それが、メメントだった。
聞いたことはあったけど、見たことはなかった。
殆ど予備知識ゼロで、この映画を見て最初のパッと見、
良く意味が分からなかったのだけど、
なるほどそういうことか、と理解。
行きつ戻りつするからわかりにくいけど、
それぞれの“白”をくっつけていく部分があるから、何とかわかる。
友達が混乱していた理由は、つまり、
この映画の結末はなんなの?ということのようだったけど、
僕の感想としては、この映画はストーリーを語る映画ではないよね、という。
この映画のストーリーがどういうものであったかを、想像を交えて語るのは可能だけど、
多分、言いたいことはそこじゃないから語られてないんだろうな、と。
僕自身が、メメントを見て感じたことを、さも知ってる風に勝手に書くと。
この映画のポイントは…メッセージを真実と信じる構造、じゃないかと思う。
とある時間帯の自分が、自分で確認し、自分の体に刻んだことなのだから、
真実でないと言うことはあり得ない、
というより、真実だと信じないことには、目覚める度に生きてゆけない。
でも、時間をまたぐことで、記憶を失うことは、
言ってみれば…他人に生まれ変わることと同じなわけで、
比喩的に言えば、ある時間帯の自分は、今現在の自分から見ると他人であり。
その“他人”の言うことを、盲目的に信じて生きていく。
彼には、その真実性を検証する時間も、余裕もないから、そうして生きていくけれど、
彼が特殊なのではなくて、実際に多くの“正常な”人達はそうやって生きていて、
そういう意味で彼は特殊でも何でもなく、
人間社会の中では、ごく普通の、ありふれた人間なのだと。
そんなことを感じたのね。
僕は、この映画、もの凄く気に入ったな。
凄い映画だと思う。
(僕が今さら言うことじゃないかもしれないけど)
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