、
不十分な知識と直感だけで、すべてを知っているかのようにしゃべる。
当事者の心情も、思惑も理解しようとせず、
わずかな洞察力と、出てきた結果から、逆算して想像するのみだ。
そして僕もそんな人間の1人である。