嚢胞ってこんな
むし歯(う蝕)が進行し、歯髄に感染が起こり、それが歯根の尖端に波及すると、根尖性歯周炎が生じます。それが慢性化すると歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)や歯根嚢胞ができます。
嚢胞(のうほう)|口腔外科相談室|日本口腔外科学会
日常臨床でしばしば遭遇するもので、顎骨の中に生じる嚢胞の50%以上を占めます。
上顎洞ってここ
副鼻腔のうちの一部で、頬の裏にある部分が上顎洞らしいです。なんか一般的に副鼻腔っていうとここのイメージがあります。
経緯はこんな感じ
- 治療した虫歯の生き残りが根の方に進行
- 虫歯菌が歯茎に到達、炎症を起こして膿が発生
- 膿から守るために上皮が生成 → 袋状になって嚢胞を生成
- 嚢胞が大きくなって骨が溶ける、CTに映る、要手術
診断から手術
- 根がだいぶいっちゃっていて抜かざるを得ない
- 日帰り手術、局部麻酔
- 抜いて出来た穴から上顎洞を調べて嚢胞を除去
- 嚢胞を除去したあと上顎洞を洗浄
手術後
- 抗生物質で殺菌
- 経過をみつつ必要に応じて何度か洗浄
- 自然に穴が閉じるはずだけど閉じなかったら縫合
- 穴が閉じて治療が完了したあとはかかりつけ医に戻って治療
手術した感想
局部麻酔でしたが手術中の痛みはほとんどありませんでした。ただ出血が酷くてそれが喉に溜まって不快でした……口をすすいだときに塊(嚢胞の一部?)が出てきてギョッとしたり。手術後の痛みはありましたが、痛み止めで十分抑えられる範囲なので大したことないかなと。親知らず抜いたときの方がよっぽど痛かった気がします。あと面白いなと思うのは、骨が溶けてなくなってしまった結果、抜歯の穴から副鼻腔を通して鼻に繋がってしまっているので、口を閉じた状態で口から息をすると穴を通して空気を吸えてしまいます。さらに口をゆすぐと自動的に鼻から出てきます。
これでいいのか不安ですけど、そのうち歯肉の穴は塞がるし、炎症が治まると骨も再形成されて通じなくなるらしいので期間限定のバイパスって感じですかね。
しばらく不便な状態が続きますが、綺麗に治ると良いなあ。あと穴塞がったあとの治療どうなるのかなー。ブリッジかカバーか差し歯。噛みやすければ何でも良いんですけど。どうだろうなあ。