【映画】 メメント

友達が、1人でも見ても良く意味が分からないから一緒に見てくれ、といってDVDを持ってきた。
それが、メメントだった。
聞いたことはあったけど、見たことはなかった。


殆ど予備知識ゼロで、この映画を見て最初のパッと見、
良く意味が分からなかったのだけど、
なるほどそういうことか、と理解。
行きつ戻りつするからわかりにくいけど、
それぞれの“白”をくっつけていく部分があるから、何とかわかる。

友達が混乱していた理由は、つまり、
この映画の結末はなんなの?ということのようだったけど、
僕の感想としては、この映画はストーリーを語る映画ではないよね、という。
この映画のストーリーがどういうものであったかを、想像を交えて語るのは可能だけど、
多分、言いたいことはそこじゃないから語られてないんだろうな、と。



僕自身が、メメントを見て感じたことを、さも知ってる風に勝手に書くと。


この映画のポイントは…メッセージを真実と信じる構造、じゃないかと思う。


とある時間帯の自分が、自分で確認し、自分の体に刻んだことなのだから、
真実でないと言うことはあり得ない、
というより、真実だと信じないことには、目覚める度に生きてゆけない。

でも、時間をまたぐことで、記憶を失うことは、
言ってみれば…他人に生まれ変わることと同じなわけで、
比喩的に言えば、ある時間帯の自分は、今現在の自分から見ると他人であり。
その“他人”の言うことを、盲目的に信じて生きていく。

彼には、その真実性を検証する時間も、余裕もないから、そうして生きていくけれど、
彼が特殊なのではなくて、実際に多くの“正常な”人達はそうやって生きていて、
そういう意味で彼は特殊でも何でもなく、
人間社会の中では、ごく普通の、ありふれた人間なのだと。


そんなことを感じたのね。


僕は、この映画、もの凄く気に入ったな。
凄い映画だと思う。
(僕が今さら言うことじゃないかもしれないけど)



メメント/スペシャル・エディションメメント/スペシャル・エディション
ガイ・ピアース クリストファー・ノーラン キャリー=アン・モス
Amazonで詳しく見る
by G-Tools