イギリス通信業界の独立監視機関、放送通信庁(Ofcom)は4日、中国の国営テレビ「中国環球電視台(CGTN)」のイギリス国内での放送免許を取り消した。
イギリス、中国国営テレビの英語放送の免許取り消し – BBCニュース
CGTNのライセンスを保有するスター・チャイナ・メディア・リミテッド(SCML)が、英語の衛星ニュース・チャンネルについて「編集責任」を持たないことが、Ofcomのルールに違反したためとしている。
これだけ読むと、ただ単に組織運営の不備を咎められたのかなと思えますが、続きを読むとこんなことが書いてあります。
イギリスの放送法では、放映するサービスやその編集方針については放送免許の保持者が責任を担う必要がある。また、放送免許をもつ事業者は特定の政治団体に影響されてはならないという決まりもある。
イギリス、中国国営テレビの英語放送の免許取り消し – BBCニュース
(中略)
Ofcomによると、CGTNの番組内容について「究極的な決定権」は、中国国際電視台総公司という会社が握っている。
しかし、「この組織は究極的には中国共産党に支配されており、これはイギリスの放送法では認められないため」、SCMLの放映ライセンスをCGTNへ移管できなかったという。
簡単にまとめると
- 放送免許を取得している「CGTN」の運営会社「SCML」はダミー
- 「SCML」には番組内容に関する決定権がなく、決定権は「中国国際電視台総公司」(正しくは「中国国際電視総公司」)にあり、「SCML」に決定権を移管するか「中国国際電視台総公司」が免許を取得する必要がある
- しかし「中国国際電視台総公司」は実質的に中国共産党であり、「特定の政治団体に影響されてはならない」というルールに違反するため、「中国国際電視台総公司」が免許を取得することはできない
- 中国共産党が自身から遠い「SCML」そのものに決定権を与えるわけはなく、放送免許は認められない
ああうん、無理じゃん。
イギリス放送通信庁(Ofcom)としては、一応、免許を残すべく様々な話し合いをしてきたみたいだけど、中国が折れなかったので諦めましたっていうことみたい。そうでしょうねえ、中国という国のシステム自体がこのイギリスのルールに適合してないですもんね。仕方ないんじゃないですかね、と思うけれど、でもこれ揉めるよなあ。
他の国ではどうなんだろう。イギリスだけが特別に厳しいのかな?