【読書感想文】 渡辺 仁 / セブンイレブンの罠



昨年の独占禁止法以来話題になっていた本書をようやく読みました。


書いてある内容は非常に『凄惨』と言わざるを得ない内容で、身震いするものだったのだけれど、感想を、と聞かれたら、んー…「よくわからない」としか言えない。かも。本書が嘘だとか誇張だとか言うつもりは全然無いのだけれども、完全に信頼できるかどうかは僕にはよく解らない。信じたい気持ちは山々なのだけども、これだけセブンイレブンの店舗が街に溢れ、裁判でもロスチャージの件が支持されている状況(ロスチャージの件ではセブンイレブン本部が勝訴している。原資料提示では仕入れ価格の報告を命じられている)では、なんとも言えない感じがする。せめてどれかで本部の敗訴が確定していればまた違っているのだけど…

ロスチャージの件

最高裁判例 | 平成17(受)957 | 不当利得返還請求事件
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ契約に加盟店は運営者に対し加盟店経営に関する対価として売上高から売上商品原価を控除した金額に一定の率を乗じた額を支払う旨の条項がある場合において消費期限間近などの理由により廃棄された商品の原価等は売上高から控除されないとされた事例
→ その後差し戻された高裁で最高裁を支持した判決が出、上告断念で確定。ただし、契約書にロスチャージを明記するよう補足意見が付く。

原資料提示の件

最高裁判例 | 平成19(受)1401 | 書類引渡等,請求書引渡等請求事件
コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンの運営者が,加盟店に代わって支払った商品仕入代金の具体的な支払内容について,加盟店に報告すべき義務を負うとされた事例


あと、疑問なのは他のコンビニチェーンはどうなんだろう?とか。ローソンでバイトしてたことはあるけど、所詮バイトだからその辺の話は全く分からないし疑問に思ったこともないな。商品の仕入れをバイトが適当にやってたけど、あんなんで店回るとかどういうことなの、っていうくらいか。

でも多分…似たようなもんなんだろうなぁ。僕がいつも行くローソンのオーナーのご夫婦も、それぞれ深夜も働いてたりして凄く大変そう。特段金持ちそうにも見えないけど、自宅兼の建物だし、チワワを5匹くらい飼ってたりして悲壮感も別にない。犬を散歩させてるときのご主人は随分楽しそうだしなぁ。うーん。




1つだけ強く決意したこと

そういうわけで、この本1つを証拠として論を組み立てることはしません。出来れば、本書で語られているセブンイレブンの仕組みが全て明らかにされてるのを望んではいますが、全体としてはよくわからないので。

ただ、論を組み立てることはしませんが、1つだけ心に決めました。



「コンビニを始める」と両親、妹夫妻、親族、友人が言い出したら全力で反対する



いやもう絶対に。

大手コンビニチェーンに勤めて頑張ってる親しい友人がいて、その彼には本当に凄く申し訳ないんだけれども、近しい人間にリスクを負わせることは出来ないので。