カジノ合法化法案の成立を目指し14日に発足する超党派の「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」は13日、警察の裁量で換金が事実上認められているパチンコについてもカジノ法案と同じ仕組みで立法化していく方針も固めた。カジノを合法化すれば「パチンコは賭博ではないのか」との議論が起こりそうなため、パチンコによる換金も行政の監視下で合法化させるのが目的だ。
カジノ法案では、カジノについて、国や地方公共団体が運営を厳格に管理、監督することを定めることで、刑法が禁じる賭博の「例外」扱いにする。民主党の案では、地方公共団体の申請を受けた国がカジノエンターテインメント(特定複合観光施設)区域を指定。地方公共団体は、運営する民間事業者を公募・選定し、警察と協力して違法行為の摘発、監視も行う。
一方、パチンコは現在、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)」で「遊技場」と位置づけられ、獲得賞球は、日用品などに交換することになっている。しかし、金地金などの特殊景品に交換し、外部の景品交換所で現金化されることが多い。現金化は「事実上の賭博」にあたるものの、警察が裁量で「黙認」しているのが実態だ。
パチンコ業界は客離れの加速とともに、ギャンブル性の高い遊技機の導入が増え、「庶民の娯楽からかけ離れつつある」との指摘もある。これを踏まえ、議連はパチンコも国や地方公共団体が管理、監督し、「健全な庶民の娯楽の場」として再生を図りたい考えだ。
個人的には「パチンコは賭博であり、法律の下でギャンブルとして認定した上で許可を受けた業者のみが許可された地域で行うものにすべき」と考えていたのだけど、そうか、換金だけがパチンコじゃないんだよね。
パチンコの景品交換には「一般景品」と「特殊景品」という種類がある、と。
パチンコ#景品交換 – Wikipedia
このうち「一般景品」の交換は、「玉→日用雑貨」の交換で、スタイルとしてはポイントサービスなんかと同じ。何かゲーム(店員とじゃんけんとか)を行ってポイントを獲得するようなシステムはあるけど、それと仕組みとしては同じなんだね。だったらそれは賭博じゃないな…
玉から「特殊景品」に交換する方は、実質的に「玉→現金」の交換であって換金であり、それは明らかに賭博なんだけど、建前上は「一般景品」への交換が主で「特殊景品」はオプションであり、そっから先はパチンコ屋の業務じゃないとなっているわけでその辺が黙認(せざるをえない?)ということなのか。
なるほど、社会の仕組みには理由があるもんだなぁ。
で、冒頭のニュースに戻ると。
「一般景品」というスタイルがある以上パチンコ全体を「賭博である」とするのには少々無理があるけれども、だからといって野放しで良いというわけではなく(「古物商」の許可申請があるから野放しではないけど、50,000円くらいで代行して貰える程度のことらしい)、賭博部分をパチンコから切り離して考えるということなのかなと。なるほどね。
なるほどだけど、それでもやっぱり個人的には曖昧に感じるなー。
出来るかどうかはともかくだけど、やっぱり「パチンコは賭博」とすべきだと思うんだ。そのために「一般景品」と「特殊景品」の関係を反対にして、むしろ「パチンコでの出玉は換金する」ことをパチンコ屋の業務とし景品を用意する義務をパチンコ屋から外したらいいんじゃないだろうか。カジノのチップ交換と同じように玉と現金を等価に交換するとか、システムを大幅に変えることになるから儲けの構造も変わっちゃうだろうし影響する人が多すぎて実現できるとは思わないけど、でも、わかりやすい筋の通った形ってのはそういうこと何じゃないのかなーと思うんだけどね。
やっぱりパチンコ業界のロビー活動は今も強力なのかなぁ。