CS

真剣な顔のテレフォン・オペレーターのイラスト(女性)
仕事で「CS」という単語を見る機会が増えて、てっきり「カスタマーサポート」だと思っていたんですけど、今どき「カスタマーサポート」っていうの、古いんですね。知らなかった。



時代的には、カスタマーサポートが一番最初ではなかったでしょうか?

私がサラリーマン時代は、まさに部署としてカスタマーサポート部ができ始めました。 それまでは顧客相談室のように、プロフィットセンターというよりもコストセンターでした。売った後のクレーム対応などを行う部署です。完全に受動的な立ち位置でした。

1990年代後半からはカスタマーサービスと訳することが多くなっていきます。それにともない顧客満足度を測ることが増え、アクティブサポート・アクティブリスニングを行う立場、お客様からのクレームや要望に対して、能動的に対応するような意味合いが含まれるようになっていきました。ただし、この時期は顧客とのやり取りが電話か店頭が主体だったため、リアルタイム性はありませんでした。

2000年に入り一気にネットが生活シーンに浸透していきました。お客様もサービス提供者も能動的な動きを可能にします。特に2010年以降、どのような企業もWebサイトを持ち、お客さまサイドもケータイからスマホにデバイスも移ったことにより、コミュニケーションがリアルタイムでできるようになりました。顧客のデータが蓄積できるようになり、顧客の体験を高める方向、つまりカスタマーサクセスへシフトしました。

CSとは? 〜カスタマーサポートからカスタマーサクセスへ – 株式会社トータル・エンゲージメント・グループ


「カスタマーサクセス」?聞いたことねーー。聞いたことないけど、確かに今どきのビジネスの現場ではそれが普通に使われているみたいです。そうなのか。


カスタマーサクセスは、カスタマーサポートとよく混同される。主な違いとして、カスタマーサポートは受動的・リアクティブな支援を行うのに対し、カスタマーサクセスは能動的・プロアクティブな支援を行うのが特徴である。また、カスタマーサポートがコールセンター等で顧客からの問合せ等の対応および対応品質の向上がメインの活動になるが、カスタマーサクセスは定量的な指標をもとに顧客の支援を中心に活動する。

カスタマーサクセス – Wikipedia


問い合わせを受けて初めて動く「カスタマーサポート」に対し、能動的に顧客を支援していくのが「カスタマーサクセス」。ユーザーの行動ログや購買履歴を分析して誘導するみたいなのもその範疇に入るんですかねえ。確かに何かを利用しているとサービス側から細かく「どうですか」「困ったことないですか」「こういうときはこうすると良いですよ」みたいなのを投げかけてくる機会が増えたような気がします。若干お節介と言えなくもないですけど、ユーザーが継続して利用してくれるように、何かに困って利用を止めてしまわないように先回りして対応していくって感じでしょうか。なるほどね。そう言われてみると進化しているのがわかる気がします。


ただまあ実際の現場で見掛けると、要は問い合わせ対応であり、「CS」を「カスタマーサクセス」と呼んで対応するのは見かけ倒しなのかなという気もします……それ、「カスタマーサポート」じゃん。理念の実践って難しいですよね。システムや人員の整備が必要だし、名前変えたらそうなるってわけでもないしね。ま、ビジネスの現場では往々にしてあることですけれども。