エッセイ漫画『両親が元気なうちに“実家じまい”はじめました。』（大井 あゆみ（文）、二平瑞樹（漫画））の筆者の大井あゆみさんは、2017年に両親が暮らす故郷大分の一軒家を“実家じまい”した体験を、漫画化した。
63歳の親との｢実家じまい｣で得た意外な気づき | 街･住まい | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
（中略）
「上京を決心した当時の両親は、自営業で退職金もなく、貯金も多くありませんでした。大分の郊外にある実家が高値で売れるとも思えませんでしたし……。それでもやってみればなんとかなるもので、私たちが金銭的な援助をするまでもなく、両親の東京暮らしが始まったのです。
それから4年経ち、新型コロナウイルスが流行する不自由な時代になりましたが、それでも”実家じまい”をして両親と近くに暮らすメリットを感じています」（大井さん）
僕も44歳になり、両親もそれなりに歳を取ってきて両親が介護が必要になったときのことや実家をどうするかといったことは、そんなに遠くない将来に考えなくてはならないことだよなあとは思っています。思っていますが、現状、自分の中でも考えはまとまっていないし、家族で話し合いもしていない。した方が良いだろうとは思うんですけどね、電話じゃしづらいじゃないですか。出来れば、実際に顔を合わせて両親共にいるところで話をしたいと思っているのですけど、残念ながら新型コロナウイルスのせいで1年以上帰省出来ていない中ではなかなか話せる機会もなく。結局、そのままになっています。
コラムの中で書かれている「実家じまい」とは、要するに実家を売却するなりして子供の近くに引っ越してきてもらい、互いに助け合って老後を過ごす的な考え方です。筆者さんのご両親は実家じまい時点で63歳とのことなのでうちの両親に比べて随分と若いし、若いからこそ適応しやすいのか？それとも若くてまだ実家でやりたいことあるのに引っ越すのはツラくなかったのか？とか色々考えてしまうのですけど、筆者さんの家では（いろいろ課題はあったにせよ）結果的に上手く行ってよかったです、ということでした。
わかるんですけどねー。
考えてしまうのは祖母のこと
両親に聞いたわけではないので、どうしたいかはよくわかりませんが、ただ個人的に考えてしまうことがあって。北海道に住んでいた母方の祖母は、祖父が亡くなったときに北海道の田舎で独りになってしまったので、そのタイミングで長兄の叔父が東京に引き取りました。が、それまでの生活と一変してしまったことに加えて、独居とは言え周囲にいた親戚や友人、知人から離れてしまったことで家族以外の話し相手がいなくなってしまいました。叔父の事情があってその後、静岡の実家に住んだ時期もあったのですが、80歳近くなって今さら引っ越した先で新しいコミュニティに飛び込んで友人を作っていくというのはしんどかったんでしょうね、やはり状況は変わらなくて部屋に閉じこもりがち。最終的には祖母の希望もあって、北海道の元住んでいた家の近くの施設に入ることになりました。最初の施設は介護者の虐待まがいの対応もあって大変でしたが、その後移った施設では親切にしていただき、近所に親戚や友人が住んでいるまたは同じ施設に入っていたということで元気を取り戻し、幸せに亡くなっていきました。
両親のことを考えるとき、僕にとっての合理性で考えれば京都や妹が住んでいる東京に身を寄せてもらった方がお互いいろいろと都合が良くなることはあるとは思うんです。毎日車を運転していて今でも衰えを感じない父も、あと何年かで体力的に難しくなる時が来ると思うんですね。でも、彼らにも静岡でのコミュニティがあり、友人がおり、その中で生きている中で、そこから引き離すことが果たして幸せなのかどうか。まあ、2人ともコミュニケーション能力高い人たちなので、どこに引っ越してもすぐに友人を作るような気はしますけど、もう50年来の付き合いの友人と離れるのはまた話が別ですし……祖母の晩年のことを考えると何が幸せなのかわからなくなってしまうんですよね。
母は意外に適応しちゃうかも？
ただ、母に関して言うと家庭の事情で静岡から京都に引っ越した友人も何人かおり、話してみたら案外あっさり「京都に行くわ」とか言い出す可能性もあります。例えば父親が亡くなったタイミングで実家の土地建物を売り、相続税を払い、京都で単身用のマンションを買って引っ越してなんてこともあるかも。そうなるとまあ、いろいろものを考え過ぎてしまう息子の杞憂ってことになるんですけど……どうなんかなあ。次、実家に帰ったとき、少し話題に出して見ようと思います。我が家も将来、実家じまいをするのかどうか。
なんか自分も歳取ってきたなあ。仕方のないことなんですけどね。
