【今日のニュースから】殺人罪の時効ってなくなってたんですね

刑事・警察官のイラスト
このニュースを読んで。


昭和46年の渋谷暴動事件で、警察官を殺害したとして殺人罪などで起訴された過激派「中核派」の活動家、大坂正明被告(70)が、平成29年5月に身柄を確保された際に潜伏していた広島市内のマンションについて、家賃の支払いなどに使う銀行口座を不正に開設したとして、大阪府警警備部は15日、詐欺容疑で広島県安芸太田町の大江(おおえ)厚子町議(63)ら3人を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。府警は昨年11月、大江町議宅や中核派の関係先を捜索していた。

「福島の子供の支援に」知人利用し、中核派被告の潜伏先確保か(産経新聞) – Yahoo!ニュース


記事本文中にはないけれど、「大坂正明被告をめぐる経緯」と題された年表の中に「平成22年 改正刑事訴訟法施行。殺人罪の時効が撤廃」と出てくるのを見てそうなんだーと。施行当時にもリアクションしていた気がしないでもないけれど、すっかり忘れてました。



正確には「殺人や強盗殺人など、最高刑が死刑となる罪の時効(改正前25年)を撤廃」です。

殺人など凶悪犯罪の公訴時効の廃止や延長を盛り込んだ改正刑事訴訟法が27日、衆院本会議で賛成多数で成立し、政府の持ち回り閣議を経て、異例の即日施行となった。時効が未完成の過去の事件にも適用される。時効廃止を待ち望んでいた被害者遺族らは、一様にスピード審理による即日施行を歓迎した。

(中略)

警察庁によると、過去15年間に起きた殺人や強盗殺人の未解決事件で現在時効が完成していないものは、95年7月に東京都八王子市のスーパーで起きた女子高生らの射殺事件など約370件(暴力団関連のものを除く)。いずれも時効廃止の対象となった。

改正刑事訴訟法は殺人や強盗殺人など、最高刑が死刑となる罪の時効(改正前25年)を撤廃。最高刑が無期懲役以下の人を死亡させた罪の時効も、原則として2倍に延長する。強姦致死罪は15年から30年に、傷害致死罪や危険運転致死罪は10年から20年にそれぞれ延長される。

殺人などの時効廃止が27日成立、即日施行  :日本経済新聞


なるほど。

「時効」自体には意味があるだろうとは思うけれど、すべての罪が時間でなかったことになるというのも確かにおかしな話ではある。もちろん本来はそのために時効の短い・長いがあるんだろうとは思うけれど、「とても長い = 25年」というのが現代の感覚では長くないということなのかな。専門家でも当事者でもないので上手く感覚がつかめませんが。


一応、Wikipediaのざっくりとした解説も抜粋して掲載しておきます。


米国では、連邦法で死刑に当たる罪は、公訴時効にかからない[10]。日本でも殺人事件などの重大犯罪において時効が存在することに対し、その是非を問う世論が起こり、2010年(平成22年)4月27日に公布・施行された改正刑事訴訟法により「人を死亡させた罪であつて死刑に当たる罪」については公訴時効が廃止され、その他の罪についても時効期間が改正された。ただ、DNA型万能主義的な議論には、DNA標本が犯罪と無関係に付着した可能性などからの批判も強い[11]。

時効 – Wikipedia