財政赤字の話。

気付いたらユーロが122円になっていて、どういうことなの?と思ってグラフ見たら、どうやら2月に入って随分と円高が進んだみたい。

EURJPY (+0.07%) – Stooq

ポンドも大体同じ。

GBPJPY (-0.10%) – Stooq

ギリシャの家計が火の車

ああそういえばなんかギリシャがどうとかやってたなーと思って調べたら、ちょうどこんな記事があった。

さて、ギリシャは慢性的な財政赤字を抱え、欧州委員会の発表によればその額は2710億ユーロ、国内総生産(GDP)比で12%を超えている。

(中略)

実は、巨額の財政赤字はギリシャだけの問題でなく、イタリア(1兆7570億ユーロ)、スペイン(5690億ユーロ)、ポルトガル(1260億ユーロ)、アイルランド(1080億ユーロ)も危険な水準にある。
 

なるほど、財政赤字なのね。
てかイタリアwww



財政赤字って何?

ところで財政赤字ってなんなんだ?と思ったけど経済学の素養が全くないわたくしにはさっぱり解らないのでどの辺がどうやばいのかちょっと調べてみたが、やっぱりよくわからない。
多分、こういうことなのかな?

財政赤字とは … 歳出が歳入を上回っている状態

「財政赤字」っていう用語は通年で使われる場合と単年で使われる場合とがあってそれが正しいのか間違ってるのかよく解らないけど、仮に単年で考えた場合にはそういうことだろうと。予算で歳入が足りませんというわけにはいかないので、その分は当然国債を発行して補うことになるので、実質的には国債の発行額がその年の財政赤字と言うことになるんでしょう。もし通年で考えるとなると…難しいけど、そういう場合は債務残高を指していることが多いみたい。

さっきの記事を読んでイタリアの悲惨な状態を笑ったけど、でも通年の財政赤字「額」が世界で最も大きいのは言わずもがな日本でありまして、今現在大体1,100兆円くらいのようです。比較のため前述の今日のユーロで計算すると大体9兆ユーロ。イタリアの6倍弱。危険っていうレベルじゃねーぞw

まぁこの数字が本当に危険なのか、そうでないかについては、冷静な分析、短絡的な煽り、ポジショントークなどが相まって誰が本当のことを言ってるのかよく解らないので言及は避けたいと思います。減らしていった方が良いよね、とはみんな思ってると思うんですけど。

一応スタンスの参考として、検索上位に出てきたこの辺を上げておきます。

RIETI – 財政悪化、なぜ問題か
大和総研ホールディングス /コラム:財政赤字の真実



GDP比率

次に考えたいのはGDPに対する比率。国によって経済規模が違うわけだし、額だけで比較してもあんまり上手く実感が掴めない。

前述のギリシャに関する記事の中でも、「国内総生産(GDP)比で12%を超えている」「財政赤字を13年までに欧州連合の基準3%以内に圧縮する」といった数字が出てきてるのだけど、もしこの財政赤字を通年で考えたら、3%とかいうレベルじゃねーぞ的な話なので、これはきっと単年の話なのだろうね?大体通例として、その年の財政赤字が名目GDPに占める割合のことを「財政赤字のGDP比率」と呼ぶみたい。

財政赤字のGDP比 = 財政赤字額 / 名目GDP

なるほど。

各国が具体的にどの程度の比率なのかだけど、時期的なものもあってか色々と数字が。

スペイン政府は3日、2010年の財政赤字が国内総生産(GDP)比9.8%になるとの見通しを示した。
 

ポルトガル政府は今月末までにEUに対し2010─13年の財政赤字削減策を提出する必要がある。草案によると、財政赤字の対GDP比率を13年には2.8%と、欧州連合(EU)が安定・成長協定で上限と定める3%以下に引き下げる。10年は8.3%の見通し。
 

中国の全国人民代表大会(全人代)が5日に開幕し、中国財政省は2010年の同国の財政赤字が国内総生産(GDP)比で2.8%になるとの見通しを示した。
 

09年度の累計赤字額は、09年12月末時点で1181億ポンドに上っていたが、黒字が見込まれた10年1月まで赤字に転落したため、市場では、09年度末の財政赤字の国内総生産(GDP)比率が、政府予想の12・6%を上回ると予測。
 

米議会予算局(CBO)は26日、2010会計年度(09年10月~10年9月)の財政見通しを発表した。景気低迷に伴う税収の伸び悩みや、景気対策の継続などで財政赤字は1兆3490億ドル(約121兆円)になると予想した。赤字額は前年度に比べ4.6%縮小するものの、高水準で推移する。国内総生産(GDP)比では9.2%に相当するという。
 



日本のGDP比率については、

政府が閣議了解した2010年度の政府経済見通しで、名目GDPは前年度比+0.4%程度とされた。2009年度の実績見込みが同▲4.3%。2008年度の名目GDPは494兆1987億円と発表されており、2010年度の名目GDPは、政府の見通しで475.2兆円程度となっている。2010年度の国債(新規財源債)発行額は44兆3030億円で、国債発行額(財政赤字)のGDP比は9.3%という計算になる。
 

という感じ。


統計資料じゃなくて全部検索結果なので適当な数字だけど、一応まとめると、

国名GDP比率
ギリシャ(2009)12.7%
イギリス(2009)12.6%
スペイン(2010)9.8%
日本(2010)9.3%
アメリカ(2010)9.2%
ギリシャ(2010)9.1%
ポルトガル(2010)8.3%
中国(2010)2.8%

2009年度末の実績と2010年度の見通しとで資料がバラバラだけど、ここではそういう資料を必要とはしていないので全部並べて書いておきました。

とりあえず言いたいことは「景気のせいかもしれないけど日本のレベルは突出してでかく見えないね」という感じですかね?もちろん、累計債務のことを考えると「同じでどうすんの」と思わなくもないですし、EUの基準が3%だって聞いちゃうと単にダメな国だけをあげただけなような気もしますが、フランスも5%越えてるみたいだし、しかたないかなとも。

3月3日(ブルームバーグ):フランスのフィヨン首相は3日、2009年の仏財政赤字が対国内総生産(GDP)比で5%を超えるとの見通しを示した。リセッション(景気後退)に伴う税収の落ち込みや財政支出の増加がその理由としている。

フィヨン首相は仏ラジオ局ヨーロッパ1に対し、同国の財政支出がさらに300億ユーロ(約3兆7000億円)増え、財政赤字は1000億ユーロ超に拡大すると述べた。また同首相は「09年は年間を通じて危機が続くだろう」と語った。
 

そもそも財政ってのは赤字で回していくものみたいです。多分ですが。
国債の償還と発行が乖離しすぎずに、累計がある程度のレベルで推移していれば健全なんだろうというイメージ。



問題は日本の2010年度予算が「景気のために一時的にふくらんだ」のか「今後もこのレベルが変わらず続く」のかっていう話で…。もし後者なのなら、数年後に経済が改善して財政赤字が減った諸国と「もう無理」的な日本みたいなことになると思うんですが。なんとかしてもらうしかないんですけどね。。個人の経済活動以上にやれることってないもんねぇ。歯がゆいけど。



とりあえずこの財務省の資料を見る限りでは、

4.財政事情の国際比較:財務省

先進各国で一番硬い経済運営をしてきたのはカナダのように見えるので、なんかその辺学んだら良いんじゃないかと思ったりするんだけど、それぞれ国の事情もあるし、カナダがどれくらいの規模なのか、アメリカにどれくらい依存してるのかはよくしらんのでそういう単純な話でもなかったりするんだろうなぁ。