【今日のニュースから】韓国で尿素水が不足って……?

こちらのニュース。



韓国内の尿素水供給問題が深刻化し、自動車、精油化学、鉄鋼、海運など国内全産業界に赤信号が灯った。これから1か月以内に全国の全てのディーゼル貨物車が止まる史上最悪の物流混乱が、現実のものとなりかねないからだ。韓国の尿素水の在庫が1か月足らずとなっており、尿素を輸入する有効な対策がないのが現状だ。尿素水問題が産業用にまで拡散すると、物流混乱を超えて韓国内の主要工場が停止する恐れがあるという憂慮も出ている。

韓国内の尿素水在庫わずか1か月分、貨物車・工場全停止の危機 – 韓国経済新聞国際版


世界で色んな物資が不足して大変なことになってる今日この頃ですが、韓国ではディーゼル車を動かすための「尿素水」が不足して大変なことになってるらしいです。韓国が大変なことになってるなら、同じ小国で資源が少ない日本ではさぞ問題になってることであろうと思ったら……さにあらず。


韓国と産業構造が似ている隣国の日本では尿素水の不足現象が起きていない。主原料であるアンモニアの80%を自国生産する上、ディーゼル車の割合が少ないためという分析だ。

尿素水不足、韓国は大騒ぎで日本が静かな理由(THE Korea Economic Daily Global Edition) – Yahoo!ニュース


あらそうなの?日本で資源や物資が自前で賄えるなんて珍しい。でも尿素水の原料が不足したら日本でも同じことが起きるんじゃ無いかと思うんだけど……



尿素水の製造方法

三井化学のサイトによるとこんな感じ。


アドブルー®,NOx還元添加剤|事業・製品|三井化学株式会社


なるほどなるほど、減量の「炭化水素」さえ確保出来れば生産に困らないわけか。でも炭化水素?と思ったら先ほど記事にヒントが。


採算性の問題で11年、自国生産を中止した韓国とは違って、日本はアンモニア生産と関連し、世界最高の技術力を持っているとの評価を受けている。日本政府は昨年12月に確定した「2050年カーボンニュートラルの実現」でアンモニアを水素とともに次世代エネルギー源に指定した。

(中略)

日本が、独自にアンモニアを生産できるのは、大規模化学団地でアンモニアの主原料を安価で確保できるためと分析される。日本に進出した韓国精油業界関係者は「日本の大規模化学コンビナート(工業団地)ではアンモニアの主原料であるコークスが副産物として排出される」とし「アンモニア製造会社も大部分化学団地周辺にあり、原料を大量に安く入手できる」と説明した。

尿素水不足、韓国は大騒ぎで日本が静かな理由(THE Korea Economic Daily Global Edition) – Yahoo!ニュース


なるほどね。

だがしかし、コークスってことはつまり化学工場で石炭を使った残りってことなわけで、二酸化炭素排出量を減らす過程でそれら石炭の使用も削減していきましょうってことになったら(化学的な意味で可能なのかどうなのかは知らないけど)、必然的にコークスの生産も減って尿素水の製造も難しくなっていくということなのでは……そんなとこにも影響案のね。二酸化炭素排出量削減て。



自国で生産するって大事なのな

食料品にせよ資源にせよ自給率を上げることだけが是ではなく、他国からの輸入を継続できるように外交に力を入れることも大事なのですけど、いざこういう事態が起こったときに自国で生産量ギリギリの尿素水を隣国に譲るということはお互いになかなか出来ないことであり、結局大事なことは自国である程度の生産能力を持っておくってことなんですよね。一口に「自国で」といっても採算取れなきゃ意味ないので難しいところではあるんですけど……

韓国は採算性から尿素水の自国生産を諦めた結果、現在に至ってるってことらしいので、いや韓国の判断が間違っていたとは思わないけど(採算取れないのは仕方ない)、明日は我が身ってことかなあと。。