「天穂のサクナヒメ」とは
「とにかくマニアックなまでに稲作が作り込まれたアクションゲーム」として一部で話題沸騰中のゲームです。主人公を強くするための手段が稲作。冬の田起こしから始まって種籾の選別、種蒔き、育苗、田植え、施肥、田んぼの水分量の調整から雑草抜き、収穫、稲架掛け、脱穀、籾摺り……完全に農業じゃん!完全な単純作業なのにアクション並に楽しい!四季折々の田園風景が美しい!steam版が出ちゃってたんですよ
僕も気になってはいたんですが、今うちにはハードウェアが一台もないし(Switchもない)買う予定もないので、自分には縁がないなあと思っていました。でもふと気付いた、steam版も出てるじゃん!よくよく調べてみるとPC向けに制作されていたインディゲームなんですね。だからまずPC版があり、それがNintendo SwitchとPlaystation4に移植されて同時に発売(2020/11/12)、steam版はその前日に販売開始(2020/11/11)。そうかそうか。
龍が如くのときもそうでしたが、steam版があるとなると途端にゲーム購入のハードルが下がるから不思議。今から数万円出してハードウェアを買うか?といわれると、使用頻度を考えるとまあ買わないよねというのがあり、気になっても買わない(買えない)ゲームが一杯あるんですが、steam版があるとなると話は別です。時間?作れば良いじゃない。
正確に言うと単純作業が楽しいんじゃない
先ほど「完全な単純作業なのにアクション並に楽しい!」って書きましたが、すみません、訂正します。単純作業は単純作業であって楽しくありません。収穫が多かったときの脱穀とかほんと苦行です。でもね、だからといって止めようとは思わないんですよ。なぜかというとその先に収穫があるから。実際の農業でもそうだと思うんですけど(といっても僕が知ってるのは家庭菜園レベルですが)、日々の作業がすべて楽しいってわけじゃないですよね。めんどくさいのもしんどいもあると思います。でもそれをやることが実りに繋がるのなら、やりますよね。雑草だって抜きますし、天候に合わせてカバーを付けたり外したり。やります。このゲームの素晴らしいところは、それが再現出来ているところなんですよね。他のゲームでいえばレベル上げに相当するような単純作業にも、やる明確な意味がある。だから楽しい。
稲作中心の生活
ゲームのメインは当然アクションで敵を倒していくことで、それによってゲームが進行していくのですけど、でもそれだけやってるといつの間にか田んぼが干上がってたり、雑草だらけになってたりします。なんかね、ゲーム内の稲作はゲーム内時間で6時間ごとに進行するみたいなんですけど、でもゲーム内の昼夜はおおむね8~10時間ぐらいあるんですよ。夜になると敵が格段に強くなるので序盤は昼だけ探索に行くんですけど、朝農作業したあと昼の間めいっぱい探索して帰ってくると、稲作が進行しすぎてることが良くある。稲架掛けしてた稲が乾きすぎてるとか。もしくは雨降って台無しになってるとか。
だから昼とか夜とかではなくて、「ちょっと時間出来たし6時間ぐらい探索に行ってこよう」みたいな感じの進め方になるんですけど、そこではたと気付く、これメインは稲作ですよね。稲を作るついでにアクションやってる的な。なんだこれ。なんでこれで楽しいのか。
稲を育てて物理で殴る
このゲームを一言で言い表すとすればこれです。これしかない。あんまりアクションが得意な方ではないので、技術でカバーしながらガンガン進むというのが難しい部分はあります。理屈はわかるんですけどね、相手の攻撃を弾いてひるんだ隙に強攻撃とかね、でも下手くそなんですよね。相手の攻撃が読めなくて、結局ごり押しになっちゃう。練習はしてるんですけど。
で、このゲームはそんな僕でも稲さえ育てればクリアに近付いていけます。稲作はもう6年目に入りましたが、ゲームの進行度合いが極端に遅くて笑える。見てた実況動画では3年目ぐらいで通過してた気がします。どんだけ稲作好きなんだよ。
さて、しばらく休耕入ります
まだまだ中盤に入ったところですが、徐々に出来ることが増えてきて楽しい。ただ……僕この後「龍が如く」をやるんで……しばらく休止になるんですよね……田畑じゃなくて神室町を耕してこないといけないので……僕が神室町から帰ってきた頃には世間のブームもだいぶ収まり、攻略情報も網羅されていると思いますが、でもなんかこう、その間に田んぼが荒れ放題になってるんじゃないかという罪悪感が……そんなことはないんですけど。起動しない限りゲーム内時間は止まってるんですけど。でも僕の中に蓄積された「育成度合いに応じた適切な水分量」などの知識がそれを許さない。そろそろ中干しした方がいいんじゃないか。
そんな兼業農家の気持ちが味わえるゲームです。
……「龍が如く」期間中にも、たまには戻ってきた方がいいかも知れないなあ。