ふきんは納豆の夢を見るか?

若葉の生えた地球のイラスト
店でも家庭でも日々使っているふきんは定期的に消毒する必要があります。当たり前ですけど。ふきんは食品に触れる機会が多く湿っている時間が長いためか雑菌が繁殖しやすく、きちんと消毒していないものは最終的に納豆の臭いがしてきます。僕は納豆大好きですが、納豆の匂いがするふきんはさすがに苦手です。普通の飲食店ならふきんを毎日ハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤につけるか、熱湯消毒または煮沸消毒するのでそんな臭いがすることはありません。僕が働いた店の名誉のために言えば、それらの店では毎日きちんと清潔にしていたのでそんなことが起きることはありませんでした。ふきんの消毒は1日の終わりの重要なルーチンワークです。床を流したり、作業台の上を拭くのと同じ。


ただ一部の飲食店においては塩素系漂白剤を忌避するせいなのかナチュラル志向のせいなのかふきんのケアが疎かになり、結果として厨房に臭いの発生源を抱えることがあります。そのことを気にしていない料理人は、どんなに料理が上手でもその時点で料理人失格だと思うんですけど(料理人の仕事は料理を作るだけではない!)、しかし実際にそういう人が存在するから恐ろしい。エコ意識が高いのはわかるけれど、煮沸消毒が面倒くさいならせめて酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使ってください。酸素系漂白剤ならハイターなどの塩素系漂白剤に比べて環境負荷は低くて済むし、消毒・殺菌効果もあります。使い方は一定量を水に溶かして、ふきんを放り込んで帰るだけ。翌日出勤時に水ですすげばOKです。
(もちろん時間があれば30分浸け置きしたあと、すすいで干して帰っても良い)


「そんなやつおれへんやろ」(大木こだまの声で)という人もいるかもしれませんけども、いやあね、いるんですよ。お客様にはあまりわからない話かも知れませんが、中途半端にエコを追求するとそうなることもあると頭の片隅に置いておいていただくと良いと思います。お気を付けください。また飲食店で働く人は、自分の店がそうなっていないかもう一度確認してください。もし経営者がそういうの全くわからない人で自分が末端スタッフだったとしても、なんらかの対策を講じることは大事です。煮沸消毒か、酸素系漂白剤か。そのふきんでお客様のテーブルを拭いたり、食器を拭いたりしてしまったら……考えるだに恐ろしい。これぐらいのことが出来なくて何が健康志向かと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、エコって言いたいだけちゃうんかと。何か起きてからでは遅いです。



こんなこと、算数を勉強する前に数字を覚えるぐらい当たり前のことだと思うんですが、なんで気にしない人が存在するんだろう。ほんと不思議です。意味わからん。



ちなみに

ふきんや台ふきんで繁殖しやすい菌は大腸菌やサルモネラ菌、ノロウィルスなどです。「水洗い+天日干し」では十分に菌を減らすことが出来ないという報告もあります。


一般的には、

  • 定期的に漂白剤または煮沸で殺菌する
  • 通常使うよりも多めの枚数を用意しておいて常に清潔なものを使う

ことが推奨されています。
(皆さんご存知のこととは思いますけれども)