「クレーム・ブリュレ」と「クレマ・カタラナ」の違い

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「クレーム・ブリュレ」はフランスの、「クレマ・カタラナ」はスペインのデザート。「クレマ・カタラナ」は「カタルニア風クレーム・ブリュレ」と表記することもあり、どちらも卵を使ったよく似たデザート……なんだけど、同じじゃない。以前いたスペインレストランで出していたのは「クレマ・カタラナ」だったけれど、今いるところで出しているのは「クレーム・ブリュレ」。仕上げが違うけどそれは多分シェフの方針の問題で、2つのデザートの根本的な違いでは無さそう……何が違うんだろう?よくわからなかったので調べてみる。




Wikipediaから引用してみると。

クレームブリュレ – Wikipedia

クレームブリュレ(フランス語:Crème brûlée)は、カスタードプディングと似たデザートである。フランス語で「焦がしたプディング」という名称のとおり、カスタードの上面には、砂糖をグリルやバーナーで焦がした、硬いカラメルの層が乗っている。通常はラメキンの皿に卵液を流し込んで調理し、固まったカスタードの上に砂糖をふりかけて焦がし、器のまま冷して供される。

クレームブリュレのカスタードはクリームと卵黄から作られるため、普通のカスタードプディングよりもねっとりと柔らかく、濃厚な味わいに仕上がる。通常はバニラ味であるが、チョコレートや酒、フルーツ等で味付けしたものもある。


クレマカタラーナ – Wikipedia

クレマカタラーナ(スペイン語:crema catalana)は、別名をクレマ・デ・サント・ジョゼプ(カタルーニャ語:Crema de Sant Josep)またはクレマ・クレマーダ(Crema cremada)ともいう、クレームブリュレによく似たカタルーニャ地方の洋菓子である。カスタードの上にパリパリしたカラメルがトッピングされている。通常、3月19日の聖ヨセフの日に食べられる。カスタードは卵黄と牛乳またはクリーム、小麦粉から作られ、砂糖、オレンジの皮、シナモンで味付けされている。食べる直前に冷やしたカスタードの上に砂糖をまぶし、バーナーで炙ることで、冷たく軟らかいカスタードの上に熱いパリパリしたカラメルの層ができる。バーナーが発明される以前は、サラマンドラという鉄製の火ごてをよく熱して砂糖の上にかざすことでカラメルを作っていた。

クレームブリュレの起源を主張する地域はたくさんあるが、カタルーニャ人も、クレマカタラーナはフランスのクレームブリュレの祖先であると主張する。2つの主な違いは、クレマカタラーナはクレームブリュレのように湯煎が行われないことである。また、クレームブリュレが主にクリームを使って作られるのに対し、クレマカタラーナはクリームと牛乳の両方を使って作られる。



まず、作り方が違うらしい。クレーム・ブリュレが湯煎するのに対しクレマ・カタラナは湯煎しない(湯煎って何だろう)。また材料も違って、クレーム・ブリュレはクリームだけ、クレマ・カタラナはクリームと牛乳を使う(後でレシピを上げていますが、この部分は間違ってるっぽい。クレーム・ブリュレも牛乳は使うし、クレマ・カタラナは生クリームを使わない方が多い)。シナモンやオレンジピールを使うのも違うのかな。



具体的に作り方を調べてみる

Googleで作り方を検索していくつかレシピをピックアップしてみました。

クレーム・ブリュレ

アメリのクレームブリュレ | レシピ | NHK「グレーテルのかまど」
パティシエ 柿沢安耶さん インタビュー[後編]★ディノス(dinos) HOT dinos(ほっとディノス)
材料4つ。正統派。クレーム・ブリュレ by pogue [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが172万品

クレマ・カタラナ

クレマ・カタラナ、バルセロナの代表的デザート! ドスガトス/ウェブリブログ
キタマチガーデン:簡単!スペイン菓子 “クレマカタラーナ”レシピ♪
スペイン★クレマ カタラナ by KT121 [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが172万品


クレマ・カタラナの上2件(プロの方のレシピ)は、僕は教わったのとだいたい同じでした。

僕が教わったクレマ・カタラナの作り方

  1. 牛乳1リットルにレモンの皮、シナモン、クローブを入れて火に掛ける
  2. 卵の黄身4個をかき混ぜ、コーンスターチ60gを加えてさらに混ぜる
  3. 牛乳が煮立ったら火を弱めてレモンの皮、シナモン、クローブを取り出す
  4. 牛乳に砂糖150グラムを加えてかき混ぜ、溶かす
  5. 牛乳に2を加えて粘りが出るまでかき混ぜる
  6. 粘りが出来たら火を止めて容器に移し、冷えるまで放置



違い:クレマ・カタラナは「焼かない」

クレーム・ブリュレの作り方を見ていて気が付いたというか思い出したけど、そうだ、クレマ・カタラナは焼いてない!

クレーム・ブリュレの作り方のポイントは「湯煎焼き」と呼ばれる焼き方で、天板にココットを並べてお湯を張り、オーブンに入れるというもの。蒸し焼きに近いのかな?ココットに入れる「中身」はかなり水っぽくて、焼いて固める感じ。

一方でクレマ・カタラナの方は、クレーム・ブリュレに比べるとカスタードのような粘りけのある「中身」で、そのまま冷やす。出すときはカスエラに入れて仕上げて出す。クレーム・ブリュレより「中身」が固まってる理由はコーンスターチを入れるから。そういう意味でクレーム・ブリュレとは根本的に違いますね。



作り方の違いから来る、仕上げの違い

仕上げはどちらも表面にカラメルを作るのだけど、クレーム・ブリュレは焼いてあるから砂糖が入りにくいのに対し、クレマ・カタラナの方は焼いてないのでゆっくりしてるとすぐに砂糖が中に入ってしまう。お店ではサラマンドラという器具を使っていたけど(現代ではバーナーでやるのが多いみたいだけど)、砂糖を振り掛けたらすぐに急いでカラメルにしないといけない、そうしないと甘くなりすぎると口を酸っぱくして言われました。クレーム・ブリュレの仕上げを見ていると、比較的慎重に砂糖を振り掛けゆっくりバーナーで焦がしていて、そうか感じてた違和感てそこだったかーとようやく気が付きました。そうだったのか。


違いがわかってすっきり。



ちなみに

レモンの皮やシナモンなどの材料の違いもあるけれど、色んなレシピを見た感じでは作り手の好みの範疇を出ていないかなあという印象。シナモンを入れて湯煎焼きすれば、シナモン風味のクレーム・ブリュレということになるだろうし。一般論として書けるほどの違いではないかなあと思います。