平城京を通過する近鉄奈良線の移設が決定!移設完了は2061年予定

平城京
(写真は産経新聞記事より引用)


写真の上1/3ほどのところを斜めに横切っているのが「近鉄奈良線」です。近鉄を移設して平城京跡を世界遺産として一体開発(保存)するというのは奈良県、奈良市の悲願だったそうですが、それにしても時間掛かったなあ。構想から合意まで43年、合意から完了まで40年。合わせて83年。


2021年3月25日、奈良県、奈良市、近鉄の3者は「平城宮遺跡内を通過する近鉄奈良線の移設」に合意した。国が1978年(昭和53年)に「特別史跡平城宮跡保存整備基本構想」で近鉄の軌道移設を示して以来、43年目の合意だ。報道によると、奈良県は用地買収や工事にかかる期間として40年を想定しているという。その通りなら完成は61年。基本構想から83年の悲願達成だ。

平城京や自由が丘で「踏切除却」! 鉄道、街はどうなる?:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン


平城京に遷都されたとされるのが西暦710年、平城京から長岡京に遷都したとされるのが西暦784年なので、平城京に都がおかれていたのは74年間しかないわけなので、今回の移設に掛かる年数よりも平城京が天皇の住まいとして機能していた期間の方が短いわけですよねえ。しかも近鉄奈良線の方が歴史が長い。


平城京は710年から784年まで都だった。間に約5年間があり恭仁京となっていて、それを差し引くと74年間だ。近鉄奈良線は14年から現在まで104年間の歴史がある。もう近鉄の実績のほうが長いわけで、ネットでは「動かすなら平城京のほうじゃないか」といういう冗談も飛び出した。

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もちろん造成を始めたのは710年よりもずっと前でしょうし、放置されたのは平安京遷都(西暦794年)以降だということなので、平城京という存在自体は74年間よりもっと長く存在していたとは思うのですが、それにしても歴史を感じる。ロマンだなあ。



40年後っていうと僕が生きている間に復元された平城京が見られるのか微妙なところですし、今回の件に関わっている関係者のみなさんもたぶん同じだと思うんですが、ある意味で平城京を扱うのに適切なスケールの話なのかなという気もしますね。迂回するにしても周りにあんまり余地がないような気もしますが(地下通した方がもしかして早いじゃないか、費用は莫大になるけどって遺跡の下なんか掘れないか)、なんとかスムーズに進んで欲しいですね。

「ただの畑」っていうイメージしかなかった平城京跡もこれから変わっていくのかな。