中国外交。

さすがである。 韓国政府には悪いが、役者が一枚も二枚も違う。 先刻からの中国における反日運動について、僕はずっとしっくりこないものを感じていた。 韓国における反日運動は、竹島条例制定に伴う、韓国の権利を侵害したという、 非常にわかりやすいきっかけがあった。 中国における反日運動も、根っこのところは同じ(日本の姿勢が気に入らない)なのだが、 きっかけがイマイチはっきりしない。 何故今なのか、という部分で、これと言って大きなことがあったわけでもない、 (問題の教科書は前回の検定にも合格しているわけだし) 主張していることは理解は出来るのだが、タイミングが理解できなかった。 運動に対する、政府の発言、行動ものらりくらり。 市長が反日を諫める発言をした後で、副市長が日本を批判する演説を行ったりと、技も豊富。 暴動を犯した犯人を一気に20人以上逮捕したかと思えば、 怪我人が出ても、私闘であって当局は関知しないと言ってみたり。 とにかく、加熱しすぎない程度に、できるだけ長く引っ張ろうという姿勢が見え隠れする。 中国と日本の利害関係で言うと、本来、歴史的歪曲なんてものは小さいはず何である。 むしろ、国威発揚のネタ程度のことであって、それを武器に対日本外交など行うはずもない。 大臣が問題発言をしたときに、警告を発して貸しを作る、それだけのことだ。 (その辺り、ひたすら感情的な韓国とは違う。むしろよっぽど怖い) だから、歴史問題だけで、反日運動を煽動するのは得策なわけがない、とすれば、 答えはただ一つ、これで日本にプレッシャーを掛けつつ、 なにか交渉を有利に持っていこうという戦略。 じゃ、直接的に利害関係が有るものと言えば何か? それは韓国と同じく領土(領海)問題、そしてアジアの盟主の地位。 領海問題は、石油油田の利害も絡む尖閣諸島の問題と、 先日『あれは島ではなく岩だ』と大臣が発言した、沖の鳥島の問題。 尖閣諸島に関しては、日本は中国と交渉を持とうと声を掛けてきたがなんのリアクションもなく、 仕方無しに日本独自の行動をとる、と宣言して試掘権を設定した。 でもそれは無視というか、試掘権を設定するのを待たれていたような気もする。 反日運動というカードを見せつつ、それを大々的に批判することになるだろう。 もしかしたら、同じレベルで、沖の鳥島に関しても批判を開始するかもしれない。 中国にとっての最大の目的が何であるかはよく分からない。 ただ、指摘する多くの問題は、もちろんそれ自体も大事ではあるが、 最悪、事態が好転しなくても中国にダメージはない。 でも与えるダメージはある、日本のネガティブなイメージを内外に示せるし、 中国の外交主導権を保持できる。 今日、中国外務省の報道『副』局長が、日本の試掘権設定に対して不満を示し、 共同開発をしたいなら応じる、中国はずっとそれを主張している、と表明した。 呼び掛けに答えなかったのは中国のハズなのだが、いつの間にか『自分勝手な主役』は交代していて、 協議の主導権も中国が握っているかのようだ。 これが、中国なんである。 このやり口を見れば、一連の韓国政府の対応、韓国マスコミの主張が 如何に幼稚であったかわかると思う。 あんなものは放っておけばよい。 でも中国を放っておくと、本気でヤバイことになる。 持ってるカードの数が、圧倒的に違うからだ。 さて、日本の官僚達は、この手練手管に長けた中国官僚達に対抗できるだろうか? 田中眞紀子がラジオで、『中国と仲良くできない小泉は頭が悪い』と言ったそうだが、 (田中家は角栄の代から親中派なんだし割り引いて聞く必要があると思う) 首相は頭が悪くたっていいのが、日本の政治システムだし、 優秀な人材は他にきちんと揃っているのだから、これは彼らの戦いである。 常任理事国入りなんて、はっきり言ってどうでもいい。 拒否権のない常任理事国なんて、目立つだけで金を払わされ、旨味なんか1つもない。 大事なことを見極めて、きちっと交渉してもらいたいと思う。 中国に美味しいところだけ持って行かれないように。 で、近い内に起きるだろう、中国のバブル崩壊に巻き込まれないように。 そろそろ、策士っぽく働いても良いんじゃないかい?

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PHOTO: sakura

先週の土曜日(9日)、桜の写真を撮りに出掛けてきたんですが。 なかなか綺麗に撮れてたので、つい、仕事にも使ってしまいました(苦笑) あんまりここで職場の話をするとアレなので、 気になる方はチェックしてみてください。昼、夜バージョンともなかなかです。

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Symbian

ボーダフォンが、SymbianOS用アプリの配信を開始するようだ。 ITmediaビジネスモバイル:ボーダフォン、702NK向けSymbianアプリを試験配信 とはいえ、現状では、ノキア製3G携帯『702NK』しかないので、 実質的に702NK用アプリということになるのだが、 携帯用フルブラウザが用意されるほか、 ユーザーインタフェースをカスタマイズできる「カスタムテーマ」等も用意されている。 ITmediaモバイル:フルブラウザや「純和風メニュー」も?新Symbianアプリ そうは言っても、フルブラウザ『NetFront』は2,625円、 カスタムテーマは1つ420円で、 超勝手アプリが幅を利かすSymbianアプリで そんなものが支持されるのか疑問ではある。 それに、Symbianの善し悪しというよりも、 ノキア端末の使い勝手の悪さを何とかしてもらわないと、 とてもじゃないが手は出せない。 ボーダフォンのお偉いさん方、 問題は、アプリとかサービスとか料金とかそういうことではないのだよ。 端末をなんとかしやがれ!

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雨。

雨の中を歩くのが好き。 静かに、広がるように落ちてくる雨粒の中を、 身をすくめてゆっくりと歩く。 街は、屋根を求めて小走りに急ぐOLや、 片手に持っていた傘を慌てて開くサラリーマン、 カフェから出て、手をかざしながら談笑する女性や、 顔を曇らせて文句を言う工事関係者、 嬉しそうに身を震わせて飼い主を見上げる犬、 稼ぎ時、とばかりに慌てて自分の車に戻るタクシー運転手。 オープンカフェではスタッフが慌てて椅子を雨陰へと移し、 携帯ショップの販売員が憂鬱そうに外を眺めている。 そんな街の中を、僕は一人、歩く、 多分、傘を差した方がいいんだろう、今なら取りに帰れる。 でもね、まぁいいや。 雨粒は、灰色に乾いた空気の中をまっすぐに落ちてきて、 黒くざらついたアスファルトの上に落ち、瞬間にはじけて溶ける。 そんな様子が、こちらからあちらへ移動していき、 街は雨に包まれる。 街の音は雨音に溶け、 静かに、雨粒の流れへと身を委ねる。 僕は、その音を聴くのが、好きなのだ。

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Becky! Ver.2.20.07 リリース。

暫く更新もないし、とうっかりしていたら、 次々に仕様変更 / バグフィクス版、がリリースされてるじゃないですか。 まぁ大体は最新版じゃなくても大丈夫なんだけど、 (それぞれで一応安定してるから) 重大なバグフィクス、ちょっとした機能追加なんかが行われてるときもあるので、 まぁ気が付いたときには、アップグレードした方がいいですな。 というわけで、アップグレード。 Becky! Ver.2 BBS: Becky! Ver.2.20.07 Becky!

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ECDはこう言った。

『GATE02』に収録されているECDコラムを一足先にWEBで公開した。 その中に、印象的な言葉遣いがあったので引用しておく。 ECDらしい考え方だし、また僕自身の思いにもかぶる(ECDの方がより深く考えているけれど) コラムとしても面白いので、良ければ読んでみてください。

「楽しみ」として供せられる音楽に対して限りなく横柄になっていくリスナーと呼ばれるひとたち。
例えば僕は最近、音楽誌等で音楽を語る言葉がグルメ評論家が料理を語る言葉と同じになってしまっていることがたまらなくイヤだ。美メロなんて言い方が大嫌いだ。音楽をサプリメントか何かのように扱い、実効性を求める。自分に合っているかいないかだけで評価する。クラブ・ミュージックというジャンルも、目的が踊らせることに特化しているからどうしても実効性に評価がかたよりがちだ。
これは、過去のインタビューや、1回目のコラムでECDが書いていたことともかぶるのだけど、 それまでは、曲を聴いて初めの何秒かでDJとして使えるか判断し、 それでOKが出たものだけを買う、そういう買い方をしてきた…と言っていた。 要するに実効性重視の音楽選択だ。 僕自身もそういうことをすることがある。 試聴をしていて、フロアが思い浮かべられれば、買い。そうでなければスルー。 その音楽が良いかどうかなんてことは二の次だ。 全ての音楽にそうして接しているわけではないけど、 自分の好きな曲と好きな曲の間を埋めるためにかけられる曲達は、そうして選ばれる。 なんて、不幸な音楽選択だろう、と思う。 僕には、ECDが言うような、 実効性を求めない音楽、という感覚をまだ上手く共有できない。 自分に何も与えようとしない音楽をなぜ買うのか、 もしその音楽を買ったとして、そして聴いてみて、自分は何を感じるのだろうか? その感じたものは与えられたものではないのか、いや、 それはそれとして、この場合彼が述べている奉仕とはもっと別のものか… そうしたことをまだ上手く捉えられないが、 でも彼の書き表そうとしたことは、少しわかるような気がする。 だから僕も、ファッション誌のコピーをディスるんだろう。

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全ての終わり、そして始まり。

物語は、時に、突然の終わりを迎える。 ただし、もしこれが小説であったのなら、という話だ。 現実世界では、ページが尽きることはない。 たとえ終わりを錯覚したとしても、時は非情なまでに淡々と流れていく。 全ての終わり、そして全ての始まり。 小説における終わりとはすなわち、状況の停止、だ。 小説とは、文字に沿って状況を変化させていくことに意義があり、 その変化が止まる地点が終わり、だ。 ところが我々の世界には、変化の止まる地点がない。 たとえ1人が人生を全うし命を落としたとしても、 その人を含んでいた状況の変化が止まるわけではない。 にもかかわらず、僕らは、時折、『終わり』を感じる。 在りし日の情景を思い浮かべ、現在の状況までの変化を感じ、時に悔い、 その状況を変化させることはもう出来ない、と、錯覚する。 だが、冷凍庫に放り込んだ魚でさえ徐々に痛むように、 変化しない状況など、ない。 僕らの世界では、過去に起きたことでさえ、変化する。 過去に起きたことは全て確定したもの?それも、終わりの錯覚だ。 変化しないものは過去ではない。 物語は、突然の盛り上がりを見せ、また同じように突然の終わりを迎えた。 僕自身にはとても追いつく暇はなく、 目で追っている間に、いつの間にか、状況は変化を拒否していた。 僕の目の前を、猛スピードで通過していったそれは、結局コントロールが効かなくなり、 前方の壁に激しく衝突した、のだ。 ただ、先に述べたように、我々の世界に終わりはない。 たとえ、人類が滅びようとも、それは終わりなどではなく、ただの錯覚だ。 時は流れていくし、状況の変化には何の変わりもない。 僕は変わらずに煙草を吸うし、 煙を吐きながら、今もここに立っている。 全ての終わり、そして始まり。 状況は、今も変化し続けている。 変化を拒否しているのは、自分自身なのだが。

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blogというtoolのビジネスへの関わり方。

ブログ人1周年記念として、 Cnet Japanの代表取締役社長、御手洗さんと、 bounce.com運営会社NMNLの代表取締役社長伏谷さんの対談が掲載されていた。 spring_special: ブログとメディア 僕はこの記事を、eNatural.org[eN]の記事で知ったのだけど、 ちょうど対談の抜粋になっているので、こっちの方がわかりやすいかもしれない。 [eN] ブログとメディア

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二日酔いの分類

『二日酔い』というヤツには種類があるんじゃないだろうかと思う。 僕にとって二日酔いってのは、 飲んで帰って寝て、翌日起きて、気持ち悪い、頭痛い、体調わりぃ… ってのだと思う。 そういう症状は、薬で和らげることが出来るし、 治る、という種類の物だ。 一方、そういう二日酔いとは違うものとして、 ただ酒が残ってる状態ってのがある。 花見後の出勤時がそうだったのだけど、別に体調の異変はない、 ただ、酒が残っていてテンションが高く、微妙にダルイ、そんな感じだ。 要するに酔ってるんである。 これだと、薬を飲んでも治らない。 むしろ、酒を外に出してしまわなきゃならないので、 汗をかく必要がある。 そういうわけで花見の翌日の昼飯には、 『赤鬼』の『烈火鬼ラーメン』(激辛ラーメン)を食べに行き、 汗をだらだらかいて、水分を補って、体調を戻した。 まぁどちらも、広義には二日酔いと言うんだろうけど。 対応の仕方に違いがあると言うことで。 ていうか、翌日仕事の場合は、お酒は程々に。 遅刻とかしたら目も当てられないので。

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コンプライアンス – 分かりやすい日本語。

ITmediaニュース:「全然変じゃない!」──エイベックス流コンプライアンス
「インチキするな」「弱いものイジメはするな」──エイベックス・グループ・ホールディングスが4月11日発表した、グループの新コンプライアンス(法令遵守)ポリシーには分かりやすい言葉が並んでいる。企業のコンプライアンスポリシーは堅い表現になりがちだが、エイベックスのポリシーは「僕たち自身が本当に納得できる」(松浦勝人社長)という内容を身近な表現でまとめた。>> 記事を読む
一時期話題になった、AVEXの松浦氏。 相当に人望のある人のようなのだけど、この人がまとめると、 企業コンプライアンスもこうなっちゃうという例。 やっぱり、誰もが薄々感づいていて、 でも社会人なんだからやっぱり…なんて言う見栄で覆い隠していたことが、 『難しい言葉で書いてあるとわかりにくい』 ということでは無かろうか。 難しい言葉で書いてあると、なんだか内容も難しいような気がするけれども、 多分、このAVEXの物とさほど変わらないはずだ。 大体が、全ての社員に、浸透させることが目的なわけで、 わかりやすい言葉で書かれていないと意味がない。 配布した後に解説が必要になるようでは、 本来の意義を果たせないような… 音楽大量消費の象徴として、AVEXはあんまり好きになれない会社ではあるけれども、 この松浦氏という人は相当に面白い人のようである。

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