どうなる京都1区【衆議院選挙2021】

これまで京都1区は伊吹文明元衆議院議長(ほか大臣など歴任)が長らく君臨してきた選挙区ですが、圧倒的に勝ってきたかというとそうでもなくライバルとして共産党の穀田恵二衆議院議員がいて激しく争ってきた歴史があります。直接対決はこれまで9回、中選挙区制だった1993年には2人とも当選を果たしましたが、小選挙区制となった1996年以降は全て伊吹文明さんの勝利(穀田さんはすべて比例で復活当選)。しかし差は決して大きくなく直近の対決(2017年)は伊吹文明さん88,106票に対し穀田さん61,938票。最小は1996年の2,600票差で、まさに鎬を削ってきたのでした。




そんな伊吹文明さんが引退

そんな伊吹さんも83歳になられて、2021年6月政界からの引退を発表されました。後継は元京都府総務部長の勝目康さん。住民の率直な感想は「誰?」であり、写真で見る顔には実直さを感じるものの、伊吹さんや穀田さんのような「政治家としての力強さ」は感じず、信頼して良いかどうか未知数です。まあ顔を知っていたところで信頼出来るかどうかはわかんないので、勝目さんがどうかというのはあまり関係ない話ですが、ともあれこの状況、穀田さんにとっては願ってもないチャンスであり1996年以来の逆転が狙える状況が見えてきた……

……選挙前の僕はそんな風に思って見ていたんですが、今のところ勝目さんがややリードという状況のようです。そうなのか。





勝目さんがややリード、2番手が穀田さん

衆院選京都1区には、共産党前職の穀田恵二、日本維新の会新人の堀場幸子、自民党新人の勝目康の3人が立候補している。

【京都1区終盤情勢】自民新人ややリード、共産前職、維新新人激しく追う|社会|地域のニュース|京都新聞
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京都1区(京都市北、上京、中京、下京、南の各区)は、日本共産党の、こくた恵二候補(近畿比例重複)が「立民、国民の支持層にも5~6割浸透」(27日付「京都」)するなど、自民新人を「激しく追う」(同紙)大激戦です。

21総選挙激戦/京都1区 こくた恵二候補/広がる支援 自民を猛追


共産党の機関紙である「赤旗」の書き方は穀田さんにとってポジティブな感じになっていますが、新人を「猛追」という表現はつまり新人にもかかわらず先を走られているという意味であり、共産陣営の感触としても勝目さんにややリードされているということなんでしょう。穀田さんに関しては2020年2月の京都木津川マラソンに挨拶に来ていて、ぶっちゃけ気乗りはしなかったんですが挨拶を聞いてみたらまともな人だったという印象なので、頑張ってもらいたいという気持ちはあります。善戦さえすれば勝目さんは比例で復活出来るでしょうし、選挙区での初勝利を穀田さんに譲ってもいいんじゃないのと思うんですけど、選挙ってそういうもんじゃないですもんねー。政治家にとっては戦争ですしね。



勝目さん躍進のポイントは

 対する自民は、38年にわたり議席を守り続けてきた伊吹の後継に、地元出身で府総務部長も務めた元総務官僚、勝目康(47)を擁立した。課題は何より知名度だ。

(中略)

 伊吹は、1区内の地域や団体単位できめ細かく後援会を組織してきた。7月以降は勝目を引き連れ、支持組織をくまなく回った。「3000人以上に会わせた。自分の選挙の10倍大変だ」。伊吹は周囲に漏らす。

 「演説の話、長いんちゃうか」。官僚出身らしく政策を詳細に話そうとする勝目を時にたしなめ、自ら恒例としていた衆院選前の八坂神社(京都市)への必勝祈願にも一緒に赴いた。

 伊吹との二人三脚が実り、勝目の事務所の壁は、理容や飲食、旅館など200を超える業界団体の推薦状で埋め尽くされた。「知名度を上げるには地道に活動するしかない」という勝目は、地元住民が利用する小さな商店街などで演説や練り歩きを繰り返し、体重は7月から10キロ減った。

共産「統一候補」立民そっぽ 自民 重鎮後継 知名度に課題…京都1区 : 衆院選 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン


いやあ、何年も連続で当選される政治家というのは凄いもんですね。当選するには理由がある。共産党支持者が自らの連帯を誇るように、自民党には自民党の連帯の仕方があるってことです。それがわかりやすいイデオロギーによるものでは無くても、支持を得るための政策的裏付けがあるには違いないわけですし。

結果的に「伊吹塾」に入塾した勝目さんを伊吹さんが現場で後押しする形で徐々に勝目さんの支持が広がり、今の状況に繋がってるってことですね。「京都1区」と一口に言っても北区、上京区、中京区、下京区、南区と以外に広いわけで行脚といっても大変だったと思うんですけど、選挙って結局そういう地道な活動と国会での活動の両輪で勝っていくもんなんだなあという感じ。それは自民党も共産党も変わりませんけどね。


選挙を明後日に控えて、この状況がどうなっていくか見ものです。



さて、個人的な選択は

正直に言うと、まー、日本維新の会の堀場幸子さんを含めて「別に誰が当選しても良いな」と思っているので、まだ決めかねてます。先に書いたとおり穀田さん本人に関しては頑張ってくれそうだなと思っている反面、共産党の公約は相変わらず非現実的で賛同するに足らないものなのであんまり気乗りしないんですけど、このまま自民党に投票するのもどうかというのもあり、一方で日本維新の会は政策は現実的なんだけど過去に何度も裏切られてきた(良くなってくると何か不祥事が出て後退する的な)歴史もあり、これまたどうかなと。

最終的には候補の人柄、感触で決めたら良いんかなと思ってはいるんですけど家にはテレビがなく在宅ワークで街中に行くことも少ないので、本人の話を伺うこともお会いすることもなくてそれもまた難しい。一応各候補のサイト見たりはしたんですけどねー。どうしたもんだか。


ま、選挙には行くので、当日までに決めたいとは思っています。どうしようかなー。