居酒屋の方はとにかく求人に応募がない
ここ2年くらい常に正社員・バイト共に募集しているのですが、応募はほとんどありません。バイトの応募が年に5~6件(定着率は50%くらい)、正社員に至っては応募ほぼゼロ、新規採用ゼロです。アルバイトの時給の数字だけ見れば別に安いわけではないけれど、でも最低賃金の上昇で相対的に普通の時給になってしまい、だったら居酒屋しんどそうだし止めとこうみたいな感じでしょうか。大学生だったら料理長の賄いもらえるだけで十分助かると思うんだけど、まあねえ。理解は出来ます。しんどいよね、夜遅いのは。バイトは授業の空き時間にしたいってのは心情だろうと思うし、授業後にやるなら良い時給の方がいいよねえ。来年3月で3年ないしは4年働いてくれた、仕事が出来てシフトも入ってくれているアルバイトのほとんどが卒業になって、実質4ヶ月前の今、就職活動が始まる新4年生(および院2年生)を除くとアルバイトがほとんど残らない状態に。社員は以前いた社員が辞めてから補充されていないし、これもうどうすんだろうねえ。衛生面がクリア出来るなら猫の手も犬の手も借りたいわ。
通販の方はとにかく人が定着しない
応募自体はあります。バイトも正社員も。驚くことに新卒の応募もあります……が、こっちはこっちでなかなか定着しない。恐らく応募される人は、音楽業界という名前に惹かれて応募すると思うんですよ。メジャーとは言えないけれど根強く支持され続け最近少し盛り返しつつある「レコード」というメディアを扱う音楽業界が、どんなところなのか興味があると思うんです。でも実際はスゲー地味。音楽に関わるためには特別な知識と経験が必要なので、未経験でバイイングや制作などに配属されることはまずなく、大抵は通販部で梱包や発送などを行うことになります。通販業務は慣れてしまうと単純作業で確かにやり甲斐はないかもしれないし(そして単純な分給与も高くない)、お客様の問い合わせに対応するのに気を遣うということもあるかもしれないけど、とにかく簡単に辞めて簡単に補充されるという繰り返し。社長によると最近は割と定着してたそうだけど、んー、僕がいた頃もマネージャクラスの社員以外は割とあっさり辞めてた印象。
さらにWeb部門に関しては、長らく人手が足りなさすぎて、多分社長のやりたいことの1割も出来てない現状で、でも従業員30名程度の中小企業が内製でエンジニアを募集しても応募がないんですよね。優秀であればあるほどフリーでやった方が儲かると思うし、エンジニアのキャリアとして特に技術系の会社ではない会社に入社して開発するというのはなかなか現実的じゃないのかも。しかも京都だしね。東京ならいざ知らず。僕の同僚というか上司というかが入社するまでは、外注したりコンサルに任せたりして超迷走しまくって大変だったらしいです。今も大変だけど。
人手不足の倒産が増えてるらしいですよ
経緯の違いこそあれ、結果としてはどちらも人手不足で、常にスタッフを募集していてまあ大変。仕事があっても働いて形にして初めて利益になるわけで、手がなかったら仕事がないのと同じ。飲食店であれば、提供スピードやバリエーション、お客様に対するきめ細やかなサービスなどのクオリティを保てなくなるし、通販であれば発送スピードが遅くなったり誤出荷などミスが多くなるし、人手がいないことはその会社の競争力に直結していく……人材のクオリティ以前の問題として。後継者不足と人手不足での倒産が増えているらしいけど、わかるなあ。
【独自】人手不足倒産が過去最多ペース 月内にも前年水準超え(1/2ページ) – 産経ニュース
深刻な人手不足を背景にした国内の企業倒産が件数・負債総額ともに過去最多ペースで増加していることが14日、分かった。今年1~9月の合計は299件に上り、10月中にも平成29年の年間水準(317件)を上回りそうだ。従業員が確保できず事業継続が困難になったり、社員を引き留めるため賃金を無理に引き上げたことで収支が悪化したりしたケースが目立つ。
これからはバイト採るにも企業イメージのPRが必要なのかなあ
かつて居酒屋でフリーターしてたような人はみんなどこ行っちゃったんですかね?稼ぎたい人は大手チェーンに、経験を積みたい人はもっと独立志向があって意欲的な店にっていう単純なことなのかしら。それって要するに、同業者やこれからこの業界で生きていこうという人たちに対して、あまり魅力的に思われていないってことですよね。つまり負けてる。正直、料理の質は負けてないと思っているけど、そういう部分では確かにイメージを作れてない部分はあります。埋没しているというか。通販の方に応募が多いのは、この企業イメージのPRが上手く行っているからだと思います。ぶれることなくニッチな世界で20年生きてきた会社であり、個人商店ではなくきちんとビジネスとして成り立たせていて、しかもエンターテイメント業界に近いのに本社機能がいまだに京都にあるという希有な存在(もちろん東京にも営業などを行う事務所があります)。しかも奇抜な社長とかわかりやすいアイコンがあるわけではなく、会社自体に存在感があるって言うね。概要だけ見れば応募したくなりますよね。実態は地味だとしても。実際、同業他社からの移籍は多いし、そういう意味では成功しているんでしょう。
居酒屋の方もそういうイメージをもう少し作って行けたらいいんじゃないの、そしたら多店舗からのスタッフの受け皿になれるんじゃないかと思います。なんというか、わかる人にはわかってもらえる店舗では(お客さんはともかく)従業員が集まらない時代になってしまったんですよね。だからPRをしていかざるをえない、アルバイト情報サイトで見掛けて「あ、この店聞いたことある、募集してるんだ」みたいなことじゃないと応募が集まらない。お客さんだけでなくバイトだって取り合いですねえ。そういう世の中なんだろうな、と思います。
でも人手不足で、そのPRを考え実行する人がいないんですけどね。