Amazon Lightsail アップグレード($5 → $10)の詳細とその後のメトリクス

Amazon Lightsail
先日、利用しているAWS Lightsailのパフォーマンスが限界に達し、定期的にサーバがストップ(「バースト」というらしいです)するようになってしまったので、スペックを1段階増強しました。


AWS Lightsail インスタンスをアップグレードしました。 – NOBODY:PLACE


旧プラン($5/月)

  • メモリ …… 1GB
  • CPU …… 1vCPU
  • ストレージ …… 40GB SSD
  • 転送量 …… 2TB
  • 持続可能なCPU使用率 …… 10%

新プラン($10/月)

  • メモリ …… 2GB
  • CPU …… 1vCPU
  • ストレージ …… 60GB SSD
  • 転送量 …… 3TB
  • 持続可能なCPU使用率 …… 20%


ポイントは一番下の「持続可能なCPU使用率」。

以下の図で表されるようにLightsailは、CPUの負荷が「持続可能なCPU使用率」の範囲内に収まっている時、使用率を「貯金」することが出来ます(CPU バーストキャパシティー)。




この貯金がある限りは急に負荷が上がってもCPUパフォーマンスを向上させてサービスを維持出来るのですが、貯金がなくなってしまうとCPUの負荷が「持続可能なCPU使用率」を超えるたびにサービスが止まってしまいます。安定した運用を続けるためにはCPU使用率を常に「持続可能なCPU使用率」の範囲内に収め、「CPU バーストキャパシティー」の収支を常に黒字に維持することが必要です。今回のアップグレードでその「持続可能なCPU使用率」の範囲が10%から20%に増強され、収支が常に赤字になっていた「CPU バーストキャパシティー」が黒字化し、サービスを安定させることが出来ました。



アップグレード4日後のメトリクス




アップグレード直後の「CPU バーストキャパシティー」は10%しかありませんが、安定動作を続けることで2日後には上限の100%に達しました。100%の「CPU バーストキャパシティー」を使い切るのに掛かる時間は、CPU負荷率が100%になったとして288分、約5時間。5時間以内に負荷率を下げることが出来れば、サービスのストップを避けることが出来ます。現在のCPU負荷率はおおむね7%前後で推移しており、今後アクセス増など何らかの負荷上昇があったとしてもしばらくは耐えられそうです。



コストが$5増えてもまだまだ感じる割安感

現在、AWS全体で支払っているコストは税抜で約$39/月。そのうちLightsailは約$21でこれが約$26に増えることになり、全体のコストも約$44に増えることになりますが、CloudFront(約$11)を利用してサイト全体のSSLが実現出来ていることや、Route53(約$6)を利用してドメインに関する設定を一括で管理出来ていることを考えると、かなり割安感があります。以前さくらインターネットに払っていた月額は2,500円ほどでしたが、そこにはドメインの管理とSSLは含まれていませんでした。全ドメインをSSL対応にしようと思うと少なく見積もっても年間30,000円程度掛かるので、総合的に考えるとコストは下がっていると考えて良いかと。

今後もうちょっと頑張ってインスタンスをEC2に切り替えたり、DBをAuroraに切り替えたりするとコストが跳ね上がることになりますが、今の感じではそこまですることはなさそうですし、しばらくはこんな感じかな。これまでバラバラだった支払いがAWSにまとめることが出来ているだけでも、管理面でのストレスは減っていますしAWSに移行して正解でした。気になる方はぜひLightsailからお試しを。使いやすいですよ。