少し資料を揃えてみた。
最初に結論を書いておくと、別に変わってるようには見えないな。
いやー体感ではもう少し差があるように思えたんだけどなぁ(苦笑)
以下、資料。
オリンピック各大会の予選のうち、決勝トーナメントに進んだ上位4チームの対戦成績から、
得失点を抜き出してみた。
■ 参考
野球日本代表チーム激闘の歴史 ?2008年?|全日本野球会議(野球日本代表)オフィシャルサイト
まず、プロ参加前の2大会(アトランタ、バルセロナ)。
1992(バルセロナ)
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | キューバ | 25 | 9 |
2 | 日本 | 9 | 11 |
3 | 台湾 | 12 | 18 |
4 | アメリカ | 17 | 25 |
1996(アトランタ)
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | キューバ | 26 | 22 |
2 | アメリカ | 17 | 16 |
3 | 日本 | 25 | 29 |
4 | ニカラグア | 14 | 25 |
この2大会の成績からわかることは、
失点が少ないチームが良い成績を収めているとは限らない、ということ。
全試合の平均失点は6.46にまでなる。
これは立派な打撃戦で、点は取らなくても失点を減らせば勝てる…ではなさそう。
特にアトランタでは相手投手を打ち崩した方が勝つという図式が顕著。
(例 → キューバの3試合: ○10?8 ○8?7 ○8?7)
次に2000年以降の2大会(シドニー、アテネ)。
2000(シドニー)
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | キューバ | 18 | 8 |
2 | アメリカ | 9 | 8 |
3 | 韓国 | 12 | 16 |
4 | 日本 | 10 | 17 |
2004(アテネ)
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | 日本 | 19 | 13 |
2 | キューバ | 12 | 9 |
3 | カナダ | 14 | 14 |
4 | オーストラリア | 10 | 19 |
ここではそれ以前に比べて目に見えて失点が減り、同時に得点も減っている。
この辺りで各チームのチーム作りが守備的にシフトしているように見える。
平均失点は4.33で、1試合あたりの失点(または得点)が2点以上下がっている。
そして今回…なのだけど、その前に重要な大会が。
2006年のWBC。
季節は春だしレギュレーションが特殊なので同じようには比べられないけれども、
2次予選の成績を出してみるとこんな感じ。
2006(WBC)- round2: pool1
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | 韓国 | 11 | 5 |
2 | 日本 | 10 | 7 |
3 | アメリカ | 8 | 12 |
4 | メキシコ | 4 | 9 |
2006(WBC)- round2: pool2
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | ドミニカ共和国 | 10 | 11 |
2 | キューバ | 14 | 13 |
3 | ベネズエラ | 9 | 9 |
4 | プエルトリコ | 10 | 11 |
2006 World Baseball Classic – Pool 1 – Wikipedia, the free encyclopedia
2006 World Baseball Classic – Pool 2 – Wikipedia, the free encyclopedia
WBCではやはり、失点の少なさが特に目を引く。
平均失点はなんと3.21。
今シーズンぶっちぎりの阪神タイガースでさえチーム防御率3.13だから、
相当の打低投高だと言える。
で、今回の予選結果はこんな感じ。
2008(北京)
順位 | 国名 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|
1 | 韓国 | 20 | 14 |
2 | キューバ | 13 | 13 |
3 | アメリカ | 15 | 15 |
4 | 日本 | 7 | 13 |
平均失点は4.58。
プロ参加以前ほどではないけれども、
近年で言えばかなり失点が多い方ではと言う気がする。
以上のデータをまとめつつ、よく言われていることを印象を交えて書くと。
ロサンゼルスでの金メダルで始まったオリンピック競技としての野球は、
その後、銀→銅→銀と一定の成績を残してきた。
しかしシドニーでは予選も完敗な上にメダルも逃す。
シドニーではキューバ、アメリカの安定ぶりが目立ったため、
これからの国際試合は守備的だっつーことで組織し直し、アテネで銅メダルを獲得、
WBCでも優勝に輝く。
この流れで行けば当然、北京も1点を争う細かい試合になるはずだったけれども、
実際には両チーム5点以上取るような乱打戦が展開され、
他チームの打線が好調なのに対し日本の打線は湿り気味。
結果、そつなく先取点を取るも逆転を許す形で、敗戦。
(予選のアメリカ戦は投手戦だったので、全てではないけれども)
なんだろうなぁ、こうして並べてみると全然読めません(苦笑)
WBCでの得点が低いのはシーズン前だったから?とも思えるし、
今回の大会でよく打ってたといえるのは韓国とアメリカだけにも思える。
(ただしキューバは下位チーム相手にやたら点を取ってるので7試合では最多得点)
ただやはり4チームの失点数に差が無く、
得点数で日本が凹んでる現状を見ると、打ち負けたという印象はぬぐえないかな。
大会前はまさかこんな結果になるとは思えなくて、
むしろWBCの時みたいな、点を取られたら終わり的な雰囲気を予想してたんだけど、
ふたを開けてみたらある意味普通の野球だったっていう。
…難しいよね。。さすがに。
わからんてばさ。