過渡期とは
過渡期とは、物事が移り変わろうとしていく途中の時期のことである。過渡期の「過渡」は、ある状態が新しい状態に変わる途中という意味がある。過渡期の類語には、変革期や転換期、端境期(はざかいき)などが挙げられる。英語では transition と表現する。
「過渡期(かとき)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
過渡期の言葉の使い方として、「過渡期が終わる」「大人への過渡期」などが挙げられる。「過渡期が終わる」とは、新しいものへの移り変わりが終わったことを表す。「大人への過渡期」は、いわゆる青年期のことで年齢では13歳頃から20歳頃までを指す。
まあ、引用するまでもなく誰でも知ってると思います。移り変わりの時期。もう少しするとまったく違うものになってしまうという半端な時期。溶けかけのアイスクリームみたいな。
「今現在は過渡期ですから」
でも仕事の現場で使われる「過渡期」ってちょっと意味合いが違う気がします。もちろん本来の意味でも使われるんですけど、なんですかね、言い訳に使われる頻度が高い気が。例えば現在の状況が「思ってたんと違う」場合に「過渡期」って単語がよく出てきます。ちょっとダメな今の状況があって、こうなって欲しいという理想、予定が将来に存在していて、今はダメな状況を徐々に改善しているんですよ的な意味での「過渡期」。こういう言い回し好きな人、マネージメント職に一定割合で存在してますよね。で、これ、「今ダメな点はこれから直るからダメ出し不要です」「今は責任問わないでください」みたいなニュアンスも含んでます。
終わらない「過渡期」
「過渡期」が本当に過渡期で終わって改善が徐々に実感出来るような状況であればまったく問題がないんですけど、ミーティングで「過渡期」という単語が頻出するときの過渡期ってだいたいに於いてその後もしばらく続きます。悪くすると「過渡期」の先の「将来」がいつなのかがはっきりしないまま、「過渡期」だけが続いていくこともあります。さらに最悪の場合、特に具体的な活動はしていないけど「今あるこの状況がこうなっていって欲しい」という願望だけがある状態でも現在の状況を「過渡期」と呼称している場合があります。
- 問題を認識している(例:ピーク時のサイトが重い)
- 問題の解決方法も把握している(例:フレームワークを最新のものに移行する)
- 問題解決のための施策を検討している(例:エンジニアの新規採用)
- 解決の見込みはまだ立っていない(例:人手が足りない、資金が足りないなど)
本当は3で検討している施策が動き出してスケジュールが具体化し作業が始まって始めて「過渡期」なんですけど、2とか4とかの状態であっさり「過渡期」とか言い出しちゃうもんだから、状況や責任の所在が曖昧になってしまうんです。
語感が似ている「渡河」(とか)に例えて言えば、「過渡期」といって良いのは水の中にいる時だけで、まだ河原にいて渡り始めていないとき、水辺でチャプチャプやっているだけの状態の時のことは「過渡期」とは言いません。せめて渡り始めてから言えっていう。「過渡期」は免罪符じゃありません。
まとめ
というわけで、良識ある大人のみなさんは「過渡期」を濫用するのは控えましょう。また、「過渡期」を濫用している人がいたら「プロジェクト行き詰まって困ってるんだな」という目で見てあげましょう。
もし自分が責任を問われる立場になったら「過渡期」を濫用してなんとか責任を回避しましょう。
「過渡期」ってオトナ語だよなー。