豆柴っていう犬種はいないらしい
てっきり柴犬を元に改良されたのが豆柴という犬種だと思っていたんですけど、そもそも柴犬自体そんなに古くからある犬種ではなく、豆柴に至っては「体が小さい柴犬」のことを便宜上そう呼んでいるだけのことらしいです。マジか。独立した犬種として登録されていない現在、血統登録上は、豆柴の犬種分類における扱いは『標準より小さい柴犬』というものです。より正確に言えば、日本犬保存会において独立した犬種として分類していないため、小型日本犬・柴犬の標準体高を満たしていない、小さな柴犬が豆柴です。各登録団体ごとの状況は次の通りです。ただし、天然記念物柴犬保存会にあっては小柴部を設けて『小柴』として扱っています。
豆柴とは? 成犬時の大きさ、血統書、選び方など | 豆柴 ブリーダー 富士野荘
もちろん体が小さい柴犬を交配して体の小さな柴犬を残しているので、今でもかなりの確率で小さな柴犬を生む血統というのはたくさんあると思いますし、あと何十年かしたら犬種として固定されることもあるのかなと思いますが、今現在、血統登録上は「小さな柴犬」という分類になっています。
ただまあ個人的になんだかなあと思ったのはそのことではなくて、、
「豆柴ではなくなるからこれは控えて」という注意に感じる違和感
ブリーダーさんにも言われましたし豆柴について書かれているサイトにも記載があるのですけど、豆柴として買った仔犬を豆柴に維持するためにこういうことを言われます。餌をやりすぎないようにしてください。仔犬の間は1日○グラムが目安です。
去勢をしないでください。去勢をすると体格が大きくなりがちです。
「大きくなるから止めてくれ」という発想がうーん。
「仔犬の食事について」という記事で書いたんですけど、3ヶ月の仔犬(2.5kg)が食べるべき1日の食事量は我が家のドライフード換算で125gあるんですよ。でもそれがブリーダーさんの話では1日2回で合計40g。説明を聞いたときは「そんなもんかな」と思ったのですけど、帰宅して調べてびっくりしました。何その食事制限。アイドルかよ。
そもそも仔犬に1日2回では消化が追いつかなくて大変ですよね。どういうことなの?
去勢についても「去勢」だけを聞くと残酷な仕打ちに聞こえてしまう人もいるかも知れませんが、残すことによって生じる情緒不安を考えるとあえて去勢して上げることで得られる生物的な安定というものは確実にあります。僕が将来の繁殖を考えているのであれば、去勢をしないという選択肢もあるでしょうけど、家飼いで恐らく一生終えるであろう柴犬のQOLを考えると、去勢をすることになるだろうなあと考えています。男としてはいろいろ思うことはありますけど。
んで、それに対しても豆柴ブリーダー界の見解は「去勢すると食欲が増してデカくなるからするな」という意見なんですよね。いやあ、、誰ファーストなの?と思います。百歩譲って「動物虐待だから去勢するな」という意見はアリだろうなと思いますが、「太らないように去勢するな」はさすがにあかんやろ。
大きくなるならなってもらって全然良い
僕は、例え大きくなりすぎてしまうとしても、そんな環境に愛犬を置きたくないです。家で飼うのに便利なサイズに収めるために栄養その他を厳しく制限するとか、ナンセンスでしょうと思うんです。「纏足」じゃないんだから。纏足(てんそく)は、幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにするという、唐の末期から辛亥革命ごろまで中国で女性に対して行われていた風習[1]。現代の中国では「小脚」とも呼ばれる[2]。
纏足 – Wikipedia
でも恐らく飼い主の方でも「豆柴って聞いたのに大きくなりすぎた」みたいな不満やクレームがあって、それに対応するために生まれてきたブリーダー側の対策が「餌を十分に与えない」「去勢しない」なんでしょう。
というか、そもそもで言えば。
豆サイズであることを犬種として保証出来ないのに、「豆柴」と呼称して売るんじゃねえよという話なんですよね。そもそもそこが間違ってて、人間の汚いビジネスが如実に表れている部分だと思うんです。農作物なんか特にそうですけど、きちんと品種改良して固定出来たと確認出来るまでは名乗っちゃダメでしょ。そういうところがビジネス色に見えて嫌いなんですよね……犬周辺の話って。
ま、そんな薄汚い犬業界のしがらみなんかともかくとして。
わが愛犬に対しては、満足するまで食べて欲しいし、健康にすくすくと育って欲しいと思っています。結果、豆柴を想定して購入したキャリーに収まりきらなくなって買い替える必要が生じたとしても、それは僕にとっては喜びです。健康に勝る喜びがあるだろうか。彼のこれからの生活が喜びに満ちていることを願うばかりです。
とりあえず明日からごはん増量したろ。