グラフを見れば一目瞭然、ここ2週間から3週間ほどで急激に円安になっています。円安に繋がっている直接的な原因は、原油高とアメリカのインフレだとか。
外国為替市場で円の先安警戒感が強まり、2017年以来となる1ドル=115円を突破するとの見方も出てきた。円安が輸出増につながらず、貿易黒字拡大による円高圧力が生じにくくなっている一方、ドル建てで取引される原油など商品価格高騰によりドルの支払いが増加し、一層の円安を招くリスクがあるためだ。
原油高騰で一段の円安、年内に1ドル115円突破も | ブルームバーグ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
(中略)
一方ドルは、インフレ圧力の高まりで米国が利上げに向かいつつある中で、相対的に堅調になりやすく、米長期金利が2%を超えるような状況になれば、「ドル・円の115円超えという世界が見えてくる」と考える。
前回外国為替の記事を書いたのはちょうど半年前のことで、その時も今回みたいにぐぐっと円安になったタイミングだったんですけど、直近1年間の値動きを見てみるとこんな感じになってました。
これを見る限りでは今の円安状況は数字的には今年2月から4月にかけての円安に比べてまだ大人しい感じです。このときは104円から111円まで一気に円安が進んだので。もちろん値動き幅が小さいから円安の影響が少ないってことにはならないんですけど、それにしてもまあアメリカが利上げを前だおして検討している中での原油高という状況を考えれば今後もしばらくこの状況は続くと考える方が自然ですかねえ。
ただ冷静に考えてみると、ただでさえ輸入に頼っている原油がドルベースで高くなってその上円安で円換算でさらに高くなるってなると、我々消費者の受ける影響は小さくないですね。自家用車だけでなく運送業にももちろん影響がありますし、これから冬に向かってストーブ用の燃料を買うこともあるでしょうし、さらには火力発電所経由で電気代としても跳ね返ってくるかも。
いやー。なんか景気のいい話、全然ないっすねえ。全盛期に比べて凋落したとは言え世界的な水準で見て日本はまだまだ豊かな国のはずなんですけどねえ。おかしいなあ。
ちなみに:もちろんユーロ円、英ポンド円も同じ値動きです
イギリスとかEU離脱からの移民減少、労働者減少、運送業壊滅みたいなことになってて経済とか大丈夫なの?日本より経済リスク全然あるんじゃないの?って思うんですけど、外国為替ではこうなっちゃうんですよねえ。EUはEUでアフガニスタンからの大量の難民が東側国境に押し寄せてきて大変なことになってるみたいですし、一部の国(ポーランドなど)が離脱もあり得る状況になってて一触即発ですし、全然大丈夫じゃねえぞと。
その昔、日本の円安が世界で叩かれて円高に誘導されてた時代には「経済的優位な国の通貨が高くなるべき」ってことなのかなみたいな感じの理解で為替相場を見てたんですけど(何十年も前のことです、まだ子供でした)、こうやって眺めてみるとそんなの全然関係ないってのがわかりますよね。外国為替はパワーバランスを表したものじゃないよねっていう。
日本がずーーーっと続くデフレ傾向から脱して金利を上げるまで、円安を伺う状況はずーーーっと続くんでしょうね。邪魔くさいわー