「ランナーはナルシストでありストイック」(2)

runner ジョギング jogging
という話を友達からされて、心情的には理解出来るもののいまいち腑に落ちない部分があってなんとなく言葉にしてみる第2回目。


「ランナーはナルシストでありストイック」(1) | mutter

印象ではそう見えるだろうなとは思いつつ、ランナー自身の意識としてはそうではないんだよなあという部分。



ストイック。

ストイックだと思うのは、単純に「しんどそうに見えることをやる人はストイック」もしくは「ランナーと言えばテレビに出てるマラソンランナー」というイメージの話なんじゃないかなと思います。ストイックってなんだろう、辞書で引くと「禁欲的で、厳格に身を持するさま」とあります。禁欲的……見え方としてはそうなのかも知れないですね。敢えてやらなくていい苦しいことに挑んでいる的な。修行僧みたいな?

でも、慣れてる人にとって走ること自体は全然しんどくないんですよね。実力に合わせて「このペースならずっと走り続けていられるな」っていうペースがあるものなので。だからマラソンランナーみたいに骨身を削らなくても、走れるようにはなれます。信じられないかも知れないけど、週に1回走るのを半年くらい続けるだけでマラソンは完走出来るようになります。本当です。


なんだろうなー。走らない人にはわかりづらいかも知れないけど、別に頑張って走ってるわけじゃないんですよね。楽しいから、それが自分にとって気持ちの良い時間の使い方だから走ってるだけで、音楽聴いてるのと同じです。だから鴨川とかで日曜日に走ってる人、あれはストイックでは全然ないのですよね。走ったあとのビールを楽しみに走っているランナーはむしろ享楽的ですらあると思います。そう、走ることは快楽なのですよ。走らない人には伝わらないだろうけれど。

「ランナーはマゾ」っていうのも同じようなことかな。本当に楽しんで走ってたり、仕事のストレス発散目的で走ってる人はマゾではないと思うなあ。だってマゾってのは「肉体的精神的苦痛を与えられたり、羞恥心や屈辱感を誘導されることによって性的快感を得る」ということでしょう。そもそもその最初の「精神的苦痛」が存在しないから、「マゾ」は成立し得ない。


わかってくれと言うのは無理だとわかってる

ランナーとしてはこう思いますよ、ということを書いて来たのですけど、これだけ力説しても結局解ってもらえないだろうことは、僕もよくわかってます。そして特にわかってもらおうとは思ってないです。僕だけが気持ち良ければ良いので。僕にとっては、自分が描くプランやメニューに沿ってある程度の時間を走り、小さな目標を達成してゆっくり風呂につかる、それが今の至福の時間です。出来ればその積み重ねが大きな目標の達成に繋がれば嬉しいけれど、仮にそうじゃなくても日々は楽しい。最初は、ダイエットだったり体力作りだったりが目的で、そのために「頑張って」走っていたのだろうと思うけれど、今は走ること自体が走る目的です。多分、ランナーってみんなそんな感じだと思います。うん。