戦闘が楽しい
FFXIIの何が面白いんだろう、と考えると…結構、不思議。よく分からないんである。ストーリーは単純すぎるし、主人公の声優は下手くそすぎるし、何だかなぁ、と思う部分は結構あるけど、でもそういう部分は些末に思える。やっぱりあれかな、戦闘周りのシステム、これに尽きるな。
フィールド移動から戦闘へのスムースな移行。それも、敵がちゃちなアイコンで見えるとかではなく、きちんと敵の行動も描いた上で、そのまま戦闘。これが、殊の外快適。そう、凄いとかなんかそういうことではなくて、『ストレスを感じない』という、マイナスがないという感じの、気がつきにくい気持ちよさ。
さらに、ガンビット。
条件を指定しておけば、その通りに仲間のキャラクターが動いてくれる。要はAI戦闘ということなのだけど、これがまた頭が良くて。どうせコンピュータの考えることなんだから、信用出来ねぇ、と思いきや、きちんと設定してやると、もの凄く便利。味方や敵や、その他状況に合わせて自動的に行動してくれる。リアルタイムでフィールドの状況をぐりぐり動かしながら、ガンビットの計算もして、なおかつ、タイムラグが殆ど出ない、この処理ってどうやってるんだろうね。PS2なんて、PCとしてみた場合、とっくに時代遅れと言っても過言ではないのに、(初期ロットの発売日は2000年3月だ)このストレスレスは、凄い。プログラム的にも、相当練られてそう。綺麗だけど、鈍いって言う『残念な』ゲームは腐るほどあるからなぁ。
ステータス周りも
それから、武器/防具とステータスの関係も興味深い。特に防具は、重装備なら力、軽装備ならHP、魔装備なら魔力、と言った具合に、それぞれ一長一短。なので、キャラや役割に合わせて、きちんと選ばないといけない。武器の方も、ステータスによって効果が違うので、キャラクター毎に適正を見極める必要が。今までみたいに、高い物を買ってみんなに同じ装備させてればいいんだろ、的な、『作業感』が薄まってる気がする。『クリアするのが勿体ない』
僕は、いろんな人のブログ(例えばナオヤさん)を見て、気になって買ったという口なので、始めた頃には攻略サイトも、攻略日記も溢れてたのだけど、その中でよく見かけたのが、『クリアするのが勿体ない』と言う言葉。普通は、ストーリーを追うのが全てで、戦闘その他はおまけなので、あり得ないことではあるんだけど、いや、でも気持ちわかってきた。このままストーリーに載ってけば、それに併せてレベルも上がって、苦労せずにクリアできるんだろうなーと思いつつ、よーし、暫くモブハントに挑むぞ、とか、死都ナプディスを目指すぞ、とか、関係ない方向にばっかり進んでる(苦笑)敵と戦いながらフィールドを移動するのが、こんなに苦にならないゲームって初めてだ。(しかも超雑魚でも、LP溜まるしと思うと全然嫌じゃない)アクションゲームではないけど、感覚としては、モンスターハンターにも近い。
(プロデューサーから、『VAGRANT STORY』の続編っぽいっていう声もある…それも確かに言える)
人によって、重視する部分が違うと思うので、ストーリーとかムービー(つまり声優)を重視する感じの人は、あんまりなゲームかも。そうなんだけど、でも、凄くよく練られた良いゲームだと思う。人が1人入るだけでこんなに違うものなんだなぁ。やっぱり、松野さん(*)って凄いわ。
(スクウェアに移って、『FFT』作ったときは愕然としたけど)
もうしばらくは、色々と楽しめそうだ。
*) 松野さん
松野 泰己。『オウガシリーズ』『VAGRANT STORY』など、独自の世界観に基づく、作り込まれた作品は定評がある。『FFXII』では、開発プロデューサーを務めたが、完成前に病気療養のためプロデューサーを降板。後半の作り込みの足り無さは、そのせいではという噂も。(いや、発売が3年遅れてるところを見ると降板しなかったらゲームとしてまとまってたかどうかもわからんが)
ちなみに僕の友人Kは、『オウガシリーズ』以来、氏の熱烈なファンである。どうでもいいけど。
追記
なんか面白いのでピックアップ。『FFXII』にもかぶるな。ゲームの「システム」という部分でのリアリティの表現を目指してるのではないかな、ということですね。 えっと「リアリティ」ということを単に言うとインタラクション(双方向性)のことなのか人工知能とかの自律性のことなのかインクルーシブ(臨場感)のことなのかがわからないと思うんですけど(以下略)
松野泰己