最近の銀行金利

下がり続ける金利のイラスト
「マイナス金利政策」が長く続いて、貯金に対して付く金利がほぼゼロになって久しいですが、ふと見掛けた信用金庫のポスターにでかでかと、「おトクな金利 0.012%!!」と書いてあってどんだけだよ!となったので実際今どれぐらいなのかちょっと調べてみました。
(金利は2020/12/28現在の円預金のもの)



三井住友銀行

メインで使っているのは三井住友銀行。

円預金金利 : 三井住友銀行

  • 定期預金 …… 0.002%
  • 普通預金 …… 0.001%

いろいろと種類はあるものの、金利は基本的に2種類。預金額でも変わらない(本当の大口顧客は優遇されてるかも知れないけど)。0.002%って、100万円預けたときの利息が年20円です。10億円預けても2万円。マジか。



ソニー銀行

もうひとつ、主に貯蓄用で使っているソニー銀行。

円預金の金利一覧|MONEYKit – ソニー銀行

  • 定期預金 …… 0.010% ~ 0.150%
  • 普通預金 …… 0.001%

ネットバンク系なので金利は比較的高くなっていて、定期預金は概ね三井住友銀行の10倍。6ヶ月もの、1年もの、10年ものの定期預金だけ金利が優遇されていて一番高い10年もので0.15%。三井住友銀行の75倍、つまり100万円預けたときの利息は年1,500円。10億円で150万円。



京都の金融機関では

京都の主な金融機関というとまず地銀の京都銀行、それから京都信用金庫、京都中央信用金庫。それぞれ金利はこれぐらい。

京都銀行

円預金金利|金利・為替相場のご案内|京都銀行

  • 定期預金 …… 0.001% ~ 0.002%
  • 普通預金 …… 0.001%

京都信用金庫

金利のご案内:京都信用金庫

  • 定期預金 …… 0.002% ~ 0.011%(「はじめましてよきん」を除く)
  • 普通預金 …… 0.001%

京都中央信用金庫

預金金利一覧|金利一覧|京都中央信用金庫

  • 定期預金 …… 0.002% ~ 0.012%
  • 普通預金 …… 0.001%



現在の低水準は2016年から

普通預金と定期預金の金利は2000年以降も下がり続けています。定期預金は2000年時点で0.22%だった金利が2001年時点で0.08%に低下、その後も少しずつ下降し、2005年には0.051%を記録します。

その後、一時2000年時点の金利を上回ったものの長くは続かず、2011年には0.049%と2005年時点の0.051%も下回る低金利となりました。2017年には0.016%まで低下し、2019年は0.015%とさらに低水準で推移しています。

普通預金の金利は2000年時点で0.10%と、定期預金の半分程度にとどまっていました。しかし、その後の下落幅は定期預金より大きく、2016年以降は0.001%という超低金利状態に陥ったまま推移しています。

定期預金の金利推移を見る 今後定期預金は資産運用に活用できるか? | コラム | 資産運用・相続税対策専門 ネイチャーグループ



かつては貯蓄と言えば定期預金であって、バブル時代には金利6%、普通預金でさえ2%もついていたそうです。やばい。今の投資信託の方が低いぐらいですね。



1980年代後半から1990年代前半バブル期の普通預金の金利を見てみると平均で2%もありました。定期預金はというと、なんと6%。郵便局の定額貯金の金利はさらに高く8%もありました。 普通預金の金利でさえ平均で2%あったのですから驚きですね。単純に計算して100万円を1年間2%の普通預金に預けていれば、1年後の利息は2万円(税金は考慮しません)になります。現在は普通預金の金利は0.001%なので、1年後の利息は10円(税金は考慮しません)しかつきません。そう考えると、夢のような話しですね。

【Vol.02 FPが教える簡単基礎知識!~預貯金編~】第1回 昔の預金金利は現在の3000倍って本当? 〜預貯金金利の昔と今〜 | 不動産投資のことならINVALANCE(インヴァランス)



そう考えると冒頭で書いた「0.012%」は確かに「おトクな金利」かも知れませんが、しかしそれでも100万円預けて年120円、資産が倍になるまでに約6,000年掛かるわけで、まあ無いに等しいですねえ。



現代の銀行は「安全な金庫」

金利が低いのは政策金利がマイナスだからということもありますが、日本経済の今後の見通しが明るくないということもあります。銀行というところは、お金を預かってくれる金庫みたいな存在というだけで、お金を増やしてくれるところではなくなったんですね。もちろん、安全に管理してくれるということ自体をサービスと見なし、それに対するサービス料として低金利の差引分を支払っているという考え方も出来ますが……というか、そう考えて納得するしかないですねー。そうでなかったら銀行に預ける必要性がないですし。

もっとも銀行にとっては預かる方より貸す方が「本業」でしょうから、ビジネスモデルが変わったわけではないんでしょうし、銀行が利益をむさぼっていて金利を低く抑えている……というわけでもないので仕方のない話なんですが、でもなんか金利が低いのってこう、侘しい気持ちになりますね。景気悪い感じというか。そういう意味では高利回り商品に騙される気持ちもわからんでもないですね。昔は定期預金で5%ついてたなんて聞くと特に。

そんな美味い話、もう現代にはないんですけどね。