アニメ「デカダンス」が最高に面白かった

今期のアニメで一番好きだったのは「デカダンス」。



デカダンスは立川譲監督、アニメーションスタジオNUT制作による、原作のないオリジナルTVアニメ。仮想空間と現実空間が設定されつつそれらが融合していく独特な設定のもと、スピード感溢れるアクションや熱い展開、それでいて情緒的な描写がとても印象的な素晴らしい作品でした。

第2話でいきなり世界観が転換するのも衝撃的だったけれど、終盤に向かうにつれて世界観のベースにあるものが明らかになっていき、最終的に大団円といっていい素晴らしくカタルシスがある最終回でもうね、全12話でここまで綺麗に、展開と回収を行うってほんと大変だったと思うんだけど、最高でした。



最終回(ニコニコ動画)




「システムはバグを許容している」

少しネタバレになりますが、最後のカブラギとシステムとの対話の中でとても印象的だったシステムのセリフがこれ。「システムにバグは不要です」と散々言われ弾圧されてきたけれど、システム自体はバグを許容しており、バグを受け入れる陣営とバグを認めない陣営が互いにせめぎ合うことで、システム全体がアップデートしていくという思想。

実際問題、バグを完全にゼロにすることは出来ないし、完全なバグゼロを求めると何も動かせないわけだけど、そこに「バグ取りの自動化」を導入したシステムの合理性、その合理性に抵抗するカブラギを最終的には受け入れるシステム、その両方が概念として共存しどちらも否定していないことが、この世界観の奥深さを形作っていたような気がしました。







ここ何期か積極的に見るアニメというのがなくなっていて、ちょっと寂しく思っていたんですが(僕の興味が薄れたとか、ニコニコチャンネルがアニメの放映から外されることが増えたとか原因はいろいろあるんだろうけど)、今期はいくつかアニメを見てそれぞれがそれぞれに楽しめ、中でも「デカダンス」がこれまで見た中でも結構上位に来る満足度で、いい3ヶ月でした。

制作に携わったすべての方に、感謝を。ありがとうございます。