それは、
「検索結果から商品を開くとき、商品詳細ページを別ウィンドウで開く」
です。
個人的に、かなりびっくりしました。
Webデザインかじったことがある人なら全員知っていると思いますが、
あるリンクをクリックして別ウィンドウを開かせるという行為(aタグにtarget=”_blank”を追加すると言うこと)は、
アクセシビリティ的に見て「してはいけないこと」です。
アクセシビリティを考慮してデザインする場合、考えるべきことは、ユーザーに選択肢を与えること。
リンクに関して言えば、通常のリンクであれば、
- 同じウィンドウで開きたい人 → そのままクリックする
- 別ウィンドウで開きたい人 → Ctrlを押しながらクリックする
と、それぞれ手段を提供することが出来ますが、別ウィンドウで開くのをデフォルトにすると、
- 同じウィンドウで開きたい人 → ×(手段無し)
- 別ウィンドウで開きたい人 → そのままクリックする
ということになります。
というわけで、普通はあんまり積極的にやる方策ではなく、やったとしても、
- 内部サイト向けは同じウィンドウで表示する
- 外部サイト向けは別ウィンドウで表示する
程度なんですが、Amazonはそれを今回否定してきた。
よくよく考えると、確かにタブブラウザがここまで普及した現在、PCのメモリも格段に上がっているし、
ユーザーが新しくタブを開くための敷居って限りなく下がっていると思うんですよね。
アクセシビリティ的に正しくないのは変わらないけれども、
「どうしても同じウィンドウで開きたい」という人が減っていれば悪影響はないという。。。
なるほどなぁと思いました。
で、僕は書きたいことは、
- リンクの挙動に関するAmazonのポリシーが変わった
…ということではないんですね。
そうではなくて、
- 多分Amazonはアクセシビリティに対するポリシーも統計で決めている
ということです。
何を根拠にそういうことを言っているかというと、この「別ウィンドウで開く」というポリシーが、
サイト内で全然統一されていないからです。
確かに、検索結果では商品詳細ページが別ウィンドウで開きますが、
例えば…オススメのページでは同じウィンドウで開きます。
検索結果のページを保持する目的での別ウィンドウで開くであれば、
同様の目的が想定できるページでは同様のポリシーが適用されるべきですよね。
それがされてない。なぜか?
多分、そのページを利用するユーザは、あんまり元のページに戻ろうとしなかったんではと想像します。
統計結果を見て、改善見込みのある場所を特定して、そこに改善を加えたと。
もし評判が良ければ、統計の閾値を下げて適用範囲を広げるかも知れませんが、
とりあえずそう言うことなんだろうなぁと理解しました。
結論的なもの
Amazonの今回の変更から学ぶべきことは、「別ウィンドウで開くを大丈夫と思っても良い」だけではなくて、もっとアクセス状況を解析して挙動を決めるべき、という話かな。
いや違うか、
ポリシーの明確な基準でも統計がそれを覆すことはあり得る、かな。
Webデザイナーとして(ないしはWebを統括する人間として)簡単に変えられる基準ではないけれど、
考える余地はあるかなと思いました。