ありがとう、ニッポン代表\。
だけど、僕はまだ全然満足していない。
もっと行けたし、行って欲しかった。
もっと上?いや、
もっと、ずっと、この雰囲気の中にいたかった。
ずっと、日本でのワールドカップ、という、
恐らく僕が死ぬまでには2度と無いだろう
最高の舞台で、
躍動する、選手達を、見ていたかった。
でも、それはもう終わってしまった。
朝、夢から覚めて、感動で涙を流しても
顔を洗うと忘れてしまう。
夢から覚めた…そんな感覚が皮膚から離れない
忘れてしまうのだろうか。
この先、日本がこんな熱狂に包まれることはないだろう。
大阪市も慌てて道頓堀を掃除することもないだろうし
東京都知事が職員に職務中のサッカー観戦を勧めることもないだろう。
こんな事は2度と無い。
だからこそ、美しい。
僕は、生まれて初めて、
日本人としてのプライドを持てた気がする。
満足しない。
悔しいが、それでまとめてはいけない。
岡田武史が朝日新聞でいい文章を書いていた。
全く…その通りだと思う。
ある在日ブラジル人が
『サッカーを見て熱狂し、嫌なことを忘れる
そんな僕らのことを今なら理解してくれそうだ』
と語っていた。
この雰囲気は
以前、感じたことがある
何か、大事なものを、時間を、なくしてしまったような
喪失感
いつだったか、はっきり覚えてるが、言わない。
僕にしか分からないし、他人に教える必要もない。
だけど、大切な、ことだ。
僕は昔から、自分の街のチームの試合に熱狂する男達が羨ましかった。
清水はそういう街だったが僕は幼すぎた。
それを、少しでも味わえた。
一生の中で最良の中の1つ、そんな2週間。
ありがとう、日本代表\。
僕はサッカーが好きだ。
そしてワールドカップは、そしてサッカーは、続いていく。
僕らは、まだ、そんな幸運に、恵まれている。
2002.06.19.a
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