人が「強い」というと、争いに常に勝つとか、態度が攻撃的であるとか、弱気なことを言わないとか、
そういうことを指すことが多いのだけど、あっさり「強いね」もしくは「弱いね」と言ってしまったあと、
その人が本当に強いか(弱いか)はわからないよなーとたまに思う。
例えば、過剰に人を攻撃する人。
人に対して思ったことをガンガン言って、我を通していくような人を「強い」と感じることは多いけれど、
人ってのは面白いもので、自分が弱いという自覚があればあるほど、過剰な攻撃に出たりするわけで、
ヒステリックな反論を繰り返すような人は、それをしていないと自分を支えていられないと言う面もあったり。
弱い犬ほどよく吠える、というやつ。
一方で、すぐ泣く人。女の子とか。
人の主張に対してすぐ泣いて弱気なことを言ったり、押し切られてしまう人は「弱い」と感じるけれど、
泣くことで相手の譲歩も引き出して最悪の事態を防いでいたり、
一旦押し切られたように見せつつ後で上手く帳尻を合わせたりということも。
「見た目強そうな(弱そうな)人は実は弱い(強い)」という単純な話ではなくて、
見た目通り強い(弱い)人もいるし、ヒステリックな反論を繰り返すことで
最終的に有利な条件を勝ち取る人はやっぱり強いんだろうし。
どこを「最終的な結論」とみなすかによって、勝ちか負けかは変わるのだよね。
自分自身のことを考えれば、僕はだいぶ弱い人間。
思ったことをずばずば言うし主張していくタイプだけど、議論や揉め事が好きというわけではなく。
反論に対する耐性も低いし、すぐ凹むし、回復も遅い。一見強そうに見えるんだけど、全然そんなこと無い。
それに比べて僕の妹は、僕よりもずっと強い人間。
小さくて弱そうに見えるし、すぐ泣くし、キャンキャン吠えるし、弱音を吐くんだけれども、
なんというかな、「泣いてからが強い」。
精神的に落ち込むことがあって本当に負けてしまう場面があったとしても、
そのまま負けてしまうことは滅多になくて、最終的には必ずやり返す。
馬鹿にしてた周囲も認めざるを得なくなる。
凄いなぁといつも思っているのだけど、まぁでも、僕には出来ない芸当なのよねぇ。
どんな不利な状況でも自分の勝利を信じて突き進むというヤツがなかなか出来ない。
それはもう配置のバランスというヤツで、前線より兵站の整備とかに向いてるんだろうなと思うけど、
ただまぁ、自分が勝つまで「最後」を作らないというのは、大事なことかも知れないよね、とは思う。
世の中「勝利条件」が曖昧なシチュエーションって凄くいっぱいあるからさ…
そこんとこをしっかり持つだけでもやることは変わってくるんだろうなと。
勝利条件がはっきりしていれば、今この瞬間の「勝ってる」とか「負けてる」とかもはっきりするし、
自分が勝つまで粘り強く行けば必ず満足できる結論を得られるんじゃないか。
その、勝利条件をどれだけ強く意識して努力していけるかが、強さの秘訣なのかも知れないなぁ。