首都圏の受験戦争に比べて地方の受験の構造は極めてシンプル

テスト・受験のイラスト「試験中の男子学生」
僕も小学校受験、中学受験、高校受験、大学受験としてきたけど首都圏のそれとはレベルが違うっていうね






首都圏の受験の過酷さを物語る記事

今年も首都圏の中学入試の山場を越えました。でも、親にとっての中学受験って、まだ終わってなかったりしますよね。多くの親御さんの心の中に、いろんな気持ちが渦巻いていると思います。

2カ月後の4月、同じ学校の同じ教室にいる生徒でも、心の中の色はさまざま。100%望んだとおりの結果としてそこにいる生徒、”ほろ苦さ”を経験しつつも笑顔でそこにいる生徒、そしてまだ“ほろ苦さ”を引きずっている生徒……。

ある私立中高一貫校の先生は、「中2の始業式が、親にとっての入学式だったりするんです」とおっしゃっていました。一年間通ってみて、ようやくほっとする親御さんも多いのだそうです。

小学校での遠足の最後には、校長先生が「遠足はここで終わりではありません。安全におうちに帰るまでが遠足です」と言っていましたよね。中学受験も同じです。

傷ついていてもいい、後悔があってもいい。中学受験のエピローグをハッピーエンドに仕上げるまでが親の役割(おおたとしまさ) – 個人 – Yahoo!ニュース


当事者なのは子供自身なのだというところにフォーカスを当てた記事は、そうだと解っていても同じように傷付いてしまう親の気持ちも含めて暖かく見守る記事になっていると思いますが、しかし、地方の受験ではここまでのフォローは実際の所必要がないのですよね。日本の中でこの記事に共感を寄せる人は限られた大都市圏(それも主に首都圏)に限られると思うのです。少なくとも僕の受験ではこんなことは必要ありませんでした。



二月の勝者

たまにチラリと立ち読みするだけでそんなに熱心なファンというわけではありませんが、受験を題材にした漫画に「二月の勝者」というマンガがあります。





ものすごく簡単に言えば、首都圏の受験を戦うもしくはサポートする学習塾の話なんですけど、学校として受験に挑む「ドラゴン桜」とはまた違ったドライさがあってリアルな受験を感じます。




先日立ち読みした回も都立高校と私立高校に関する、受験生や両親の思いが描かれていてんーってなりました。ランクが高い都立高校に合格するのはとても重要だけど、そのレベルの子供は当然有名私立も併願しているわけで、喜んだり喜ばなかったり。



地方の受験はとてもシンプルです

僕が高校受験したのはもう30年も前なのですが、話を聞く限り今でもあんまり「順位付け」は変わっていないっぽいです。多少、私立が特進科的なクラスに力を入れて数字を伸ばしてるぐらいで、受験生の候補順は変わってない印象。


簡単に言えば、こんな感じなんですよ。


公立私立
県立進学高校
県立進学高校
私立高校進学科
県立高校
県立高校
県立高校
私立高校
私立高校


「県立進学高校」に進学できれば勝ち組です。そこで頑張れば一定以上の国立大学、私立大学に進学できます。仮に「県立進学高校」に進学できなくても「私立高校進学科」に進学できれば、同程度の大学進学できる可能性がありますが、そのためには特待生で入学しトップクラスの成績を収める必要があります。

「私立高校進学科」の下には県立高校がいくつが続きますが、序列は割とはっきりしており、学力=偏差値によって行ける高校が決まります。必然的に進学できる大学も決まり、地方国立大学に進学できれば上出来です。

一番下にあるのが私立高校で、地元では名が通っているけれどそこから名のある大学に進学できたという話はあまり聞かず、系列の大学か短大に進むというのが一般的です。それでも地元の企業に就職することは可能ですし、生活するにはまったく申し分ありませんが、ある意味で受験とは無縁の生活になります。



地方の受験構造はこれだけです

首都圏の、同じランクでも様々な選択肢があり、学校によって様々な特色があり、私立は私立で素晴らしい学校があり素晴らしい大学を持つ学校があり、という複雑な構造に比べると極めてシンプルです。ランク付けは基本的に一通りしかありません。学歴を望む人はナンバーワンの「県立進学高校」に挑むことになりますし、失敗した人は「私立高校進学科」でリベンジを狙うことになります。

当然のことながら結果も「志望校に受かるか落ちるか」ぐらいしかなく、ここに受かって嬉しいけどあっちも受かったらベターとか、こことこことで両方受かったけど甲乙付けがたいとか、ここもこここもダメだったけどここには受かりたいとか、そういう複雑な構造はないんですよね。良いかどうかは別にして、受け入れやすい。


そういう意味で、構造が複雑な受験に挑む首都圏の皆さんはほんと大変だと思います。こんなこと言っていいのかわかりませんが、大学に進学したら、首都圏出身だろうが地方出身だろうが頭の良さは大して変わらないんですよ。頭良いヤツは良いし、悪いヤツは悪い。その上、社会に出たらいやもうほんと全然変わりません。なので、首都圏で苦労して戦争を戦うぐらいなら、いっそのこと地方で頑張った方が良いんじゃないの?しなくて良い苦労はしなくて良いんじゃないの?と思ってしまったりもするんですけど、それはきっと僕が地方出身だからなんでしょうね。


僕も受験で苦労した口なので、その大事さは重々承知しているつもりです。良い大学に進むことは大事だと僕は思いますけど、でもその方法はひとつではないですし、やっぱり大変は大変なので……みなさんが苦労を上手く乗り越えて、もちろん良い結果が出る場合もそうでない場合もあるでしょうけれど、幸せな中学校生活、高校生活を送れることを心から願います。