一眼レフカメラを持ち歩く生活に戻る – iPhoneとの使い分け

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iPhoneを持つようになって、一眼レフカメラを持つ時間が極端に減りました。それまでは僕の出勤時間=毎日の日課である撮影時間だったのですけれど、そんなことをすることも無くなってしまいました。だってiPhone便利なんだもん。いつでもすぐにそこそこの写真が撮れて、それがそのまますぐにTwitterやFacebookやInstagramやFlickrに投稿出来るんだから。



しかし旅行で一眼レフを持ち出して撮影してみると、やっぱりこれはこれでとっても良いのですね。一般的にiPhoneというのは「軽量で持ち運びやすくいつでも好きなときに素早く写真を撮影出来る」と言われることが多いです。先ほど自分で書いた表現でもあるのですが、この表現は半分正解で半分間違いです。正解なのは前半部分「軽量で持ち運びやすく」という部分。総重量1kgに迫り常に片手を占有するような一眼レフカメラと、重さ137gでポケットに入るiPhoneとでは勝負になりません。でも後半部分「いつでも好きなときに素早く写真を撮影出来る」の方はあんまり実感に近くないですね。


「さっき便利だって言ったじゃないですか」


いやそうなんですけどね、ここでいう「素早く」っていうのは、「あの写真撮りたい」っていう衝動から実際に画として対象物を捉え、撮影が完了するまでに掛かる時間の話です。iPhoneの場合、撮影対象の発見から撮影までには例えばこのような工程があり、

  1. 電源オン
  2. ロック画面からカメラを起動
  3. 対象物に対してカメラを構える
  4. ピント合わせ
  5. 撮影

どんなに急いでも衝動から撮影完了まで5秒から10秒程度掛かります。一方で一眼レフカメラの場合、電源を入れた状態でぶらぶら持ち歩きが基本なので、撮影の工程は次のようになり、

  1. 対象物に対してカメラを構える
  2. ピント合わせ
  3. 撮影

衝動から撮影完了までは1秒かかりません。


「電源入れっぱなしでぶらぶら持ち歩いてる一眼レフとiPhoneを比べるのはフェアじゃないんじゃないですか」


うーん、そうでもないんですよね。一眼レフのようにiPhoneを持ち歩かない理由は単純に電池が持たないからですよね。電源入れっぱなし、カメラアプリ起動しっぱなしで持ち歩いてたら何時間も持たないです。それにiPhoneというのは基本的にずっと持ったまま移動するようには出来ていないでしょう?アレは必要なときだけ取り出すものです。だからこの撮影スタイルはそれぞれのハードウェアの特性に基づくものであり、それを使った撮影の一部です。

先に述べたとおり、iPhoneには「撮影したものをその場で加工しWeb上で公開出来る」というこの上ないメリットがあるんですが、逆に言えばそれを必要としていない場面では写真撮影に関しては特にメリットがありません。料理の撮影とか友達との記念撮影とかの場合にはこの違いはあんまり気にならないのですが、街を歩いているとき、移動しながら撮影しているときにはこの違いはとっても大きいんです。

iPhoneの場合にはどうしてもぶれやすいので姿勢維持に気を遣いますし、ピント合わせ自体も一眼レフに比べれば時間が掛かります。ホワイトバランスもシビアだし。撮影衝動から撮影完了までの時間が長いというのは、継続的な撮影においてはとても大きな心理的ストレスになります。端的に言って、気持ち良くない。



だからまぁ思うこととして、いつでもiPhoneあるから大丈夫という考え方を改めて、荷物を持っていられるような場面ではもう少しカメラを持って出るようにしようかなぁと。毎日の出勤とか。徒歩15分くらいの出勤時間ですが、撮影することは見ること、探すことなので、やっぱり大事な時間なのですよね。「何かに気付く」という能力は毎日の街撮りの中で磨かれたものだと思っていますし。

そんなわけで、明日から一眼レフを持ってぶらぶらしようかなと思っているのでした。確かに重いけどね。それを上回るメリットはあると思います。うん。