苦手なことを敢えてやるメンタリティ

セロリのイラスト
僕は基本的には諦めが早く苦手なことを嫌うタイプです。もちろんネガティブな側面だけでなく、「得意なことを生かして勝負していきたい」というポジティブな面もあるのですが、まあでも生きていれば苦手なことにぶつかることはいくらもあるわけで、特に若い頃はそのことに対処することがなかなか上手く出来ませんでした。



エンジニアの先取性

Webエンジニアとして生きているのであれば、新しいことに挑戦していくのは日常的なことですし、苦手意識を持っていたとしても必要であれば学習によってそれを乗り越えるということも当然なことです。「僕、JavaScriptいまいちよくわかんないんですよね」とか言ってたら仕事になりませんし、次々に現れる新しい技術を試し、良ければ採用しということを繰り返すことが自身の血肉なり明日の仕事に繋がります。

ただこう、一定期間変化のないシステムの中での作業を行っていると、どうしても手を付けることと手を付けないこととにムラが出てくるんですよね。今の僕はほとんどのコードをPHPかJavaScriptで書いていますが、処理によってはもっとそれに適した言語があったり、OSがあったり、ないしはAWSのサービスがあったりするわけですが、時間コスト的な意味でもなかなかね。

例えばあるサービスのDBは長い間オンプレミスでやってきて、システム全体がAWSに移行したあとでもEC2インスタンス上のMySQLで動いています。確かに以降はその方が簡単だったかも知れませんが(実施したのは僕ではないので詳細は不明)、どう考えてもAmazon RDSで動かした方が効率的だし安心。AWSの人にも勧められたんですけど、AWSに関してはわからないなりに頑張っている側面があるので、どうもここまで大がかりなことに関与するのは気が進まない。出来れば僕の代では見なかったことにしておきたい。先代もそうだったけど。



つまり:苦手なことに対するアプローチ

現在の苦手なことに対するアプローチは、「それがどうしても必要だったらやりますけど、そうでないならやりません」ということになります。得意な分野の仕事だけでも手に余るほどある中、得意でもなくすぐに現金にも結び付かないような案件について、わざわざ手を挙げる理由がないという。しかたないことです。



でも飲食ではそうもいかない

一方で今の僕には「飲食業従事」という顔もあります。職種としては「調理」と「調理補助」の中間ぐらいですが、今年に入って環境が大きく変わったこともあって勉強しなければならないことばかりです。しかも洋食での実務経験なんて半年間いたスペインレストランしかなく、わからないこと、初めて聞くことだらけ。レシピにイタリア語が登場しててなんか特別なことなのかなと思ったら、単に「付け合わせ」だったりしてビビって損した的なこととかも。

そんな中で仕事をしていると「苦手だから」っていう感情は邪魔でしかないんですよね。なんだろう、レストランのキッチンて良くも悪くも同僚を値踏みしながら働いているところがあるんです。特に新人に対しては、使えるのか使えないのか、使えるようになりそうなのかそうではないのか、仕事が信用できるかどうかのか。日々の中で観察され判断されている、そういうプレッシャーがあります。しかも僕は年齢が年齢なので、あまり伸びしろを待ってもらえません。出来るだけすぐに出来るようになる必要がある。信頼を獲得できないと、居場所がなくなるんですよ。


そういう環境での僕の生存戦略は、


  1. 出来ないことは出来ないと伝える
  2. やり方を教えてもらったら絶対に1回で覚える
  3. 出来なかったことは、次にチャンスがあったときに積極的にやる
  4. 2回目から出来るようになる
  5. 同じミスは繰り返さない

この繰り返し。


何か大きなミスをしたとき、例えば洗い立てのグラスを運んでるときに落として割ってしまったというような単純作業であっても、次に同じ作業をやるときは怖さがあるもんです。出来れば誰か他の人やってくれないかなーと思いますよね。同じミスをするのは嫌だし。でも、そうしているといつまで経ってもミスを挽回できないんですよ。同じことやって次はミスなくできた、それをもって前回のミスが終了になるわけで、苦手意識を持って回避するのはその終了を遅らせるだけでメリットが全然ない。出来ないこと、わからないことに関してもそうで、出しゃばらない範囲において積極的に聞いてやって出来るようにしていく必要があります。

もちろん調理など専門的な知識、技術が必要になるようなことに関しては、「2回目からすぐ出来る」というわけにはいかないですが、それでも何をしようとして何が出来なかったかは明らかにしていかなければならないし、次の機会には出来るようになりたい。今僕は、人手不足もあってちょっと高度なことを学習しなければならない状態になりつつありますが、プレッシャーも大きくて正直逃げたい気持ちもあります。業務でパスタを作ったこともないのに、イタリアンのシェフが揃った厨房で僕がそれをやるとかマジかって感じ。でもそれ、出来るようになったらそれは僕にとってもキッチンにとっても最高。別にイタリアンのシェフになりたいわけではないけれど、出来ることは多いに越したことは無いわけですし。しっかり準備をして。チャンスがもし来たら手を挙げたい。



生き方をポジティブに

人間性が多少ネガティブであったとしても、生き方をポジティブにすることは可能です。ネガティブな思考をするということは、どこが自分にとってネガティブであるか解っていると言うことなので。無理をする必要はないけれど、そのネガティブに思う部分を解決していけば、自然に結果はポジティブになっていきます。

歳を取ってから飲食業界に入って、職場が変わるたびに「なんだこの人、仕事できんの」的な感じで見られる機会があり、その中でなんとかバイトとしては仕事できるねぐらいには見られるようになるために頑張ってきた結果、そんな感じになりました。ただまあキッチンや厨房における僕の「仕事が出来る」なんて所詮地頭勝負であって、きちんと勉強し修練を積んだ人には敵わないんですけどね。まだまだ日々勉強することが多いです。苦手だから無理とか言ってたらもったいない。