気象情報会社「ウェザーニューズ」が独自に台風18号の上陸地点を発表したとして、気象庁が気象業務法に基づき2009年10月9日に同社を注意していたことが、16日分かった。
同庁では、台風情報は、混乱を防ぐために一元化しなければならないとしている。これに対し、ウェザーニューズ社は、ニーズに応えようと早く発信したと説明している。
ぼんやり疑問に思うことは、
- 気象業務法ってなに?
- 「気象業務法に基づき」って具体的にはどういうこと?
- 「ニーズに応えようと早く発信した」って説明になってなくね?
というあたり。久々にちょっと法律見てみる。
気象業務法ってなに?
気象などの自然現象の観測や予報、警報などに関する業務について定めた法律。気象業務法はここで読める。
気象業務法
又これに基づき以下の省令が定められている。
気象業務法施行規則
「気象業務法に基づき」って具体的にはどういうこと?
「同庁では、台風情報は、混乱を防ぐために一元化しなければならないとしている」と書いてあるからてっきり具体的な記述があるのかと思ったら、別になかった。ただ、以下のような条文を発見できた。(警報の制限)
第二十三条
気象庁以外の者は、気象、地震動、火山現象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしてはならない。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。
どこからが予報でどこからが警報なのか…という判断は難しいんじゃないかなぁと思ったけど、定義ではこんな感じになってる。
(定義)
第二条
6. この法律において「予報」とは、観測の成果に基く現象の予想の発表をいう。
7. この法律において「警報」とは、重大な災害の起るおそれのある旨を警告して行う予報をいう。
つまり…未来の気象状況に対する“予想”は業務として認められているけれども、“警告”を行うような業務はダメっていう話なわけだ。で、台風それも強力な奴の進路や状況の発表は該当地域で「重大な災害の起るおそれのある旨」に当たるからその予想は、警報にあたるってことなんだなぁ。
や、正直に言ってどこもかしこも自由に警報出すようになられちゃ混乱するだけだから、気象庁一括で良いとは思うんだけども、「重大な災害の起るおそれのある」ってところを誰が判断すんのよ、っていう気もしなくもない。台風は全部うち独占するし、とか言ってるなら別なんだけど。
「ニーズに応えようと早く発信した」って説明になってなくね?
問題は「警報に当たるか否か」「それによって国民にいたずらに混乱を及ぼすことにならないかどうか」といった辺りにあると思うんだけど、ニーズってwそれ完璧ビジネス論理、簡単に言えば金の話でしょ?んでやんわり「気象庁が遅いからだろ」って言ってるけど、確かにウェザーニューズよりは遅いかもしれんけど、既に進路が発表されてて、近づいてるところでは窓の外見りゃやばさ分かるような時に一刻を争って上陸地点を報じるのってなんか意味あんの?酒井法子の保釈と似たようなもんじゃん。「上陸しました!」って言いたいだけちゃうんかと。老舗の気象会社がやるようなことじゃないなぁ。それともなんか商売苦しいのかしら。スクープを一刻も早く伝えないとライバルにけ落とされる!みたいな、写真週刊誌レベルの争いとか。知らんけど。
まぁそんなわけで法律的にはこんな感じらしいです。
気になっただけで特に言いたいことはないのだけど、とりあえず気象庁は「重大な災害の起るおそれ」を感じたら、その都度発表して伝達を気象庁に集約するみたいなことにするのがわかりやすくて良いんじゃないかな!その方が、過酷な業界全体に対してフェアだと思うしね。