DJってなんなのよ。 – とあるイベントの客の視点から。

DJについて書くのは止める、
少なくとも自分で及第点を上げられるDJが出来るようになるまでは、
偉そうなことを書くのは止めておこう、そう思ってたんですけどね、
とある場所で、もの凄く分かってない言葉を見つけてしまって、
それが身近であっただけに僕は非常に愕然としまして、
怒るというか、気持ちが悪くなってしまいました。
と同時に、隠しようのない、失望感を感じましたね。

あ、そうか、やっぱりこの人って、
『分かってない人』
だったんだ…というような。
ちょっとショックでした。




まぁ、まず、DJが…というか、バンドなんかも含めて、
イベントの当事者がぶっちゃけ的ディスを文章でオープンスペースに残すこと自体が
非常識ではあるんだけれども(プロレスみたいな遺恨を狙った場合除く)、
それはそれとして、だ、
DJとして空気を読むというのはどういうことなんだろうか、
ってちょっと考えさせられた。


空気には、2種類あると思う。
イベントに対する感性と、自分が掛けようとしている曲に対する感性。
イベントに来ている客が何を望んでいるか、という感性と、
今目の前にいる客がどんな状態か、と言うことを知る感性。
その二つは似ているようで違うんだが、
特に前者を履き違えると、未熟では済まされないことになることが多い。
仕事で言えば、後者が割と単純ミス(技術に基づくミス)であるのに対して、
前者は怠慢とか、自らの失敗すら分からないとか、資質に基づくミス、そんな感じ。
(まぁどっちも、責任問題になるわけだが)


んでね、その問題の言葉、なわけだが、
なんだか、もの凄く上から書いてるように読める。文章を。
俺がイベントだ、ということなのだけれども、
ただ、望むと望まざるとによらず、DJはイベントに縛られる。
DJプレイとしてOKな選曲でも、このイベントでは無しだな、という曲があるのは、
まぁ誰だって分かることだと思う。

自由ってのは、何をしても良いってことじゃないわけ。
ある程度、場の縛りがあって、
その中で、あらゆる設定を操作する権限を持つことなわけ。
最低限の枠組みはどうしたって必要で、
むしろ制限がないところには、自由もない、対比するものだからね、
片方がなければ片方は存在しない、

DJで言えば、イベントに来る客が、何を求めているのか?
というのはあると思うワケよ。それからは、逃げられない。
DJに許された方向性は、例えば、それに従うor敢えて外す、だったりするわけだが、
そこにはなんらかの論理がなくちゃいけないし、
まぁなんにせよ、それを頭から取り除くことはできない。
なぜなら、そこんところが、結局、ルールに一番近いからなんだが、


ああ、もうなんか書きづらいしはっきり言ってしまうと、
自分勝手なプレイは、オリジナリティ溢れるプレイじゃないわけ。
使い古された言葉だが、
そんなDJは帰ってオナニーして寝てくれていい。
そりゃ、毎回同じ曲ばっかり掛けてりゃ飽きるだろうけど、
じゃ、掛けなきゃ良いじゃん。
それを掛けないと盛り上がらないのは、
自分に腕が無くて、それ以外の曲がだだ滑りだからだろ?
空気を読む力がない、盛り上がらないことは最初から分かってる曲を、
自分がかっこいいと思うからってだけで掛けるからだろ?
もう何ヶ月もそれで滑ってるし、はっきり言ってつまらんわけだが、
それに対する分析をしないまま、他人をディスるのはどうなんだろうね?


俺が掛ける曲をこいつらはわからない、と思うのは勝手だけど、
『こいつら』が求めてるものからあまりにかけ離れているわけさ。
ロックな奴らにヒップホップを掛けて踊らせるのは、脅迫に近い。
そうして踊らす、オリジナリティ溢れるDJも知ってるけど、
出来なきゃただの負け組。
客から見れば、
意図はどうあれ、ああ、ダメなDJなのね、
それ以外はないわけ。
今はこれを聞けとかいう説教とか、
今これ流行ってるんだぜかっこいいだろとかいうオナニーとか、
金払って、わざわざ聞きに行く人はいないわけ。


もっと感性的にしゃべるとだね、

そうしたことは、感じてもらえばすぐに分かることなワケですよ。
フロアにいてぼーっとしてる男だって気づいてることだから。
ただね、知識に振り回されてるとそれに気づけない。
よくいるんだけどね、
感性が備わっていないことがコンプレックスになってて、
とにかく知識を詰め込むことでカバーしようとする人間、
そういうのも世渡りとしては十二分にありだけどもね、

そう言う人の作品はつまらん。
そういう自分に気づいた上で、確信犯的に利用できる人は違うんだが、
そうじゃない人は所詮、知識しか作り出せない。
知識を組み合わせたものもオリジナリティの一つの形ではあるけれども、
ある意味では、それもコピー。
そして多分、組み合わせ方も、どっかのミスバージョン。


僕はねぇ、
フロアの空気さえ読んでくれれば、
自分に対するプロップスの下降ぶりを感じてもらえれば、
素人じゃないんだから、どっかで気づいてくれるだろうと思って黙ってた。

だけどダメだったねー。
あのプレイしてた人にディスられたら、
たとえ目上でも、俺なら切れてるよな。悪いけどさ。


決して、場の縛りは厳しくないはず。
ジャンルの幅は広いよ、ただそこになんらかの精神性がなくちゃならん。
今現在、明らかにそれを見失っていて、
僕らは明らかに、選曲に対してシンクロできない。
自分の意識の方向性を考え直した方がよかないか。
それが出来ないんなら、もう止めた方が幸せじゃないのか。

DJなんて、無理してまでやるようなこっちゃないって。
楽しいからやるんだろ。
だから、死ぬほどしんどくても行くんじゃないか。