koishikute.
幸せな時は 不思議な力に守られているとも気付かずに けど もう一回と願うならば それは複雑なあやとりのようで ひとつのことをしているとき、 ずっと、このまま続くんだ、と、思う。それは、 特別な感傷や、 感慨や、 思い込みなんかではなくて、 何かに、懸命に取り組む、というのは、そういうことなんだろう。 明日もあるからこそ、明日のために、生きる。 でも。 分かるように、 同じこと、状況は、永遠には続かない。 皆、変わっていく。 自分が変わらなくても。 自分の『幸せな時』を支えてきた、 何か、 すらも。 変わらないのは、変わっていくこと、だけ。 僕は、曲線に沿っては、生きられない。 織りなす、曲線は、実は、直線の集合に過ぎない。 時には、ラインからはずれるだろう。 それに気づくとき、いつも、思う、 幸せなときは複雑なあやとりのように。 『魔法のようなもの』 感じながら。 [1997]