老いるというのはそういうことなんでしょう

シルバーカーを押す老夫婦のイラスト
最近、昼休みに散歩を兼ねてスーパーへ買い出しに行くことが多いのですけど、若めの女性が多い夕方以降に比べると昼って高齢者の方が多いんですよね。



とにかくカオスになりがち

単刀直入に言うと、高齢者の方ってマナーを守らない人が多いんですよ。地域性その他の要因もあるのかも知れませんが、夕方や夜に比べて店頭、売り場の荒れっぷりがすごい。ショッピングカートを駐輪場に放置するとかざらです。見ていると、ショッピングカートに買ったものを満載にして出てきて自分の自転車のカゴに積み替え、ショッピングカートを入口に戻すことをしないまま、しれっと自転車に乗って帰って行ってしまいます。ほんの3メートル先にカート置き場があるのに。

売り場にショッピングカートが放置されていることもよくあります。理由はよくわかりません。2階建てのスーパーの場合、階毎にカートを使うことになっているからでしょうか。2階でカートを利用したあと、下りエレベーターの乗り口にカートを放置して1階に下りてしまう。

その他、レジでよくわからないクレームを付けているのも大体高齢者。売り場のものを粗雑に扱うのも高齢者。自分が買うわけじゃない食べものをそんなに雑に投げるな。持ってきたものを関係ない売り場に勝手に放置するのも高齢者。コロナウィルス感染防止のためにランチの時間以外は閉鎖されているスペースに勝手に侵入してお惣菜を広げているのも高齢者。ゴミ箱が封鎖されているスーパーの荷物詰めスペースに、トレーやらなんやら放置するのも高齢者。カオス。



老いるというのはそういうことなのでしょう

もちろん若者がそうであるように、高齢者の方だってきちんとしている方がほとんどです。ほとんどの方はマナーを守って普通に利用されていますが、しかし、より若い世代に比べると自分勝手に行動する方が多いのも事実です。咎める人間もいないし、咎めたところで聞かない。

そうなってしまう大きな理由は、結局のところ、歳取って体力も衰えていろんなことをきちんとやるのがしんどいから。ショッピングカートを所定の位置に戻すのが正しいとはわかっていても、でもしんどいからという理由でやらない。誰かが片付けてくれるはず。お惣菜を家に持って帰って食べるのがしんどいから、イートインスペース使わせてもらおう。私一人ぐらいいいでしょ、しんどいんだもん。なんでダメなのよ。これ買おうと思って持ってきたけどやっぱり要らないわ、でもどこにあったか忘れちゃったし戻しに行くのしんどいし、いいやこのへんにおいとこ。

同時に、歳を取ると徐々に気持ちが緩んできて「まあいいじゃん」という気持ちになっていきがち。ルールはそうなってるのは知ってるけど、別に守らなくても良いじゃん。俺がちょっとやったぐらいで誰かに迷惑掛けるわけじゃないんだから良いじゃん。10分ぐらいしたら警備のおっちゃん回ってきてショッピングカート片付けるんだから良いだろ。



社会も老いる

わかるか、わからないかと言われれば、しんどさが先に立ってしまうのもわからなくはありません。出来ればそういうことをサポート出来る社会であったら良いなとは思います。でもさー、現実的には誰かがサポートする人、誰かがサポートされる人と分ける余裕はないわけですよ。自分が出来ることを少しずつやることで誰かに負担が偏るのを防ぐことができ、持続的な社会を作ることが出来る。残念だけど、高齢者の方にも少しずつ参加していただかざるを得ない。ショッピングカートは多少の距離なら自分で戻して欲しいし、買わない食材は放置せずにレジで申告して欲しい。ゴミは持って帰る。商品は丁寧に扱う。もちろん僕も出来る限り手伝うけれど、2階に放置されたいくつものカートをまとめて片付けに行くのはしんどい。確かに警備のおっちゃんが1時間に1回ぐらい見回りに来て片付けるけど、そのおっちゃんだって「シルバー人材センター」から派遣されているわけで、そう負担は掛けられない。1人1人が少しずつ。



「社会が老いる」というのは、そういうことなんだと思うんですよ。



高齢化社会のイラスト