「主たる給与」の精神的な位置づけ

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
年末調整の時期がやって参りました。複数のところから給与をもらっている身としては、「扶養控除等申告書」を出す時期は自分が今メインで給与をもらっているのがどこなのかを確認する時期でもあります。最終的に確定申告をするので、どこの給与がメインであろうと税金的な意味では得も損もしないんですが、それでも「ああいま自分の収入は主にここでの仕事でまかなわれているんだな」とか「ここでの仕事を自分のメインに据えて働いているんだな」とか思うのは、仕事のモチベーションに関連してきます。プロならそんなことでパフォーマンスが変わってたらいけないんでしょうけど、でもなんしかありますよねそういうの。


去年までは、居酒屋を主たる給与の支払者としていました。社会保険、雇用保険に加入しているのはその職場であったし、経済的な理由で働く時間をコントロールせざるを得なくなってからも、給料は安くても気持ちとして一番メインに考えて働いている職場はその居酒屋であったので。飲食として大事なことを最初に教えてくれたのはスペインレストランでしたが、その基礎を確認し固められたのは居酒屋でした。同時に、「まあ飲食でもやってけるんじゃない」と思えたのも居酒屋を通してでしたし、「主たる給与」に足るだけの気持ちを持って働いていたわけです。



今年はどうしたもんだろうか

さて今年はというと、時期的な問題もあって新しく働き始めたレストランの給与は12月末の1回のみ。必然的に一番給与が高いエンジニアの会社で「扶養控除等申告書」を提出しました。税務上は僕にとっての「主たる給与」はその会社と言うことになるわけですが、精神的にそこでの仕事が生活の中心か?といわれると、うーん。どうだろう。「給与が相対的に良いからやってる仕事」であるのは変わらないし、経済的に許すのであればすぐに辞めても良い仕事であるのも変わらない。モチベーションがあるか?といわれたら正直ないし。

じゃあ、レストランの方をこれからメインにしていくのか?といわれると。細かい話はまた別の記事で書くことになるだろうとは思うけれど、2週間働いてみた感じでは「今までとは全然違う体験が出来て純粋に料理人として学べることはたくさんあるのだけど、長くいる場所ではないな」という印象です。なんだろう、店そのものの印象的な意味で。だから研修期間が終わって給料が今より上がったとしても、今以上にシフトインを増やしてバリバリ稼ぐ……ということには多分ならないし、自分の中でメインにはならない。と思います。



元カノと比べるなという話かも知れないけれど

何だかんだ言って、飲食店も4店舗目。それぞれに良いところも悪いところもあって、その時その時で、その店のやり方を100%受け入れて働いているつもりなんですけど、どうしてもこの部分は前の店の方が効率的だった、このやり方をするならあの店のあのやり方の方が理に適ってる、みたいなことを感じてしまうんですよね。そう感じる部分が多ければ多いほど、「ここで学べることはこれぐらいか」と思ってしまいがち。たかだか飲食経験6年で生意気言うなよって感じなんだけど、これはあれかなあ。「他業種に転職した」という刺激が失われつつあるということかなあ。

来年末にどこでどう働いているかは全くわからないけれど、来年「扶養控除等申告書」を提出する先の仕事に対しては熱意を持てていると良いなあと思っています。そういう意味では今年はその提出先とは関係なく「つきももキッチン」または「京都スパイスユニット」での活動が精神的なメインということになるのかもしれないな。そのあたりの気持ちの作り方についてはまたあらためて。