シーズンも終盤戦でこの話題ももう終わった感あるので個人的に思ってたことをメモ程度に書いておきたいと思います。
- 今シーズン使われているのは「飛ぶボール」ではなく「基準を満たしたボール」
- 昨季までの2シーズン（2011/2012）に使用されたボールは基準に違反した「飛ばないボール」
- 基準を満たしていなかったにもかかわらず、それを隠蔽した点についてNPB担当者と加藤コミッショナー、および製造・納品したミズノは責任を取るべき
今シーズンの使用球を「飛ぶボール」と呼ぶべきではないのでは
まず、今シーズン使用されているボールを「飛ぶボール」と呼ぶことについて、僕は少し神経質に感じます。そうじゃないでしょ。事実は2011年と2012年に使用されていたボールが、定められていたよりも跳ねない違反球「飛ばないボール」だっただけであって、今シーズンのボールは「普通のボール」。違反球と比較して相対的に「飛ぶ/飛ばない」ということを言うことに意味はなく、むしろ今シーズンの長打、特に本塁打の価値を軽んじるような、「飛ぶボール」という呼び方は公平ではないと感じます。今現在、東京ヤクルトのバレンティン選手が、シーズン本塁打記録を破ろうとしているわけで、この点はきっちりとしておくべき。2011年と2012年に使用されたボールは違反球
2011年と2012年に使用されたボールが違反球であったことは、NPBも認めています。ＮＰＢ白状…統一球こっそり変えてた – プロ野球ニュース : nikkansports.com
プロ野球で使用されるボールの反発係数には規格値が定められている。従来より飛距離が１メートル落ちる「飛ばないボール」として開発された統一球は下限（０・４１３４）に近づけて製造され、１１年シーズンから導入された。ところが、ＮＰＢがシーズン中に行う検査で、昨年は下限を下回る数値を示していたことが分かった。抜き打ちで複数の球場から選んだボールの反発係数の平均値が「０・４０８」だったこともあったという。つまり“飛ばない”ではなく“飛ばなすぎる”ボールであったことが判明したのだ。
既に大量に納品されてしまっていたためシーズン途中で変更することは難しく、そのまま使用を継続したという理屈のようですが、そりゃおかしいでしょう。納品済みのすべてのボールの再検査をミズノに命じて、基準を満たしたもののみを試合に使用し満たせなかったものは返品、不足する分は再生産を要求するのが筋なんじゃなかろうかと。何のためのアグリーメントなのよ。
責任の所在と、何についての責任かを明らかにすべき
ＮＰＢ白状…統一球こっそり変えてた – プロ野球ニュース : nikkansports.com
ＮＰＢはこれまで「統一球の仕様は変更していない」と説明。ミズノ社に対し、統一球に関する問い合わせに「全く変わっていない」と答えるように指示していた。変更を公表しなかった理由について、下田事務局長は「我々はあくまで微調整という認識だった。知らせれば混乱を招くと思ったが、知らせないことで混乱を招くと言われれば、そういうこともあるかもしれない」と釈明した。
「統一球の仕様」（=反発係数などの基準）は変わってないんで言ってることはあってますが、ミズノがその仕様に合わせたボールを生産出来なかったということは隠されています。混乱を招いたって仕方がないし、ミズノにはそれくらいの責任があるはずで、それを「まあいいか」で済ましているNPBは責任をしっかり取るべき。具体的には、そんな状態の放置を決定した人間は辞任。またボールに自らの名を刻み、ボールを承認した加藤コミッショナーも辞任。
また基準を満たすボールを精算出来なかったミズノについては、他社との契約も検討しつつ、基準値の範囲が適切なのか（その範囲で無理なく生産可能なのか）についても見直すべき。
最後に、バレンティン選手には是非、シーズン本塁打の新記録を打ち立てて欲しいと思います。「王の記録が破られそうじゃん。オレは面白くない。」て野村さんがぼやいてたみたいですけど、「だから阻止せよ」という意味では無く、日本人選手に対する「お前ら何やっとんねん」であり、それを強く促す意味でもバキッと塗り替えてもらってすっきりする方が良いのかなと。
アメリカでプレーしている選手と日本人選手とではパワーが違うのは明らかなわけだし、それを認めた上で、しかし野球選手として、野球として日本のプロ野球が劣っているわけではないということを示していければ良いんだと思います。他の競技は基本的にそういう考え方で世界の選手と争っているわけだし、そういう認識が国際化の第一歩じゃないかな。
……まあ、バレンティンは打率でも打点でも結果を残してる（.341で打率1位、111点で打点2位）んで、パワーどうこうじゃなく「ぐうの音も出ない」状態ではあるのですが……
