ニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落した。欧州の銀行の資金調達懸念が圧迫材料となり、対スイスフランで最安値をつけたほか、対円で8年半ぶり安値をつけた。弱い経済指標を受け世界経済の回復をめぐる不透明感が高まり、ドルと円が買われた。
一般的には、対ドル円高以外は余りニュースになりませんけれども、昔に比べると相場はいろいろと大きく動いていてなかなか感慨深いというかなんというかです。
通過ごとに最近の値動きをまとめてみるとこんな感じ。
(グラフはStooq.comより)
ユーロ/円
EURJPY (+0.95%) – Stooqここ1年での値動きが最も印象的だったのはやっぱりユーロ。
ユーロ/円最近1年間の値動き
最近1年間の値動きを見てみると、最大で1ユーロ138.70円、最小で107.32円(6/29)。
実に20%近くも下落しています。ユーロが流通し始めた2002年1月1日(為替相場の起点もこれで良いのかな?)からのグラフを見ると、まだまだユーロは強く元には戻っていない状況ではありますが、この先どうなるかはわかりませんねぇ…
ユーロ/円最近10年間の値動き
ポンド/円
GBPJPY (-0.06%) – Stooq次はユーロから独立しているとはいえユーロからの影響を非常に強く受けている英ポンド。
ポンド/円最近1年間の値動き
業務上の関わりも非常に大きいので、かなり注目していますが、ユーロほどは大きく動いていません。最大/最小の数字で言うと最大が163.05円、最小が126.74円で15%以上の下落なのですが、グラフで見ると断続的な上下を繰り返していてそれほど急激に下落している印象はありません。
ただポンドの場合、もともとの値が大きいので数字的な影響は大きいです。
ポンド/円最近10年間の値動き
10年間での最大最小を取ると、約半分に下落してるんですよね。
そしてリーマンショックの影響でかすぎ。
この辺がユーロ諸国とイギリスの、アメリカとの距離の違いって感じでしょうか。
ドル/円
USDJPY (+0.19%) – Stooqもちろん、日本にとって最も影響がでかいドルも重要です。
ドル/円最近1年間の値動き
一昔前は、100円を切ったら大騒動でしたが、今やすっかり80円台後半~90円台が板に付いてきてしまいました。ここ1年で見ても最大は97.780円で、100円を切っています。変化率は8%程度の下落と他に比べてそれほど大きくなく、まだ安定しているかと。
もちろん、10年単位で見ると印象は変わりますが。
ドル/円最近10年間の値動き
リーマンショックの影響は大きいですね…1ドル120円とか言ってた頃が懐かしいです。
ただまぁ「100円を切ると産業が崩壊する」とか言われてた頃に比べると、今の相場は全然円高なんですが産業が素人目にはそれほど破壊されたようには見えません。この15年ほどで日本の各企業も努力し対策してきたと言うことなんでしょうかね?
もちろん、限度ってもんはあるんでしょうけれども…
ドル/元
USDCNY (-0.16%) – Stooq最後に、今最も重要と言って良いであろう通貨、中国元です。
ドル/元最近1年間の値動き
中国元はこれまで中国政府の管理下にあり、変動為替相場ではありませんでしたが、先日ドルペッグを解除して弾力的に運用するという発表が行われた結果、値が動くようになりました。正直に言うと、仕組みがどうなってたのがどうなったのかいまいちよく解ってないんですけども、とりあえず今までの管理幅をもう少し広げて運用していこうと言うことなんでしょうかね?変動為替相場にして一気に元高が進むのは避けたいが、切り上げ圧力も何とか誤魔化したいっていう苦肉の策でしょうか。
ともかく、元の値が動くようになったのはある程度のトピックスで、19日の発表以来の値動きはこんな感じです。
ドル/元最近1ヶ月間の値動き
おお、動いてる!と思って右の数字を確認してがっかり、結局元に対してドルが0.6%ほど下落しただけですね。誤差じゃん。中国はこの為替格差を利用して大量に外貨を稼いでいるわけですが、やはりいずれは日本のように補正が入るときが来るんでしょうかね?今後の国際的な綱引きに注目です。
そういうわけで、主要通貨の最近の動きをざっくり見てきましたが、超高いのが元、高いのが円、ほどほどがドル、安いのがポンド、超安いのがユーロでしょうか。ユーロは今後も拡大が予定されていて、新しく編入する国は経済的にあまり強くないところが多いので、ちょっとどうなるのか僕にはよく解りません。
ただ1つ解ってるのは、相場はホントにコロコロ変わるので油断できないってことでしょうか。調子に乗って「円高還元!」とかやって翌月反発でもされた日にゃお金が回らなくなりますもんね…なかなかシビアな世界です。はい。