Santa Claus
サンタクロース、を いつまで信じていただろう? 僕の場合、 今となっては本当に信じていたかどうかも疑わしいけど、 『あぁ、サンタなんて本当はいないんだ…』 と、思ったことは、なぜか一度もない。 子供の頃、クリスマスの夜には、隣に住む祖父母・叔母と 家族7人で食事をするのが習慣だった。 祖父と母以外はほとんど酒が飲めず、 その母も僕らが小さい頃はめったに飲まなかったので 食卓にお酒が上がることはほとんどなく、 だから酔ってぐだぐだ続いていくこともなく、 食事は、いい時間にお開き気味となった。 子供はクリスマスと言えばプレゼント、なのだから、とにかく落ち着かない。 まだかなぁ…なんてことを妹と小声で言い合い始める頃、 玄関のチャイムが、不意に、鳴る。 2人で急いで階段を駆け下りていくと、そこには誰もおらず、 代わりにプレゼントが、置いてあった。 毎年、毎年、急いで1階の玄関に下りていくのだけど、 1度も、チャイムを押した人、プレゼントを置いた人、を、 見ることはできなかった。 そんなわけで、 いまは、お小遣いをもらったり、服を買ってもらったり、 完全にサンタからのプレゼントではなく、両親からのプレゼントなのだけど、 それでもやっぱり、昔のことが不思議で、 いまも、サンタを否定する気にはなれないのだ。 俺らしくない? そうかなぁ…