【健康に関するメモ】第7回:「動物性脂肪」について

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健康に関して気になる情報について調べ可能な限り文献にも目を通した上でまとめます。始めからトンデモだと決めてかかるのでは無く、また正しいと決めるのでも無く、出来るだけフラットになるように心がけますが、なにぶんメモ書きであり内容の正しさを保証するものではありません。基本的にはWikipediaの情報を参考文献や他の検索結果を見つつメモし、考えるための資料を用意していく予定です。


第7回は「動物性脂肪」についてです。


目次

  1. 動物性脂肪とは
  2. 動物性脂肪の問題点
  3. 植物性脂肪の問題点
  4. 脂肪は摂取すべきではないのか




動物性脂肪とは

動物性脂肪 – Wikipedia

動物の体内に主に含まれている脂肪を動物性脂肪(英:Animal fat)という。

(中略)

動物性脂肪は飽和脂肪酸を多く含むので植物性脂肪と比較して一般に融点が高い。脂肪はエネルギーとして代謝された場合、炭水化物やタンパク質(ともに4kcal/g)よりも単位重量あたりの熱量が9kcal/gと大きく、脂肪は哺乳類をはじめとした動物の栄養の貯蔵庫として多く利用されている。



そのままですね。動物の体内に含まれている脂肪のこと。



動物性脂肪の問題点

次の点で健康に取って余り良くないと言われています。


動物性脂肪 – Wikipedia

栄養素の一つであるが、動物性脂肪を含む食品は体内のコレステロール値を上げる働きをするものが多く、高コレステロール血症に関係する。また、重量あたりのカロリーが高いため、多量摂取は肥満の原因となる。



ちなみに生物学的な分類で言うと魚は動物に該当しますが、魚の動物性脂肪は肉のそれに比べて不飽和脂肪酸が多いため、どちらかというと植物性脂肪に近い印象です。



植物性脂肪の問題点

動物性脂肪に比べて植物性脂肪は体に良いと言われていますが、脂肪には変わりないので以下のような共通の問題点は生じます。


植物性脂肪 – Wikipedia

栄養素の一つであるが、重量あたりのカロリーが高いため、多量摂取は肥満の原因となる。




脂肪は摂取すべきではないのか

動物性、植物性によらず摂り過ぎによるカロリーの問題は生じます。カロリー過多は肥満の原因と成り、ひいては生活習慣病はじめ様々な病気の原因になります。よって摂取のしすぎには注意が必要ですが、では摂取しなければ良いのかというとそれはそれで別の問題が生じます。

人間の代謝の中で必要となる脂肪酸で体内で生成出来ないものがいくつかあり、それらは外部から摂取しなければなりません。


必須脂肪酸 – Wikipedia

ヒトを含めた後生動物には自身の生理代謝過程に必須であっても、自身では合成できない脂肪酸の分子種がいくつもあることが多い。そのため、自身では合成できない脂肪酸を合成する他の生物を食物として摂取することで必要を満たしている。



ですので、カロリーに気をつけつつ上手くバランスを取って油を摂取するというのが正しいと思います。動物性脂肪にあって植物性脂肪にはない有効な栄養素みたいなのはあるのかな…よくわかりませんが、食肉を推進する団体のページには下記のような記述もありました。


動物性脂肪より植物性脂肪の方が健康にいい? – よくある質問 – 財団法人日本食肉消費総合センター

動物、植物、魚類由来の脂肪には、それぞれ異なった種類と量の脂肪酸が含まれているので、これらの食品をバランス良く食べる必要があるのです。動物性脂肪だからダメ、植物性脂肪だからいいというものではないのです。
健康を考えるなら、動物性、植物性を問題にするのではなく、SMP比が3:4:3になるような食事が理想です。幸いなことに現状の日本人の食事は、この比率で脂肪を摂取しています。
肉など動物性食品に含まれる飽和脂肪酸にも、ステアリン酸やオレイン酸のようにコレステロールを下げる脂肪酸があります。また、コレステロールが多いとされる鶏卵にもオレイン酸は多く組まれています。 最近、注目されるのが乳製品に含まれる共役リノール酸。乳脂肪中にわずかに含まれ、肥満予防や発ガン抑制効果、アレルギー軽減効果が期待されています。
魚脂のDHAは血栓を予防する生理活性物質の原料になり、EPAは視力を良くすると人気があります。
このように脂肪酸にはそれぞれ特徴があり、生体内で精妙に影響し合い働いていると考えられます。動物性脂肪、植物性脂肪とこだわらず、さまざまな食品からいろいろな脂肪酸を適度に摂るのが、健康的といえるでしょう。



SMP比というのは「飽和脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」の比率のこと。業界団体の言うことなので割り引いて読む必要はありますが、それぞれにそれぞれのメリット・デメリットがあるというのはその通りだと思います。



まとめ

脂肪として「動物性脂肪」と「植物性脂肪」とを比較した限りにおいては、飽和脂肪酸の比率が低いという点で植物性脂肪の方が体に良さそうです。飽和脂肪酸については下記のような報告もありました。


飽和脂肪酸の摂取量と冠動脈疾患死亡に関連――NIPPON DATA90より:日経メディカル オンライン

1990年に実施された循環器疾患基礎調査をベースとするNIPPON DATA90から、日本人男女における飽和・不飽和脂肪酸の摂取と冠動脈疾患死亡との関連が明らかになった。女性では、飽和脂肪酸(SFA)の摂取量の増加に伴い冠動脈疾患死亡のリスクが1.37~1.46倍に増加していた。8月27日からパリで開催されている欧州心臓学会(ESC2011)で、京都女子大学家政学部の中村保幸氏らが報告した。

(中略)

一方、不飽和脂肪酸(PUFA)については、男女ともに冠動脈疾患死亡との関連は見られなかった。



ただ食品として捉えたときに「動物性脂肪」を禁忌として良いのか?という点については疑問を覚えます。食事のことを考えた場合、肉や魚を食べること=「動物性脂肪」の摂取ではなく、それと一緒に含まれる様々な栄養素を摂取することになるからです。例えばタンパク質にしても動物性と植物性とでは利用率が異なります。


動物性蛋白質・植物性蛋白質の効果・役割・不足 [栄養管理] All About

動物性のたんぱく質は、植物性たんぱく質と比較して体内で利用しやすく、牛乳、肉、卵などから摂取するたんぱく質の90~99%が使われます。動物性たんぱく質を摂取すると必要なたんぱく質量を満たしやすくなります。十分なたんぱく質の摂取は、内臓や爪、髪の毛などの健康に役立つだけでなく、免疫力を上げたり、体のむくみを防いだりします。

(中略)

植物性のたんぱく質は、動物性たんぱく質と比較して体内での利用率がやや劣り、食べた植物性たんぱく質の70~90%が使われます。これは植物細胞壁や繊維質などによるもので、酵素などへの抵抗があるためです。生で食べる場合も体内での利用率が下がります。



もちろん、飽和脂肪酸による健康リスクがあることは先に述べた通りです。そのリスクを上手くコントロールしバランス良く食事をすることによって、効率的に栄養素を取ることが健康にとって最も良いことではないかと感じました。