【読書感想文】小出義雄 / 30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法


先日の京都マラソン2018の結果を受けていくつか記事を読む内に、気になるタイトルの本を見つけたので早速購入。マラソンの監督として有名な小出義雄さんの本です。タイトルからしてまさしく僕の「課題」をそのまま表しているのですが、読んだ瞬間に一言。


あと1ヶ月早くこの本を知りたかった!



「走り込んだランナーであれば10kmくらいで体が軽く感じ、ペースを上げてしまいがち」
「前半で焦ってペースを上げると30km過ぎて脚が動かなくなって失速する」
「前半にタイム貯金を作ろうというのは陥りがちな罠」
「自己ベストを更新するには後半型の方が良い」
「ゆっくり入って徐々にペースを上げていき、30kmで最も速いペースになるのが理想」


おおう……完全に俺のことじゃん。まさに。

もしこれを読まずに次のマラソンに挑んだら、例え走力が上がっていたとしても、それに合わせたペースになるだけで今回と同じミスを繰り返したかも。単なる理論だけでは無く、プロ・アマチュア問わず多くのランナーを見てきた小出先生の言葉なのでとても説得力があります。実際、どうなるかを自分でも体験したし、本書にもアマチュアランナーの体験も書かれているのでそれも参考になります。もちろん本当に正しい or 自分に合ってるかは実践してみないとわかりませんけど、それはおいおい。



本書は、「マラソンで自己ベストを出すための基本的な考え方」「練習方法」「レース当日の考え方」「故障しないための考え方」という4つのテーマから成り立っていて、それぞれが整理され実例を交えながら初心者、中級者にもわかりやすく書かれています。

練習メニューは13週後にレースに出場することを目指したもので、サブ4向けですら決して楽なものではありませんが(週50~60kmくらいのレベル)、なぜそれが必要なのか、前の週とメニューが変わっている場合にはなぜ変わっているのかを、きちんと説明してくれているので、きちんと理解して取り組める内容になっています。監督として選手と接する場合にも、そういうコミュニケーションを大事にされてるんだろうなあ。命令してやらせるのは簡単だけど、取り組む側の理解の度合いで練習の成果って変わってきますよね。

お会いしたことはありませんが、読んでるだけでなぜだか小出先生に励まされている気がする。勇気が出てくる。やるかーっていう気になります。



というわけで、京都マラソンのリカバリー終わり次第始めても、3ヶ月後にはマラソンシーズンは終わっていて特に目標レースは無いんですが、それはそれとしてサブ4用練習メニューを始めてみようかなあと思っています。全体の内容をざっくり見た感じでは、ミズノのサブ4メニューも良く出来ていたんだなあと思うんですが(バリエーションに富んでいて飽きさせないのと、負荷のコントロールが上手)、少しスピード練習が重めで距離が足りなかったかなあと。おかげでスピードは付いたけれど、筋持久力はもう少し。そのところを、小出先生のメニューで補えれば。

あとは後半型ね。今まで割と平均させて走ってた10km、15kmも、最後の2kmを追い込むことで、心肺能力の向上が期待できるとともに、後半型の意識を持つようになれるとのこと。今年の京都マラソンの結果は、自分にとってはほんと痛い結果だったので、それを繰り返さないようにもう一度作り直すつもりで。

……といっても3月中旬までは、走力アップのためのトレーニングはお休みですけど。


最後に、ランナーの例として55歳でサブ3を達成された方の話が出てきました。まあその方は、仕事があるのに早朝に起きて2時間3時間走り込むような方なのでちょっと真似できそうにないですが、でも年齢重ねてもマラソンは走れるようになるんだという1つの目標にはなります。誰と争うわけでもなし自分1人で出来て、距離を踏んでいけば誰でも走れるようになる。そういう部分が割と僕にも合っているような気がするんですよね。怪我なく楽しんで長く走って行けたらなあと思っています。