思い出の留萌本線

留萌本線阿分駅
母の実家、つまり母方の祖父母の家が留萌市の隣、増毛町にあったこともあり僕にとっての留萌本線は思い出の鉄道です。「留萌-増毛」間は既に2016年に廃線になりましたが、残る「深川-留萌」間も廃線が予定されているそうです






祖父母の家





本来であれば公開したらダメな個人情報ですけど、何年か前に祖父母は亡くなっていて今はもう誰も住んでいない、取り壊すだけの家なのでもう良いんじゃないでしょうか(註:2022年7月現在は家屋が取り壊されて更地になっています。Googleマップは2014年8月のもの。貴重だし保存しておこうかな)。

何でも売ってる雑貨屋が1軒あり、今はもう廃校になった小学校(旧増毛町立阿分小学校)があり、お寺があり、漁港がある小さな集落です。懐かしいなあ。当時は夏に盆踊りとかやってたけど(いわゆる北海道の「子供盆おどり」)、もう今はやってないんだろうなあ。家の周囲見てもなくなってる家結構あるし。





あ、あれ、「ちゃんこ」じゃくて「しゃんこ」だったんだ……衝撃……あ、今でも歌えます。祖父母の家の裏がすぐ小学校で、そこでずーーーっとこれ鳴ってたから(参加もした)。



阿分に行くには

子供の頃に何度か(3~4回ぐらいかな)行きましたが、子供が退屈するからか母親がいろいろと行き方を変えてくれていてこんな感じで行ってました。記憶違いあるかもですが多分合ってるはず。

  • 静岡から東京(品川?)まで新幹線、羽田から飛行機で千歳空港 or 新千歳空港
  • 静岡から東京、東京から盛岡まで新幹線、盛岡から札幌まで青春18切符
  • 静岡から東京、東京から盛岡まで新幹線、青森から青函連絡船
  • 静岡から東京まで新幹線、上野から札幌までブルートレイン「北斗星」

いやあどれも懐かしい。新千歳空港が出来たのが1988年、青函トンネルが出来て北斗星が運行開始したのも1988年なので、その辺で行ってみようというのもあったのかも知れません。そう、当時の東北行きの列車は上野から出てたんですよね。1991年に東北新幹線が延伸して起点としての上野駅は役目を終えたので、今は考えられませんけど。


札幌からの行き方は共通

というわけで北海道への行き方にはいろいろあったんですけど、そこから阿分への行き方は1つしかありませんでした。当時は石狩の方を回るっていうのもあんまりなかったし(開通してなかった?)。

  • 札幌 -(函館本線)- 深川 -(留萌本線)- 留萌 -(留萌本線)- 阿分

今乗換案内で検索すると、特急を使えば2時間5分、使わなかったら2時間44分。留萌から阿分までも30分ぐらいあったので、札幌から阿分まではだいたい3時間ぐらい掛かってましたね。北海道は広いや。僕らが行くときにはだいたい深川まで祖父が迎えに来てくれていて、深川から一緒に留萌本線に乗ったような記憶があります。





留萌から先は基本的に無人駅ですし、単線ですし、1両編成ですから、同じ鉄道でも都市部で見るヤツとは違う異次元でした。感覚としてはほとんどバス。でも海沿いをずっと走っていくのが結構気に入っていて、祖母が留萌まで買いものに行くときに着いていったりしてました。海が西側に当たるので、夕方の陽が海に映えてすごい綺麗なんですよね。「黄金岬」があるのもわかる気がします(留萌にも増毛にもある)。


ちなみに関係ないけど留萌出身の有名人といえば元ヤクルトで監督も務めた若松勉さん。



そしてついに深川-留萌間も廃線に

JR函館本線の深川駅から日本海側に延びる留萌本線。末端部にあたる留萌~増毛間が2016(平成28)年に廃止されましたが、残る深川~留萌間50.1kmも段階的な廃止が検討されています。2022年7月現在、早くて2023年3月に石狩沼田~留萌間を廃止し、東側の深川~石狩沼田間も3年程度の期限を設けて、2026年以降に廃止するというプランが浮上しています。

「留萌本線」23年区間廃止に現実味 存続にこだわらない留萌市 残される自治体との“違い” | 乗りものニュース


いやあ……正直に言って維持するのは難しいと思うんですよね。。留萌には高校があって周辺からそれなりに学生も集まってくるとは思うんですけど、そのためだけに鉄道を残すというのはちょっとコストが掛かりすぎる。今でも1日に7本しかないのに……

自治体によって「バスでも良い」っていう自治体と「鉄道を残して欲しい」という自治体とがあってコンセンサスが取れているわけでは無く、廃線はあくまでまだプランでしかないようですけど、いやあ、多分そうなっちゃうんでしょうね。仕方のないことか。僕が見ていた光景からもさらに寂れてるからなあ。阿分は言うに及ばず留萌も、増毛も。札幌はより発展しているんでしょうけどね。



もう一度行きたいなあ

別に鉄道ファンではないので、留萌本線が廃線になることに関しては「寂しいけど仕方ないよね」ぐらいの感想しかないんですけど、ただでさえ遠くて行けない祖父母の家があった場所に、これで決定的に行きにくくなったのは残念です。死ぬまでにもう一回行ってみたいんですよね。北海道の田舎のなんとも言えない空気感。道を挟んだらすぐ海で、バフンウニがいっぱいいた阿分の海岸。多分今は放棄されて山に帰りつつあるであろう、祖母がやってた山肌のトウモロコシ畑とか。


……素直に札幌でレンタカー借りていくしかないかなあ。札幌から阿分まで157kmあって、道央自動車道と深川留萌自動車道(そんなの開通したんですね)通っても2時間掛かるんですよね。北海道はホントに広いからなあ。