陳腐化しているのかなあ【なぜアヒージョは人気がないのか】

秋鮭ときのこのアヒージョ
アヒージョ美味しいですよね。かつてはオシャレなスペイン料理という印象でしたが、オリーブオイルとにんにく、塩、こしょうがあれば簡単に作れることがわかって日本でも広く認識された印象があります。いまや、ご飯屋さんに行ったら1つぐらいはありますよね、アヒージョ。オリーブオイルで煮たら何でもかんでもアヒージョってどうなのよと思うけれど、大概の食材が美味しくなるんだから仕方ない。



でもイベント出店で出すとなぜかあんまり人気がない

僕が作っているアヒージョはスペインレストランでスペイン人シェフに教えてもらったスタイルで、オリーブオイルの他にシェリー酒を使います。スペインのレシピを読むと具材によってシェリー酒を使ったり使わなかったりし、例えばきのこのアヒージョなんかでは使わないことも多いようですが、我が家ではシェリー酒の香りが人気なのでたいがいどんな食材でも使います。ちなみにスペイン人シェフは経費削減のため、シェリー酒と白ワイン(安いテーブルワイン)を半々で入れてました。シェリー酒は香りがキツいので、経費削減だけでなくとっつきやすさのためにもその方がいいかも知れません。


で、見出しの件。


自分たちで食べてすごく気に入っているし、友達に振る舞ってもだいたい好評なので、イベント出店したときにちょっとしたおかずとして提供したりしてみたのですけど、僕たちの気に入り具合、アヒージョの認知度に反してあんまり出ない。値段をかなり控えめにしていてもなかなか出ないんですよね……なんでなんだろう。アピールが下手っていう可能性もあるし、店頭にカスエラを用意してサンプルを見せるとか、わかりやすい形で香りを漂わせるとかすればもっと売れるのかも知れないけれど、なんとなーく通り過ぎる人たちの印象から思うに「ああ、アヒージョね」っていう感じ。どこにでもあるし自分でも作れるし、ちょっと脂っこいし、あんまり今そういう気分じゃないよねというような。みんながやり過ぎてちょっと陳腐化しすぎてない?



先入観を乗り越えて食べてもらうためにはどうする?

先に書いたとおり僕が作るアヒージョはシェリー酒の割合が多いのであまり脂っこくなく、味がある分塩気も控えめなんですが、そんなの食べてみないとわからないですよね。先日のカフェ営業で出した「香港風肉味噌まぜ麺」もそうだけど、食べてもらえれば美味しさがわかるといっても、「陳腐」に代表されるような先入観を乗り越えて食べてもらうのがまず難しい。口や文字では何とでも言えるけれど、それだけでお客様の心を動かすのは大変。ましてや他にも飲食店は出店しているし、僕らよりもっとオシャレで雰囲気ある店もたくさんある。そこから選んでもらうのは本当に大変。

「香港風肉味噌まぜ麺」は8月の通常営業ではあまり人気がなかったけれど(カレーを食べに来られたお客様が多かったし)、クラフトビールイベント(通称・ビアフェス)ではとても人気であっというまに麺が売り切れてしまい、それ以降はそれをアレンジした「香港風肉味噌まぜ飯」として売り出してこれもあっという間に完売。そう、食べてもらえれば美味しさがわかるはずなんだよー。どうしたらいいのかしら。



アヒージョに関してそれがわからないままなので、家で試作を重ねて舌鼓を打ってはいるものの実際にメニュー乗せるのは躊躇してしまうのですよね。やっぱりアヒージョはタパスとしての存在感の方が強いのかな。ましてランチ営業で売れるようなメニューではないのかしら。どこかにちょっとしたおかずとしてのアヒージョというアプローチがあるはずだと思っているんですけどねえ……

アヒージョ商品化への試行錯誤は続く……