JR北海道は2015年8月10日(月)、留萌本線の留萌~増毛間16.7kmについて、2016年度中の廃止を留萌市長、増毛町長に説明したと発表しました。
留萌本線留萌~増毛間、2016年度廃止へ 1列車あたり乗客3人 JR北海道 | 乗りものニュース
留萌本線は、函館本線と接続する深川駅と増毛駅を結ぶ66.8kmの路線で、その末端部分である留萌~増毛間が廃止される形です。
僕の母親は北海道増毛郡増毛町の出身で、その生家は今もそこにあります。祖父はなくなり、祖母は元気ではありますが施設に入っているため、家は既に無人になってしまっていますが、祖父母が元気な頃には何度かそこで夏を過ごしたものでした。海と山以外何も無いそこは、本当に素晴らしい土地で大好きだったのですが、本当に何も無いので買いものはわざわざ留萌市まで出掛けてしなくてはいけませんでした。若い世帯はみな車で移動していましたが、高齢者はバスまたは鉄道、特に鉄道を好むことが多かったように思います。
駅は近くに待合所代わりのプレハブがあるだけの屋根無し無人駅で、時間になると2両編成のワンマンカーが単線をゆっくりやってくるのでした。朝の踏切の音は通学・通勤、昼は買いものや友人の家に出掛ける人たち、夕方は通学・通勤と買いもの帰りの人たち。夕方5時の町内放送と同様に、1日のリズムを作っているのが鉄道の往来でした。祖父母の町だけでなく、沿線の多くの駅で、同じような環境であったでしょう。
JR北海道によると同区間の輸送密度(1日1kmあたりの平均輸送量)について、1987(昭和62)年度は480人だったものが2014年度は39人と、12分の1以下に減少しているとのこと。平均すると、乗客は1列車あたりわずか3人の計算になります。
留萌本線留萌~増毛間、2016年度廃止へ 1列車あたり乗客3人 JR北海道 | 乗りものニュース
僕が北海道の祖父母の家に行っていたのがちょうど1987年頃ですから、1列車に40人近く乗っていたということですね。記憶の中では結構賑わっていた印象があるので、大体合致するように思います。それが現在はたった3人。鉄道がなくなっても、移動手段としてバスは残りますし、住人が困るということはないかも知れませんが(ないからこそ、利用客が減少したのでしょうし)、子供の頃の強い記憶として留萌本線は心に残っているので、この数字を聞いて「まあそうだろうな」と思いつつもそれがなくなってしまうことを寂しく感じるのです。なんとなく、子供の頃の楽しかった想い出までなくなってしまうような気がして。
そんなことはないんですけどね。
寂しいなあ。