若い人の動ける時間を使い潰して経営していくビジネスモデルの破綻

ストレスを抱える男性と時間-青背景
最近ずっと考えているこの問題について。


体調を崩してしまった友人の話の続き。 | mutter
適切な働き方とは – 月労働時間が300時間に達する友人が心配な話 | mutter


結局、何が問題なのか?というと、飲食店のビジネスモデルの1つとして、「将来的に独立していく向上心旺盛な若者を雇用し、ある程度過酷な環境で労働による賃金から修行によるコストを差し引いた安い待遇で一定期間働かせたのち、一定年齢に達したら独立→新しい若者を雇用というサイクルで労働力を確保していく」というものがあると思うのです。もちろん「うちはそうじゃないよ」という飲食店もあるとは思いますし、ある程度共通して導入されている概念なのかも知れません(少なくとも以前いたスペインレストランではダイレクトにそう言われた。時給300円だった)。確かに育成コストの分賃金を差し引きたい気持ちはわかるけれど、世の中の色んな企業がそれを必要コストとして見込んでいる中で、飲食店だけが「その分の賃金は支払えない」とか言うの、正直頭おかしいと思うんですよね。そんなに金取りたいなら、料理学校でもやって学生を研修で働かせたらいかがか。


んで、そういう労働サイクルを回してた飲食店でも、スタッフの動向によってビジネスモデルが変わってくるわけです。過酷な労働環境に耐えきれずに辞めていけば良いけれど、ちょっと順応して家庭を築かれた、もしくは家庭築いていないから年食っても別に今のままでいいや、そんな状況になった場合、それまで若者に強いてきた過酷な労働環境を引き続きもう若くなくなった40代50代に強いていくことになります。そして生じる健康問題、からの、労働問題。いままで若者が若さで切り抜けてきた問題を、おっさんが明るみに出すというのも皮肉なことですが、そもそも違法なので、因果応報と言うべきか。大人しく自分たちは若者を使い潰して儲けているのだと自覚していれば良いのに、ちょっと色気を出して普通の会社っぽく家族を持った社員がいても良いかななんて思ったせいでそんなことに。人には分相応というものがあるように、会社にだって分相応というものがあるのだと思うのです。


そう、ビジネスモデルは既に破綻している。

でしょ?


聞いた話を総合する限り、友人の会社で起きていることはそういうことであり、友人が歳を取ってその待遇に耐えきれなくなってしまったというのが根本的な話なようです。そりゃあ無理だよ、もうね、43歳にもなって、1日12時間以上、月25日以上働くなんて。しかも休憩無し。死ぬぜ?普通。1日中働いている職種の人も稀にいるけれど、そういう人って大概は、日中の休憩時間が長いんだよ。待ち時間とかさ。12時間の間ずっと休み無く働き続けるなんてありえないよ。


どうか適切な着地点が用意されますように。

こんな程度の着地点も用意出来ずに、社員を使い潰す現実を「店を回して給料を出す」恩で上塗りし続け感謝と尊敬を強要する会社なんか潰れてしまえばいいねん。まあ僕には無関係な話なので、そこの社員が「それでもいい」というならそれでいいけど。相当マゾいか、相当追い込まれてるよねと思うけど。ビジネスをやること、そしてそれで人を雇うというということは、とても責任重大なんだなとほんとに思います。普通に、合法的に、会社を運営している人たちがいかに素晴らしいかも。


どうなってしまうんだろうなあ。