【健康に関するメモ】 第17回:BMI30はBMI22よりも長生き?沖縄県は……

お菓子を持ってコーラを飲もうとする外国人サラリーマン



こういうニュースが流れてました。



「ちょいデブ」が最も健康的との研究結果 身長170cmの理想体重86.3kg – ライブドアニュース

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)がさまざまな人種の約288万人を対象に行ったレポート結果では、BMI値が「18.5~25未満の標準体重グループ」と「25~30未満の過体重グループ」では、過体重グループのほうが死亡リスクが6%も低いということが判明したのです。  

実はこれ以前から「ちょいデブのほうが健康的である」というデータは多数発表されていたのですが、CDCの発表は300万人に近いサンプルを元に作成されたデータなので、その信頼性に医学界が揺れたのです。  

現在の理想体重はBMI値22と言われています。つまり、身長170cmの人の場合、63.3kgが理想とされてきました。しかし、このレポートではBMI値22よりもBMI値30(身長170cmの場合、体重86.3kg)の人のほうが、死亡リスクが低いということが明らかになったのです!





執筆者は「デブのデブによるデブのためのファッション&ライフスタイルウェブマガジン『Mr.babe』編集長の倉科」さんという方(メンナクの元編集長らしい)なので、まあ言ってみれば自己肯定的なポジショントークなのですが、CDCがきちんと発表したんだったらそういうこともあるのかも知れません。例えば肥満と成人病との関連性とかその辺の関係はどうなっているんだろうと思わなくもないですけど、もともと「痩せ型よりは小太りの方が長生き」という話はあったので、その延長線上にある話なのかも知れません。だとしても、肥満の方が長生きってこれまた大きく出ましたね。確かに画期的です。


記事内には元ネタへのリンクがないのでなにか情報は無いかなと思って探したんですが、なかなか信頼出来そうなメディアの情報は見つかりませんでした。代わりに見つかったのは例えばこういう記事。


米国のがん、4割が過体重と肥満に関連 CDC報告書 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【10月4日 AFP】2005~2014年に確認された米国のがん患者のうち63万人以上が、過体重および肥満と関連のあるがんを患っていたことが、米疾病対策センター(CDC)が3日に発表した報告書で明らかになった。これは対象期間の全がん患者の約40%に当たる。この調査結果を受け、CDCは予防の重視を改めて訴えている。  

CDCのブレンダ・フィッツジェラルド(Brenda Fitzgerald)長官は報告書の発表に併せて声明を発表し、成人の71%が過体重または肥満であることが今回の調査で浮き彫りになったことは「懸念事項」だと指摘した。  

また「米国成人の大半が推奨体重を上回っており、過体重または肥満の人は多くのがんで発症リスクが高くなる」「健康的な体重に到達し、それを維持することで、誰もががん予防の一翼を担うことができる」と説明した。  

過体重では、13種類のがんの発症リスクが高くなることが示されている。リスクの上昇がみられるがんは、食道がん、甲状腺がん、更年期以降の乳がん、胆のうがん、胃がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がん、腎臓がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がん、直腸がん、多発性骨髄腫だ。  

1990年代以降、がん新規患者の全体的な割合は減少傾向にあるのに対し、過体重と肥満に関連性のあるがんの割合は増加している。



それからこういう記事とか。


米国での肥満傾向、全体的に悪化 CDC調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【6月8日 AFP】米国での肥満傾向が全体的に悪化しているとの調査論文が7日、発表された。発表された複数の論文によると女性で40%、男性で35%、子どもおよび10代の若者で17%が肥満とされた。  

米疾病対策センター(CDC)が米国医師会雑誌(JAMA)に発表した調査論文は、複数のデータを基に行われた。  

そのうちの一件では、男性2638人(平均年齢47歳)と、女性2817人(平均年齢48歳)を対象にしたデータを検証。別の調査では2歳から17歳の子どもや若者4万780人のデータが使われた。  調査の結果、米国では成人の38%、10代の若者の17%が肥満と判断された。  

成人については、BMI(肥満度指数)値30以上で肥満と定義された。BMI値25~29の過体重の人は全体の約3割を占めた。



どちらかというとCDCは「アメリカ人には肥満の人が多く、肥満は癌に繋がるからなるべく痩せましょう」という啓蒙を行っているように見えます。それを覆すような発表が行われたと言うことでしょうか。それはすごい。特にソース見当たらないけど。


沖縄県はもはや長寿県ではありません

元の記事に戻って、記事の最後の方にこんな一文があります。


「ちょいデブ」が最も健康的との研究結果 身長170cmの理想体重86.3kg – ライブドアニュース

沖縄は「長寿県」として有名ですが、「ぼっちゃり県」でもあります。たぶん、それは温暖な気候や自然がポジティブマインドにさせ、健康にもつながっているのではないでしょうか。



これを読んだだけで、この人何も調べずにもの書いてるな、というのがよくわかります。
こちらをご覧ください。


「長寿の県」ショック再び 沖縄平均寿命 女性7位、男性36位に後退 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

厚生労働省が13日に発表した2015年の都道府県別平均寿命で、沖縄女性は10年の前回調査から0・42歳延び87・44歳、沖縄男性は0・87歳延び80・27歳となった。男性は初めて80歳台に到達した。都道府県別の順位は前回調査で3位だった沖縄女性は7位に、同30位だった沖縄男性は36位に後退。男女ともに平均寿命は延びたが、伸び幅が他県に比べて小さく、低下に歯止めがかからなかった。



女性はまだ全国7位に留まっていますが、沖縄県の男性の平均寿命は全国36位です。都道府県は47ですから、明らかに下から数えた方が早い。もちろんそれでも十分の長寿ではあるのですがこれをもって長寿県と呼ぶなら沖縄の特性は関係ないことになります。沖縄が長寿県なんじゃなくて日本が長寿国なんです。

なぜ沖縄の平均寿命の都道府県別順位が後退しているかというと、


「長寿の県」ショック再び 沖縄平均寿命 女性7位、男性36位に後退 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

沖縄は65歳未満の働き盛り世代の死亡率が男女ともに全国ワーストで、平均寿命の延びを抑制する要因となった。  

全国より多い飲酒量や脂分の多い食事、運動不足などに起因する生活習慣病の肝疾患や糖尿病、喫煙が要因の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患などの死亡率は全国に比べて高水準にある。男性は大腸がん、女性は子宮がんによる死亡率が高い。



こうですね。沖縄の健康を支えていたのは昔ながらの島の料理ですが、現代では肉食化が進んで肥満の原因になっています。割と有名な話ですね。沖縄県の肥満率は全国3位らしいです。


都道府県別の肥満率を算出!肥満率1位は山形県!~みんなの「からだデータ」白書2018公開!【5:体重編】 | +healthcare | ドコモ・ヘルスケア

都道府県別に、全体に占める「肥満」(BMI値が25以上)のひとの割合を見てみると、山形県が最も高く42.9%のひとが「肥満」であることがわりました。2位は、福島県の42.2%、3位は沖縄県の42.1%でした。ちなみに全国平均は、35.2%で、3割以上のひとは「肥満」であることがわかりました。



厚生労働省の資料によると、山形県の平均寿命は男女ともに全国29位、福島県は男性が41位、女性が43位となってます(いずれも2015年)。

平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省
2 都道府県別にみた平均余命(PDF)

平均余命を見るとさらに深刻で、沖縄県の65歳男性の平均余命は全国6位、75歳男性が全国2位であるのに対し、40歳男性は38位、20歳男性は36位、0歳も36位と急速に悪化しています。そう、沖縄県はもう長寿県でも健康県でもないんですね。もしかしたら肥満は長生きに繋がるのかも知れませんが、肥満率が高い沖縄では県が「健康長寿課」を作って対策に乗り出すほどの深刻な問題になっています。



肥満気味な方におきましては、デブ専門誌の編集長の希望溢れる記事に胸をなで下ろしつつ、しかし増えすぎた脂肪は多くの病気の原因になり得るのだということを自覚して健康診断を受けたり人間ドックに入ったり、予防と早期発見に努めていただきたいと思います。あんな記事鵜呑みにしたらあかんよ。

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